集団的自衛権に関する高市早苗総理の発言を機に、日中関係が悪化している。〝対日ハラスメント〟の域に至っている。「中国を怒らせたままだと本当に日本経済は衰退してしまう」という言説もあるが、それは真実なのだろうか。中国人観光客が来なくなり、日本製品は売れなくなり、レアアースは買えなくなり、モノづくりもできなくなったら日本はどうなるのか。こうした不安を抱いている人が多いが、本稿では、中国依存度を下げ、脱中国の境地に至れば、むしろ日本は強くなることを示す。
対中国で団結した日本人
中国政府は、訪日自粛の通達や、日本の海産物の禁輸を打ち出し、ひいてはレアアース(希土類)をはじめとする軍民両用品目などの輸出厳格化や禁輸にも踏み込んだ。中国は高市総理に発言の撤回を求めているが、日本がこれに応じることはない。メンツを重視する中国は、高市総理が発言を撤回しない限り、振り上げた拳を下ろすことはないだろう。「火の粉を被りたくない国は日本より中国に良い顔をする」と見透かし、日本を孤立させようとしていると思われる。
習近平国家主席が日本に圧力をかける目的は、日本を分断するところにあったのではないか。事実、日本国内の〝親中派〟は「日中関係を改善するため」として、高市総理に発言撤回を迫ってきた。その一翼を担ってきたのが主要メディアである。中国がどれほど激怒していて、それによって日本がどれほどの経済被害を受けるか、不安を煽る報道を繰り返してきた。高市内閣への批判が強まり、その結果総理が発言を撤回すれば、習主席の虚栄心は満たされただろう。それと同時に、日本に「習主席を怒らせてはいけない」という空気が蔓延し、日本は中国の事実上の従属国になるところであった。
しかし、日本人はそんなに馬鹿ではない。内閣支持率は高水準を維持し「日中関係を改善しろ」という空気は広がらなかった。習主席が圧力によって日本の政治を統制しようとしていることに対して、多くの日本人が嫌悪感を覚え、毅然とした態度を取ることを求めたのである。そしてその空気のまま総選挙に突入し、自民党が大勝を収めたことで、日本人の団結が明らかになった。中国に一歩も引かない高市外交が、有権者に力強く支持されたのである。