「重大事態」いじめ、1年も国に報告せず 茨城大付属小、調査も拒否
茨城大学教育学部付属小学校(水戸市)が、「重大事態」と認定したいじめについて、1年以上も国への報告を怠っていたことが明らかになった。被害児童の保護者に事実と異なる説明をし、第三者委員会による調査を拒否していたことも発覚。同大は7日、一連の経緯を発表し、統治機能に「深刻な問題」があったと認めた。
保護者の代理人弁護士によると、当時小学4年だった女児は2021年4月ごろから、同級生につきまとわれたり、命令されたりした。その後、学校を休むようになり、同6月には欠席の理由がいじめだと保護者が同校に伝えたという。
同大によると、同校は女児の欠席期間が長期に及んだことを踏まえ、同11月に、いじめ防止対策推進法に基づく「重大事態」にあたると認定した。
同法は国立大付属校で重大事態が認められた場合、文部科学省への報告を義務づけている。同大は、件数のみの回答で報告を終えたと誤解し、個別事案の報告はしないままにしていたと説明している。
女児の保護者は、状況が改善されないとして、今年1月に同校幹部と面談。この際、文科省への報告の有無をただしたところ、幹部は「報告済み」と事実と異なる説明をした。実際に文科省に報告したのは、面談後の2月になってからだった。同大はこの経緯について、「制度などへの認識不足があり、不適切な説明だった」と説明した。
保護者は1月の面談で、第三者委による調査を求めたが、学校側は後日、「被害児童の不登校解消に向けて心のケアを行う段階」にあるとして、第三者委による調査の必要はないと書面で回答した。
保護者の代理人弁護士は3月、「事実の解明が十分でない」などと改めて第三者委による調査を要請。大学側は4月5日になって、「保護者の納得が得られていない」などとして、いじめの調査と大学側の対応を検証するための第三者委を置くことを決めた。
同大の太田寛行学長は「ガバナンスに関する深刻な問題があり、厳しく受け止めている。深くおわび申し上げる」とのコメントを公表した。今後、再発防止に向けた課題の抽出と検証をしていくとした。