前回WBC優勝後「日本の関係者からは何も聞き取りがなかった」ダルビッシュ有の危惧が現実に…「振りしぼって、なんとか勝った」後に必要だったこと
WBCベスト8で敗れた日本代表。何が足りなかったのか、何を変えればいいのか。しかしこれは実は今に始まったことではない。日本中が優勝の喜びにひたっていた3年前、すでに日本の課題を指摘していたのが、ダルビッシュ有だった。〈全2回の1回目/2回目を読む〉 【写真】「ダルさん、優しい…」伊藤大海らピッチャー陣を見守りアドバイスを送るダルビッシュの姿&前回大会の“ダルビッシュ塾”もプレイバック 連覇を目指した戦いは、期待よりも早く終わった。ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)、準々決勝。日本代表、侍ジャパンはベネズエラ代表に5-8で敗れた。 失意の敗戦から約1時間が経過したころ、三塁側クラブハウスの外には取材するためのミックスゾーンが設置され、日本メディアのみならず、米メディアも数人集まっていた。スタッフ、主力選手たちはメディアの前を歩いて、帰りのバスに向かった。 しかし、アドバイザーとして合流していた39歳のダルビッシュ有(パドレス)の姿はなかった。あくまで今大会では裏方に徹し、公の場では発言するタイミングではない、と考えたのかもしれない。宮崎合宿に同行し、マイアミで再合流してチームを支えた、その総括や振り返りのコメントを残すことはなかった。メジャーの第一線で長年投げているダルビッシュは、大会をどう評価したのだろう。あえて『力の差』を表現するとしたら、どんな言葉を発しただろうか。
3年前の懸念
実は3年前のWBC優勝でお祭りムードが沸き上がる中、ダルビッシュには懸念していたことがあった。心配、危惧……。正直にいってしまえば、憤りを感じていた。怒っていた、といったら言い過ぎかもしれないが。 「今回(2023年大会が)終わってから、僕にWBCのことで『どういう問題がありましたか? 』とか、メジャーリーグの選手たちを(日本代表に)呼ぶことについて、NPBとか侍ジャパン(の関係者)からは何一つ、聞かれていない。次のWBCでどうやったら今年(2023年)よりも良くなるか、の議論が一切ないじゃないですか。それが僕、すごく嫌なところ。見えているゴールが違う、僕と向こう(NPB関係者)が」 このコメントは2023年8月時点のもの。その後、2024年1月のインタビュー時でもNPBからフィードバックの話し合いはなかった、と明かしていた。 それからこの2年間、今大会を迎えるまでにダルビッシュが望んだ「日本野球がより良くなるために」という議論がNPBや侍ジャパンの幹部との間で行われたのか、定かではない。 しかし、今大会の敗戦を契機に、今度こそ日本野球が進むべき方向を定義する必要があるかもしれない。ダルビッシュが上記の危惧を抱いたのは、日本球界への熱い思いがあるからだ。 「日本の球界が、アメリカの球界を超えてほしいんですよ。日本の球界が(世界の)中心になってほしい。アメリカの選手たちが日本の球界ってすごいね、日本でプレーしたい、(MLBでの)キャリアが終わってから1年行きたいとか、そういうのじゃなくて、レベルが日本の方がトップだから(行きたい)、っていう球界になってほしいんですよ」
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