植苗に大型蓄電池工場 27年6月稼働へ パワーエックス、総事業費30億円
大型蓄電池の製造・販売を手がけるパワーエックス(岡山県、伊藤正裕社長)は23日、苫小牧市植苗に新工場を開設すると発表した。再生可能エネルギーの主力電源化を見据え、系統用蓄電システムの中長期的な需要拡大に対応する狙いで、大型蓄電システムを製造する。総事業費は約30億円で、2027年6月の稼働開始を目指す。 同社は同日、植苗の元建材製造工場の土地約2万5000平方㍍、建物延べ約8200平方㍍を取得。既存の建屋を改修することで、短期間で立ち上げることができる。着工は今夏以降、雇用は30人程度を予定している。 新工場では同社の大型蓄電システム「Mega Power(メガパワー)2500」を製造する。10㌳コンテナ型、容量約2500㌔㍗時で、生産開始時は年約400台を予定。将来的には年約800台、200万㌔㍗時に拡張する。同社が開発を進めるコンテナデータセンターの混合生産も検討する。 同社は現在、全ての製品を岡山県玉野市で製造しているが、需要拡大を見込んで供給力を確保しようと、苫小牧に新たな生産拠点を設けることにした。製造拠点の分散で自然災害へのレジリエンス(復元力)強化、完成品の輸送コスト削減につなげる狙いもある。 同社は苫小牧について「苫小牧港や新千歳空港に隣接し、物流・人員移動の両面で優れた立地条件を備えている」と評価。製品は北海道・東北の系統蓄電所向けに供給する考えで、「電力が安い時に蓄電し、需要が高まった時に放電するなど、道内の電力需給状況に合わせて運用できる」と調整力確保の需要拡大を見込んでいる。 同社の製品は現在、道内では函館で運用を始めたほか、8件で導入される予定という。このうち苫小牧では2件の計画があり、「新工場の蓄電システム製造・供給を通じて、北海道の再生可能エネルギーのさらなる導入拡大とカーボンニュートラル(温室効果ガスの排出ゼロ)の実現に、地元企業やパートナーとともに取り組む」としている。 (今成佳恵)
苫小牧民報