若者が「生活保護」から抜け出すために働いて「負のループ」に 「見えないホームレス」から脱するには
■住まいも収入のあてもない負のループ 住まいも次の収入のあてもないまま、社会に放り出されてしまっているのだ。その若者たちはネットカフェなどに泊まりつつ、その日の食事代や宿泊費、つまり「日銭」を稼ぐために日雇いやスキマバイトを繰り返す。まさに負のループである。 佐々木さんたちは、その日寝泊まりするがない人たちに宿泊先を提供する「せかいビバーク」という取り組みを続けているが、夕方になって「仕事を探したけど見つからず今日の収入がない」といったSOSが寄せられることが少なくない。 「なかなか社会に認知されませんが、このような『見えないホームレス』の若者たちが増えています。事実、私は毎日のように相談で会っているのですから。労働意欲はちゃんとあるけど、不安定就労から抜け出せない状況にある若者への支援が、日本では不足しています」(佐々木さん) ■負のループから脱するには この状況から脱するにはどうすればいいのか。 佐々木さんは、まずは日雇い生活から離れ生活保護を一時的に利用すること。東京だと3カ月を目処にアパートに移るための一時金が支給されるため、それを利用して自分のアパートを借り、足場を作った状態で、アパートから通える長く続けられそうな仕事先を探す。それが望ましい形だと話す。また、例えば東京都は「TOKYOチャレンジネット」という住まいがない不安定就労者への支援を行なっているが、行政の支援を利用するのも一つだ。 前出の小野さんのような若者が増えていくとすれば、社会の不安要素でしかない。 「対岸の火事として傍観するのは、おかしいと思います」。佐々木さんはそう言葉に力を込めた。 (ライター・國府田英之)
國府田英之