冬優子「マッサージしてあげようか?」 P「いくら欲しいんだ?」
冬優子がマッサージをしてくれるなら,私は相場の10倍までなら出します。つまりはそういうことです。
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冬優子「は?」
P「すまないが今日はあまり持ってきてないんだ。後払いでもいいか?」
冬優子「ちょ、ちょっと待ちなさい!」
P「どうした? 料金表があるとスムーズに話が進むぞ」
冬優子「そうじゃなくて!」
P「……やっぱり後払いだと駄目か?」
冬優子「違う!」
P「じゃあなんだ?」
冬優子「なんでふゆがあんたからお金もらわないといけないのよ!」
P「……ああ、そういうことか」
冬優子「そうよ!」
P「いつオフを取ればいいんだ?」
冬優子「……」
P「さすがに明日とかは勘弁してほしいが……まあ冬優子のお願いならなんとかできなくもないぞ」
冬優子「……」
P「冬優子?」
冬優子「……ウガァ!!」
P「急に奇声上げてどうした?」
冬優子「どうした? じゃないわよ! 別にお金もオフも欲しくないわよ!」
P「じゃあ、冬優子はなにが欲しいんだ?」
冬優子「なにも欲しくない!」
P「だったらなんで冬優子が俺をマッサージしてくれるんだ?」
冬優子「まず! 前提が! 間違ってるの!」
P「……つまり、マッサージしてくれないってことか?」
冬優子「あんたバカなの!?」
P「え、ひどくない?」
冬優子「ひどくないわよバーカバーカ!」
P「そういうこどもっぽいところ、すごくかわいいと思うぞ」
冬優子「なっ! う、うるさい!」
P「思ったことを言っただけなんだが」
冬優子「……もういい。あんた、最近いつ休んだ?」
P「先週1日オフあっただろ?」
冬優子「そうね。ふゆの買い物に付き合ってくれたもんね」
P「一番くじお一人様3回までだったからな」
冬優子「的確にふゆの欲しかったB賞当てたこと褒めてあげる」
P「どういたしまして」
冬優子「じゃあ、その前は?」
P「先々週に午後から半休もらったぞ」
冬優子「ええ。ふゆとごはん行ったもんね」
P「ライブ成功のご褒美が欲しいって言ったからな」
冬優子「ドレスコードがあるお店なら先に言いなさい」
P「ドレスと合わせてご褒美だって言っただろ?」
冬優子「だからよ」
P「だから?」
冬優子「あんた、最近オフはずっとふゆに付き合ってばっかりじゃない」
P「そうだな」
冬優子「ちゃんと休めてるの?」
P「休めてるぞ」
冬優子「はいダウト!」
P「うそじゃないんだが」
冬優子「ふゆが知らないと思ってるの? 最近疲れがとれないって、はづきさんに相談したでしょ」
P「そりゃ若いころのようにはいかないだろ。疲れだってたまりやすくなったし、肩だってこる」
冬優子「普段あれだけ仕事して、オフもふゆに付き合ってたら、休まるものも休まらないわよ!」
P「いや、たまに仕事終わりにマッサージ屋行ったりするし、はづきさんに教えてもらった枕に変えてから調子いいし、冬優子に心配されるほどでもないぞ」
冬優子「だからお店じゃなくて、ふゆがマッサージしてあげるって言ってるのよ」
P「だから、俺はいくらだって聞いたんだ」
冬優子「話を振り出しに戻すな!」
P「……つまり、冬優子はいつかの時みたいな打算も下心もなく、純粋な厚意で俺にマッサージしようか聞いたのか?」
冬優子「言い方が気に入らないけど、それを理解するのにどれだけ時間かけてるのよ」
P「いや、だって冬優子だぞ?」
冬優子「どういう意味よ!」
P「聞きたいか?」
冬優子「絶対ろくなこと言わないから聞かない」
P「それは残念」
冬優子「……今に見てなさい」
P「それで、俺はここに座ってればいいのか?」
冬優子「……なんだかんだ言って、あんたノリノリじゃない」
P「なに言ってるんだ? 俺ははじめから、マッサージについては前向きだぞ」
冬優子「そうね。ふゆがお金やオフを要求してもしてほしいってことだもんね」
P「当たり前だろ? 冬優子のマッサージなんて相場の3倍は出すぞ」
冬優子「……せっかくだから、ジャケット脱いでソファーに寝転がりなさい。ふゆが徹底的にコリをほぐしてあげるから」
ギュギュギュ
P「……今更なんだが」
冬優子「な、に、よ!」
P「背中に乗る必要はないんじゃないか?」
冬優子「この方がふゆがしやすいんだから文句言うんじゃないわよ」
P「冬優子」
冬優子「重いって言ったら殺すわよ」
P「太った?」
冬優子「フンッ!」
P「重いとは思っただけで言ってないだろ!?」
冬優子「その代わりに出てきた言葉がそれならなお悪いわ!」
P「いいじゃないか別に。胸が大きくなったからかもしれないだろ?」
冬優子「絶対思ってないでしょ!」
P「冬優子の貧乳は貧しいじゃなくて、品格がある胸で品乳って感じだよな?」
冬優子「ハッ!」
P「流石に品がなさすぎたスマン!」
冬優子「次,変なこと言ったら止めるわよ」
P「それは困る。今メチャクチャ気持ちいいし」
冬優子「お店でプロのオジサマにお金払ってしてもらえばいいじゃない」
P「冬優子のマッサージをおぼえたら、もうマッサージ屋いけなくなりそう」
冬優子「……そ。ならこれからも気が向いたらまたしてあげる」
P「ありがとう」
冬優子「どういたしまして」
ギュッギュッ
P「冬優子」
冬優子「なに?」
P「もう十分だぞ」
冬優子「うそ言うんじゃないわよ。まだこんなにこってるじゃない」
P「冬優子も疲れただろ?」
冬優子「ふゆより、あんたの方が疲れてるじゃない」
P「そうでもないぞ」
冬優子「……あんたが誰かに相談するなんてよっぽどじゃない」
P「冬優子?」
ギュ-ッギュ-ッ
冬優子「いつもふゆのことばっか気にして。自分のことはいつも後回し」
P「プロデューサーが担当アイドルを優先することは当然だ」
冬優子「落ち着いてご飯食べてないことも、夜遅くまで残業してることも、ふゆが知らないと思ってるの?」
P「冬優子へのオファーも増えたからな。今が頑張り時だ」
冬優子「そのタイミングで、あんたが倒れたら意味ないじゃない」
P「冬優子の代わりはいないが、俺の代わりはいる」
冬優子「っ!」
……ポフ
P「……冬優子?」
冬優子「……あんた以外に、ふゆをアイドルにできるの?」
P「冬優子はプロだからな。俺がいなくたって仕事は完璧にこなすだろ?」
冬優子「あたりまえでしょ」
P「ちょっと前とは違う。今の冬優子はもう立派な売れっ子アイドルだ。俺が営業に出なくたって、『ふゆ』がやりたい仕事のオファーは来る」
冬優子「本当にふゆがやりたい仕事はあんたがとってくるじゃない」
P「それも昔に比べれば楽になった。冬優子の名前を出せば、企画はすんなり通る」
冬優子「その企画書をつくってるのはあんたじゃないの」
P「大した労力じゃない」
冬優子「だったらもっと早く帰りなさいよ」
P「冬優子にやらせたい企画が次々と思いつくんだ。家に帰るよりも企画書書いてるほうが楽しい」
冬優子「いい加減怒るわよ」
P「……あのな、冬優子」
冬優子「言い訳なら聞く気ないから」
P「俺は今、冬優子のプロデュースが楽しくてしかたないんだ」
冬優子「……うそ」
P「本当だ。冬優子がアイドルとしてどんどん成長していくのを一番近くで見れるんだ。冬優子のファンとして最高のご褒美だろ?」
冬優子「……だとしても,オフくらいちゃんと休みなさい」
P「休んでるって,さっきも言ったろ?」
冬優子「オフの日もふゆとずっと一緒じゃない」
P「いつも俺のストレス発散に付き合ってくれてありがとな」
冬優子「……へ?」
P「俺にとって最近一番のストレス発散法は,冬優子であそぶことだからな」
冬優子「……そこはうそでも冬優子とって言いなさいよ」
P「だから,冬優子は何も心配しなくて大丈夫だ。俺のことなんて気にせずに,トップアイドルに向かって走り続ければいい」
冬優子「……」
P「で,たまにこうして俺に遊ばれればいい。そうすれば,多分俺はずっと冬優子のプロデューサーだ」
冬優子「……」
P「冬優子?」
パンッ
冬優子「はい終わり!」
P「おお?」
冬優子「あーあ。あんたをマッサージしてあげたからお腹すいちゃったじゃない」
P「時間も時間だしな」
冬優子「責任取りなさい」
P「今日はあまり持ってきてないぞ?」
冬優子「いいわよ別に。今日はお寿司の気分だから」
P「……回ってる寿司でよければ」
冬優子「しょーがないわね。ふゆは優しいから、それで許してあげる」
P「そりゃどーも」
冬優子「ほら。さっさと行くわよ! 早く準備しなさい」
P「はいはい。ったく……」
だから、楽しくてしかたないんだよ。
この幼馴染感強めな雰囲気が心を潤すんだ