最後の里山食堂の調理に励むメンバー=14日、小松市の里山自然学校こまつ滝ケ原

調理に参加してきた歴代メンバー

 ●慰労会開催、常連さんに感謝

 小松市の里山自然学校こまつ滝ケ原で「里山食堂」を運営し、地元の野菜やキノコなどを使った手料理を振る舞ってきた女性グループが4月から「代替わり」する。自然学校の開校から15年、里山と日本遺産・石文化の魅力を体験する数多くの来校者を食でもてなしてきたが、地元で勤務経験のある金沢の若手に託す。塾長の山下信子さん(76)は「若い人も訪れる食堂に育ててほしい」と期待を寄せた。

 里山自然学校こまつ滝ケ原は、2011年に閉校した那谷小滝ケ原分校と、隣接する旧滝ケ原保育所を活用して開校。「里山生き物調査塾」「里山体験交流塾」など多彩な学びを提供する中、地元の女性有志が「里山食堂」をオープンし、山の恵みをふんだんに使った里山ランチの提供を始めた。

 月2回の食堂のメニューは季節の天ぷら、煮しめを中心に柿の葉ずし、タケノコご飯、むかごご飯など、その時季に一番おいしい地元食材を調理してきた。東日本大震災で被災した福島の児童生徒を迎えたほか、大学生カフェがオープンしたこともあったという。

 食堂はリピーターが多く、山下塾長によると、約15年間の開催で同じ献立は一度もない。「おかげさまで、常連さんに支えられてきた」と感謝を語る。

 食堂は70~80代の女性5人ほどで切り盛りしてきたが、メンバーの高齢化を理由に今月で一区切り付けることにした。14日に開いた、現在のメンバーで最後となる食堂ではフキノトウやシイタケの天ぷら、ゆべし、ちらしずしなどを調理。後任の柳生萌未さん(34)=金沢市=も加わり、33人をもてなした。

 18日は自然学校で慰労会が開かれ、歴代メンバーがねぎらい合った。初期から加わる中島松子さん(85)は「調理はもちろん、自分の育てた野菜を利用してもらえるのがうれしかった」と振り返る。

 山下塾長は4月から、特任アドバイザーとして食堂を支える。東京のケータリング企業で働いた経験もある柳生さんは「まずは継続していくことを目標にしたい」と語る。山下塾長は「山のもんを使った、ハイカラな料理で、里山食堂の灯をつないでほしい」と期待した。次回の里山食堂は4月4日に開かれる。

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