君はFrumsを知っているか?【前編】
12月13日、この記事の公開日ですが、何の日だと思いますか?
そう、Frums氏の誕生日です!
ということで、皆さんはFrumsというコンポーザーをご存知でしょうか。
この記事を読んでいる方は大体音ゲーマーだと思うので、少なくとも名前ぐらいは耳にしたことがあるかと思います。
皆さんはFrums氏に対してどのようなイメージを抱いているでしょうか。どのような曲を作っているかご存知でしょうか。
この記事は、Frumsというコンポーザーを多くの方により知ってもらおうという目的のもと集まったFrums好きの有志が、各々の好きなFrums曲を紹介するといったものになっております。
前編と後編の2部構成でお届けします。
紹介する曲は、音ゲー書き下ろし楽曲からコンピレーションアルバム収録曲まで、幅広く選出しております。
まだFrums氏をよく知らない方はもちろん、既にご存知の方も十分お楽しみいただける内容だと思います。
Frumsについて
曲を紹介する前に、まずはFrums氏について知っておきましょう。
Frumsは1998年12月13日生まれのアメリカの作曲家であり、BOFU2015にて発表の「Credits」でデビューしました。
ノイズや難解な拍子、リズムを緻密に詰め込む作風が特徴的です。
BMSイベントで発表した曲についてはBGAも全曲制作しており、SoundCloudでのジャケットなども自ら制作しています。
実はArcaeaの「memoryfactory.lzh」、「μ」、RAVONの「Tower of Dreams」はゲーム内でのアートワークも担当しています。多才。
ちなみに読み方はフラムズ。フルムスじゃないよ
楽曲紹介(tugi.)
(当記事にはPCゲーム、vivid/stasisのネタバレを含みます)
stop-motion
BPM72(大嘘)
当楽曲はSteamで公開されているリズムゲーム、vivid/stasisのストーリー4章の隠し曲である。
この楽曲の特徴は何と言ってもThe 最近のFrumsという雰囲気であり、全体的に超高速かつ超リズム難で、ノイズ的な音や不気味なピコピコ音がFrumsっぽさを醸し出している。
またBPMにおいては表記が72であるものの、こちらの楽曲のジャンルはQUARTERCORE(Frums氏soundcloud内の表記にて)であるため、72は実際のBPMのQUARTERであり、実際はBPM288であるという特大詐欺を行っている。
更にゲーム内ではBPM288で繰り出されるFrumsリズムが完璧に音取りされているため、とても高難易度な楽曲になっている。
譜面動画(youtube参照)
そのため、Frums節が効いている最近の曲を聴きたい方や音ゲーで高難易度を飾るFrums氏の曲を遊びたい!という方に非常におすすめ。
欲
BPM190?(Frums氏soundcloud内の表記にて)
初出はikaruga_nex氏主催のレーベル、BLCKLOUDSのEP、「骸匣 -Sarcophagus-」の収録楽曲であり、このEPでは人の醜さと美しさ、またそれによる人類の終焉がテーマになっている。
当楽曲の1番の特徴は機械的なノイズサウンドで、この楽曲である人類崩壊後の世界で機械獣がありとあらゆる廃棄物を食らいつくすというコンセプト(Frums氏Xより)において非常に鮮明に情景を表した物であり、サウンドデザインで見ても、IDM(Breakcore)としても秀逸でFrums氏が得意とするノイズ系の音をまとまっているようにする、という点が全面に出ていて、ノイズミュージックが好みという方にとっては非常に気持ちが良い一曲である。
EPの購入リンク
halved halved halved
BPM 170
Hundotte氏との合作曲
初出はスマホゲーム、NOISZ_STΔRLIVHTで当楽曲は、overload vl11.5の詐称譜面枠で、12といっても差し支えない(高難易度)難易度である。
NOISZ_STΔRLIVHTというゲームはそもそも、弾幕とリズムゲームを合わせたようなゲーム性となっていて、譜面の見た目が元々とても難しく、初心者には何をしているのかさっぱりわからないゲームだが、当楽曲においては高難易度というのもあり本当によくわからない。
また、曲については不気味な雰囲気で進んでいき、主にはFrums氏のノイズや心音のようなキック、方形波サウンドがメインだが、ところどころ、Hundotte氏のピアノであったり、あまりFrums氏の曲では聴かないサウンドや曲調が混ざっていて、とても聴いていて斬新で面白い楽曲である。
parvorbital
BPM197
初出はACリズムゲームのCHUNITHM NEW
この曲は、ノイズがほとんど登場せず、主にピコピコしたシンセサイザーと超絶リズム難なドラム、アーメンブレイクや独特な声ネタが非常に特徴的でFrumsがよく使用するかつ得意とするノイズを使わずとも所謂”Frums節’’を感じさせる一曲になっている。
またこの楽曲の最後、CHUNITHM内の譜面では両手でリズムの違う両手トリルが降ってくるのだがこちらの方、リズムが
左耳:16分の1拍子×17
右耳:192分の17拍子×12
(Frums氏Xより)
となっており、非常に難解なリズムでありそのような要素もFrums氏特有である雰囲気を作り出すものになっている。
ラストは
— Frums (@frumsdotxyz) February 17, 2022
BPM229
16分の17拍子、1小節
左耳:16分の1拍子×17
右耳:192分の17拍子×12
本当に譜面化されてビックリした…理論値ブレイカーになって申し訳ございませんでした
楽曲紹介(manyor)
Living Will
BPM 94-228
Lanota書き下ろし楽曲
インダストリアルでテクノ感溢れる音と例に漏れず複雑なリズムが特徴で、前半はキックがメインのひたすら無機質な展開が続きます。
メロディーが追加されていき、落ち着いたところで声ネタが挟まります。
その後は機械的な音の方にフォーカスします。
そしてキックが戻ってきて、ラストでは駆け抜けるかのようにどんどん加速していきます。
ちなみに声ネタの内容は「残された唯一の幻想は、個人の行動が存在するという主張だ。足跡で道を築け、疲れた手でタンパク質を捻り出せ。エネルギーを心臓に集中させろ」みたいなことを英語で言ってます。皆さんもタンパク質を捻り出しましょう
Lanota Main Chapter.Ⅶ「逃亡と破壊」に収録されており、ストーリーではノタリウム管理局本部から脱走する場面での楽曲であり、特にインダストリアルな音は機械の排気音や作動音、後半のスピーディーな展開は脱走という場面を秀逸に表現していると言えるでしょう。
無機質な空間をメロディーが反響するような雰囲気と、後半の疾走感が非常に魅力だと思います。私の一番好きなFrums氏の曲です。
isla
BPM 172
MEGAREXよりシングルリリース
氏にしては珍しく純粋な4つ打ちで進行しながらも、複雑なリズムが絡むIDM的なアプローチの曲です。
ベースやキックなどの音が鳴り響くイントロから始まります。
イントロが終わると打楽器のみを感じられる非常に気持ちのいい4つ打ちへと移行し、さらに少しづつリズムがズレていくといった片鱗も見えてきます。
そう、この曲は4つ打ちの場面とリズム隊のズレた場面の2つの局面を見せながら進行するのです。
三連付や一見五連付に聞こえる場面があったりと、展開の変化に富んだ楽曲です。ちなみにこの曲はBPM、拍子ともに変化はありません。
音数がそこまで多くないため、1つ1つの音が際立っているのが特徴です。
また、打楽器の主張が強くありながらそのリズムは非常に細やかであるため、そこも魅力と言えるでしょう。
Zephyrs
BPM 170
フリーアルバム「GRIMGROOVE」収録楽曲
マスタリングはSilentroom氏。
GRIMGROOVEは文字通りグルーヴ感がテーマのアルバムで、litmus* - Trojanなどの楽曲が収録されています。
曲はストレートなドラムンベース。序盤は少しリズムがよく分からないことになってますが、徐々に純粋なドラムンベースへ。メロディーラインや音の反響など、至るところで浮遊感を感じられる楽曲となっています。
1分7秒あたりから流れるこの音がほぼ一貫して流れているのが、ドラムンベースのリズムも相まって非常に癖になります。
ちなみに、序盤や終盤で流れているノイズ音はFrums氏がサンフランシスコの砂浜で直接録音したもののようです。アウトロをイヤホンで聴くとかなり分かりやすいかと思います。
余談ですが本楽曲はParadigm: Rebootに収録されており、よく分からんリズムでまあまあ暴れているとか。
Frums氏曰く”空を飛ぶような感覚を伝えようとしました。胸躍る疾走感とか大空の独特な孤独とか。物憂さにもかかわらず頑張りたいときに聴いてください。”とのことです。
Turnstile Jumper
BPM 321
CytusⅡ書き下ろし楽曲
ジャズ!超ハネリズム!
Frumsといえば実は高速ジャズの顔も持ち合わせています。BPMは321とCytusⅡでは最高BPMを誇ります。
一方のFrums氏はSoundCloudの概要欄にて”BPM 321のハネリズムで(TP100的に)ごめんなさい。許してくれると幸いです。”と。許されない
ジャズということで、普段の氏の曲よりも電子音は減り、ピアノや管楽器が主体となります。
こちらもSoundCloudの概要欄からの引用ですが、”イメージは「朝は立派なサラリーマンが夜は電車自体を盗んで収集する癖がある人」。”
なかなか癖の強いテーマですが、曲を聴くと自然と頷ける。
まずはジャズという点ですが、やはり夜を想起させますね。ジャズらしく洒落た曲であるところも、テーマであるサラリーマンの昼夜のギャップを表しているように思えます。
Frums氏はまた、”タイトル訳すると「不正乗車者」ですが、直訳すると「改札口飛び越え者」です。猛ダッシュで飛び越えて駅に侵入する想像が強かった。”と語っており、高いBPMや軽快なハネリズム、非常にスピーディーな展開にぴったりとなっています。
ちなみにこの曲が収録されているCytusⅡのJOEパックにはジャズ曲がたくさんあるので気になった方は是非聴いてみてください!サブスク音源も最近出たので!
チューリングの跡
BPM 180(360)
maimai UNiVERSE PLUS書き下ろし楽曲
こちらも高速ジャズです。
非常にアコースティックで、ホルンやトランペットといった管楽器、ドラム、ピアノの音の調和が心地よいですね。
パーカッション、特にコンガの音が非常に気持ちいい。
ちなみにFrums氏はBPM360のつもりで提供したようですが、実装の際には諸事情により半分の180になっています。尚、宴譜面はしっかり360になっています。
ポリリズムや変拍子がふんだんに使われており、そのリズムは非常に難解なものに仕上がっています。
本来ジャズはアドリブを重視するため、演奏中にその場の感覚や他メンバーに合わせてメロディやリズムを自由に変化させていくものであったり、特有のスウィングと呼ばれるいわゆるハネリズムが多用されているため、単なる4分、8分といったリズムに規定されないジャンルなのです。
これはまさにFrums氏の作風にピッタリで、故に難解なリズムにも違和感がなく、Frums氏とジャズの親和性がいかに高いか分かると思います。
先ほど紹介したTurnstile Jumperと比べると、より落ち着いた印象を受けます。
この一貫した落ち着きの中で、軽めのブレイクビーツやブレイクなどの特徴的なアクセント、静かに盛り上がったりするような展開が盛り込まれており、飽きを感じさせない構成になっています。
個人的には、複雑なリズムのドラムの上でトランペットが自由に鳴り響いているのがとても好きです。
lost in new blankness
BPM 86
アルバム「vignette」収録楽曲
“事故で深宇宙から帰り不能となってしまった宇宙飛行士。
自分の精神に取り組んでる人類の忘れ物。
彼が、「lost in new blankness」。
(「新しい・未知の空白・虚空に失われた・消えた・未知に迷った」)”
SoundCloudの概要欄より引用。この楽曲のテーマのようです。
音の割れたメロディが静かに鳴り響くイントロから始まります。
イントロが終わるとエモーショナルなピアノや電子音に切り替わります。低BPMならではの壮大な雰囲気が溢れているように感じられます。
中盤では、細やかながらも主張の強い打楽器と、音程の上下する不安感を覚えさせるようなメロディ。”不能となってしまった宇宙飛行士”というテーマを精巧に表現していると思います。
この楽曲の特徴である低BPM、音の少なさやそれぞれの響き、壮大さからは、前述したテーマの鮮明なイメージを聴き手に強く感じさせていると思います。
テーマを知った上で、一度は是非聴いてほしい楽曲です。
前編はここまで!後編は翌日公開となります。そちらも是非お楽しみに。
追記(2025/12/14)
後編が公開されました。こちらもよろしくお願いします。
企画:manyor
執筆:tugi. manyor はるぱる 葉月
校閲:Cyan 葉月



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