「アジアは相当困っている」高市首相、IEA事務局長に追加の石油協調放出を要請

ビロル国際エネルギー機関(IEA)事務局長(左)の表敬を受ける高市早苗首相=3月25日午後、首相官邸(春名中撮影)
ビロル国際エネルギー機関(IEA)事務局長(左)の表敬を受ける高市早苗首相=3月25日午後、首相官邸(春名中撮影)

高市早苗首相は25日、国際エネルギー機関(IEA)のビロル事務局長と官邸で面会し、石油備蓄の追加の協調放出を要請した。イランがエネルギー輸送の要衝ホルムズ海峡を事実上封鎖していることを踏まえ、「アジア各国は相当困っている。(イラン情勢が)長期化した場合に備え、追加的な協調放出の準備をお願いしたい」と求めた。

日本は米国に次ぐ放出規模

ビロル氏はエネルギー市場安定のため、必要であれば追加の協調放出は検討可能と説明したうえで、引き続き日本と協力していく考えを示した。

日本を含むIEA加盟国は11日、過去最大規模となる4億バレルの協調放出に合意し、順次放出を始めた。日本の放出量は7980万バレルと全体の約2割を占め、最大の米国の1億7220万バレルに次ぐ規模になっている。

首相は「現在の中東情勢の中でエネルギー安全保障は重要だ。ビロル氏のリーダーシップで史上最大規模の協調放出が決まったことに心から敬意を表したい」と述べた。

事務局長はイラン情勢に危機感

ビロル氏は日本政府への感謝を述べるとともに、イラン情勢に関し「世界のエネルギー安保は重大な局面に直面している」と危機感を示した。

首相とビロル氏は日本や欧米などが中国依存の低減やサプライチェーン(供給網)の強化を急いでいる重要鉱物分野に関する連携も確認した。

首相は24日にはフィリピンのマルコス大統領ら海外の3首脳と個別に電話会談を行った。中東情勢が緊迫化する中、国際機関や各国と連携し、エネルギー市場の安定を含む事態の早期沈静化の取り組みを加速している。(永原慎吾)

会員限定記事

会員サービス詳細