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NPO法人フローレンスの不正についての委員会が終わりました。 報告書についてざっと要約を置いておきます。区のWEBサイトに明日公式見解が掲載されますのでご確認ください。 なお、フローレンスからの聞き取り調査と書類調査であり、金融機関の反面調査や法人そのものの調査は権限的にできていません。 〇補助金返還に係る検討結果報告書(要約) 1. 経緯 ・平成29年2月24日:フローレンスが銀行と5,000万円の金銭消費貸借契約を締結。渋谷区は「抵当権」設定を前提に国へ補助金を申請。 ・平成29年7月28日:本件建物が完成。 ・平成29年10月6日:フローレンスが区に対し「【抵当権】設定の承諾」を依頼。同月16日、区が承諾を回答。 ・平成29年12月1日:フローレンスが銀行と【根抵当権】設定契約を締結し、同日登記を完了。 ・平成30年3月上旬:区が登記事項証明書を確認。承諾した抵当権ではなく「根抵当権」が設定されていたが、区は両者の違いを十分に把握しておらず、書類上は「抵当権設定有」として実績報告を実施。 ・令和7年10月下旬:インターネット等で「根抵当権の設定は不適切」との指摘を受け、区が国へ確認。 ・令和7年11月5日:区がフローレンスに対し、根抵当権の抹消を口頭で指示。同月10日、文書にて正式に依頼。 ・令和7年11月19日:フローレンスが残債務(計3,823万8,000円)を銀行へ一括返済し、根抵当権抹消の登記申請を完了。 ・令和8年3月26日:本報告書を文教委員会資料として提出(今日) 2. 根抵当権設定の違法性 ・法律の適用範囲:「補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律」第22条(財産処分の制限)は、補助事業者である「区」を規制するものであり、間接補助事業者(注)である「フローレンス」には適用されないとするのが裁判所の判断(最高裁令和3年判決等)。 ・区の規定との整合性:当時の渋谷区の補助金交付規則や要綱には、根抵当権の設定を明確に禁止する規定はない。したがって、直ちに違法状態と断定することは困難。 3. 根抵当権設定の意図と詳細 ・フローレンスに不当な意図があったかについて、以下の事実から検証。 1借入の実態:平成29年の設定当時、根抵当権の極度額は建設資金の借入額と同額(5,000万円)。その後、令和5年12月までの約7年間、フローレンスは銀行から追加借入を一切行っていない。 ・追加融資時の状況:令和6年1月に運転資金として5,000万円を追加借入しているが、フローレンスと銀行の間で担保に関するやり取りは一切なかった。 ・知識の不足:根抵当権は継続的に融資と返済を繰り返す場合にメリットがある形式だが、本件建物の建設資金は当初の1回のみの借入。フローレンスにとって根抵当権を選択する合理的なメリットはなく、抵当権との違いを把握しないまま設定に至ったものと推測される。 結論:フローレンスを利する意図や、故意に根抵当権を設定したとは考え難い。 4. リスクと実害の検証 ・差し押さえのリスク:令和6年の追加借入時点において、フローレンスの預金残高は約2億8,000万円を超えており、財務状況は健全。借入金の不払いは一度もなく、担保権が実行(競売等)される現実的なリスクはほぼない。 現状:既に根抵当権は抹消されており、区民および国民に損害が発生するリスクはない。 5. 検討結果と結論 以上の検討により、補助金は適正に建設費用に充てられており、不当に利益を得た事実も認定できないことから、補助金の返還は要しない。 ただし、フローレンスに対しては、文書による行政指導を行う可能性がある。 【語句・条文解説】 ・抵当権(ていとうけん)特定の借入金(例:今回の建設資金5,000万円)を担保するための権利。完済すれば権利は消滅します。 ・根抵当権(ねていとうけん)あらかじめ決めた上限額(極度額)の範囲内で、将来の借金も含めて何度でも担保として利用できる権利。 補助金で建てた施設が、事業と無関係な借金の担保に使われる恐れがあるため、公金事業では原則として認められません。 ・補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律 第22条補助金により取得した財産を、目的外に使用したり担保に入れたりすることを制限する法律です。 ・間接補助事業者国から補助金を受けた自治体(本件では区)から、さらにその補助金の交付を受ける民間団体(本件ではフローレンス)を指します。 ・極度額(きょくどがく)根抵当権において担保される金額の上限のことです。