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なんだかもう/Novel by yosihito

なんだかもう

1,605 character(s)3 mins

成長士弓 腐向け 短め
士郎くんがもだもだしている話。

タイトルはKidori Kidoriの歌から。

プライベッターにあげていたものをアップしなおしました。

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「なあ、アーチャー?」
「いらん。魔力は足りている」

鍛錬の後に汗を流し、食事を済ませ、後は寝るだけとなった俺たちは、このところお定まりになっている不毛な押し問答を続けていた。
ここ最近、魔力を大きく消費するような事件もなく、アーチャーに“魔力供給”を行う必要がなかった。
今更な話だが、“魔力供給”という建前がないとアーチャーはなかなかセックスに応じてくれない。
機会があればこいつを抱きたいと思っている俺とはそこに大きな齟齬があった。

行為そのものが嫌な訳ではないと思う。
お互い男であるから性的に感じているかは一目瞭然だ。
むしろ、一度行為を始めてしまえば、アーチャーは意外と積極的に快感を追い求めた。
サーヴァントという存在がみなそうなのかは分からないが、こちらが驚くほどアーチャーは感じやすかった。

セックスの最中、いつものしかめっ面が蕩けてだんだんと快楽に溺れていくのを見るのはすごく興奮したし、何より、普段から未熟者だのなってないだのと、散々に人を貶すその口が「もっと」と俺を欲しがる姿は本当に堪らなかった。
アーチャーも多少は自覚があるのか、普段は自制していて、そこまで行為に耽溺してしまう事は滅多になかった。
だから、尚更その姿を見たいと俺は望み、奴は逆なんだと思う。

いつもなら、この問答は大抵俺が折れて――つまり諦めて――終わるのだが、今日はそうしたくなかった。
前回の魔力供給からもう2週間経っていた。
つまりそれくらいもの間、俺は“お預け”を食わされているのだ。
いい加減溜まるものも溜まるというものだ。
それはもう色々と。

なので、今回は強行手段に出る事にした。それはつまり、

「アーチャー」

まっすぐに奴の目を見ながらその顔に手を伸ばす。
咄嗟に顔を背けて逃げようとするのを、両手で顔を挟むように押さえた。

「む、――貴様、何の真似だ?」
「うん。こういう時はもう直球かな、って?」
「直球?」
「そ、なあ、アーチャー、オレはお前を抱きたい。嫌か?」
「だから、魔力は」
「足りてるんだろ?でもそれは、お前の方の事情であって俺はそうじゃない」
「――何がいいたい?」

いい加減長い付き合いだ。
俺の言いたいことを察したらしいアーチャーが半目でこちらを睨む。眉間の皺が深くなっていく。

「だから言ったろ。お前を抱きたい。お前とセックスしたいんだって」

照れとか恥ずかしさとかがないと言ったら嘘になるし、こういう事を言うのに正直抵抗もある。
事実、俺の顔は赤くなっているだろう。そして、俺の手に挟まれている奴の顔も負けないくらい赤くなっていた。

「セッ!?き、貴様、恥ずかしげもなくそんなことを!?」
「恥ずかしくないわけないだろ!?でも、こっちだって色々と切羽詰まってるんだよ!察しろよ?」

こちとら健全な青少年だぞ!!

半ギレでまくしたてる俺を、赤い顔のままで呆然と見ていたアーチャーは、どうやら色々と察してくれたらしい。
目線を外して、あー、とか、うー、とか言いながら何事かを逡巡している様子だ。
やがて、こちらに目線を合わせると頷いた。

「青年期のその手の衝動について私自身にはもう記憶はないが、一応の想像は付く。――いいだろう、マスターの精神的安寧のためだ。相手になってやろう」
「なんでそう偉そうなんだ、お前?」

言いながら顔を寄せ、ちゅという軽い音を立てて口付けると一度離れた。
アーチャーがゆっくりと目を閉じたのを合図にして再度顔を寄せる。
今度は深く口付けた。

差し込んだ舌にアーチャーのものが絡まり応えてくる。
その手が背に回ったのを感じると、俺も片手を腰に回しその体を引き寄せた。

(End)

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