「トップの人たちがもっと野球を勉強して」ダルビッシュ有が3年前に指摘していたWBCの“敗因”「頑張ってください、だけじゃ変わらない」
MLBと日本のテクノロジーの差
日本とMLBとの差とは。もちろん、身体能力を含むフィジカルの差がある。もう一つ、差があるとすれば、テクノロジーの差だ。日本はこの分野に弱いのか、遅れているのか。3年前、ダルビッシュ有はこんなことを感じていた。 「テクノロジーを(もっと)入れたらいいと思いますよ。テクノロジーを使わないっていうことは、例えば科学的に見たときの原因はこうなんじゃないか、あれはこうなんじゃないかってそういうところで、すごく答えが狭まっちゃう」 これは怪我の原因や予防方法、あるいは選手の育成方法にまで話が及ぶ。 「(指導者が)自分の経験と経験から得た感覚でモノをいうので、そこから出る答えしかないわけですよ。それが正しいかどうかなんて分からない。正しくない可能性が多い。しかもその答えを出すのがめちゃくちゃ早い。いろんな検証をする幅がないわけじゃないですか、テクノロジーとか最新の科学を使わないので。 だから、もし良くないとき、良くない選手を直すときや、良い選手をさらに良くするときに道を間違えやすい。科学的にはそういうの(根拠)があればちゃんとした道が見える可能性がすごくあるのに」 無論、指導者が一生懸命に取り組んでいることは十分に理解している。ただ、もっとできることはないのか? という疑問が出てほしい。
ダルビッシュや大谷が感じていたギャップ
「アメリカの選手たちのパフォーマンスがすごく高いのは、なんでだろう? とか、どうしたらいいんだろう、ということにあまり(日本の指導者は)興味がない」という印象が3年前のダルビッシュにはあった。 ただ、前回大会からの3年間で日本球界でもデータ運用のノウハウは進み、SNSの活用なども進んでいたはずだ。それでも準々決勝敗退後、大谷翔平は「必ずしもすごく(データ活用や知識が)遅れていたかと言われたら、そうではないですけど、現場が日頃から『使ってはなさそうだな』っていう雰囲気は出ていた。そこら辺のギャップもありました」と明かした。 新たなテクノロジーの導入や、制度やルールを変えるスピード感が鈍いことは、日本の弱点だ。ダルビッシュは前回大会では選手として、今大会はアドバイザーとして若い選手と過ごした。今の選手たちはトレーニングの知識もあり、考え方もしっかりしている。メジャーで通用する選手が何人もいる。個人に感心する一方、物足りなかったのが組織全体の姿勢だ。
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