【満員御礼】警視庁サイバーセキュリティ対策本部とのコラボセミナー開催報告
みなさんこんにちは。
株式会社GatewayLink 代表取締役、一般社団法人中小企業をサイバー攻撃から守る会 代表理事の野呂です。
2025年12月9日、「一般社団法人 Japan Web3協会」と「一般社団法人中小企業をサイバー攻撃から守る会」の共同主催にて、警視庁サイバーセキュリティ対策本部とのコラボセミナーを開催いたしました 。
満員御礼
募集定員80名のところ、最終的には96名ものお申し込みをいただき、当日は約90名の皆様にご来場いただきました。(立ち見になってしまった方々、申し訳ございませんでした💦)
会場の熱気からも、企業の皆様のサイバーセキュリティに対する危機感が、かつてないほど高まっていることを肌で感じました。
ご来場くださった皆様には、この場を借りまして厚く御礼申し上げます。ありがとうございました。
今回は、第一部に警視庁サイバーセキュリティ対策本部の担当官、第二部に私が登壇し、さらに実際に被害に遭われた企業の社長様にも緊急登壇いただいた、非常に濃い2時間の記録をお届けします。
■第1部:警視庁が警告する「災害級」のサイバー脅威
第一部では、警視庁サイバーセキュリティ対策本部の方より、最新のサイバー犯罪情勢について解説いただきました。
冒頭で強調されたのは、「サイバー攻撃はもはや『災害』である」という認識です 。
災害への備えと同様に、
「自助(自社で守る)」
「共助(サプライチェーンで守る)」
「公助(警察・行政)」
の3つの視点が不可欠だというお話から始まりました 。
1. 「ウチは小さいから狙われない」は大きな間違い
統計データによると、ランサムウェア被害企業の規模別内訳は、大企業が61件に対し、中小企業は140件と倍以上の被害が出ています 。 犯罪者はセキュリティの堅牢な大企業を直接攻めるのではなく、まずはセキュリティの甘い中小企業や取引先を狙い、そこを踏み台にして本丸(大企業)へ侵入する「サプライチェーン攻撃」を常套手段としています 。
2. データを暗号化しない「ノーウェアランサム」の台頭
従来のランサムウェアはデータを暗号化して「復旧してほしければ金を払え」と脅すものでしたが、最近は「ノーウェアランサム」が急増しているとのことです。
これは、データを暗号化せずとも「盗み出した機密情報を公開するぞ」と脅迫する手口です。バックアップをとっていても情報の漏洩は防げないため、企業にとっては致命的なダメージとなります 。
3. 最新の手口「Click Fix(クリックフィックス)」に注意
特に会場の注目を集めたのが、最新の詐欺手口「Click Fix」の紹介です 。 Webサイト閲覧中に、「Robot or human?(ロボットではありませんか?)」といった、よくある認証画面のような偽のポップアップが表示されます 。
そこで「人間であることを証明するため」と称して、特定のキー操作(Windowsキー + R、その後にCtrl + Vなど)を誘導します 。
ユーザーが言われるがままにその操作を行うと、実はクリップボードに不正なコマンドがコピーされており、知らぬ間に自分のPCでマルウェアを実行してしまうのです 。
ほかにも、年々増え続けるフィッシングメールや、Windows Defender のアラートを模倣したサポート詐欺の実態など、沢山の注意喚起をいただき、大変勉強になりました。
■第2部:鍵をかけずに外出していませんか?
第二部では、私、野呂が「中小企業が行うべき情報セキュリティ対策」についてお話ししました 。
9.07秒に1回、ドアノブが回されている
警察庁のデータによれば、2024年は、1つのIPアドレスに対して1日あたり約9,520件もの不審なアクセス(脆弱性探索行為)がありました。
計算すると、約9.07秒に1回の頻度です 。
これは例えるなら、「9秒に1回の頻度で家のドアノブをガチャガチャ回してくる空き巣が町にいる」ようなものです。
それなのに、Webサイト(WordPress等)のアップデートを放置しているのは、「鍵をかける習慣がないまま外出している」のと同じこと 。
今、被害に遭っていない企業様は、セキュリティが強固だからではありません。「たまたま運良く、鍵が開いているドアが見つかっていないだけ」なのです。
なりすましメール対策(DMARC)の重要性
また、自社のドメインが悪用され、スパムメールの送信元にされてしまうケースも増えています 。
これを放置しておくと、世界中のサーバーからのIPレピュテーション(信頼性)が低下し、正規の送信メールなのに迷惑メールフォルダーに直行してしまったり、受信拒否をされる原因となります。
またドメイン(IPアドレス)がブラックリストに登録されてしまったケースも多数あり、これらを防ぐ「DMARC(ディーマーク)」の設定は、企業の信頼を守るための必須マナーといえますね 。
■【特別セッション】被害社長が語る「その時」のリアル
今回のセミナーで最も会場の空気が変わったのは、11月中旬に実際にWebサイト改ざんの被害に遭われた、あるWeb制作会社の社長様にご登壇いただいた瞬間でした。
その社長様は、ご自身の体験を赤裸々に語ってくださいました。 ある日突然Webサイトが改ざんされ、そこから復旧までの8日間は、まさに戦いでした 。 私が復旧支援に入らせていただき、徹夜に近い状態で対応にあたりましたが、当時の心境について社長様はこのようにおっしゃいました。
「まさか自分が被害にあうとは思っていなかった」
「もし野呂さんと知り合いじゃなかったら、廃業していたかもしれない」
この言葉に、会場中が息を呑みました。 「まさか自社が」「うちは大丈夫」という油断が、企業の存続すら危うくする。その現実を、参加者全員が自分事として受け止めた瞬間でした。
■おわりに
今回のセミナーを通じて改めて感じたのは、「知る」ことの重要性です。
脆弱性(セキュリティの穴)は、知っていれば防げます 。
「知らない」=「リスクそのもの」なのです 。
私たち一般社団法人中小企業をサイバー攻撃から守る会、そして株式会社GatewayLinkは、脅威を煽るだけでなく、脆弱性診断やCSIRTの組成、社員教育、そして万が一の時の「駆け込み寺」として、これからも企業の皆様に伴走してまいります。
ご来場いただいた皆様、そして貴重なお話をしてくださった警視庁の皆様、本当にありがとうございました。
そして最後に、今回の集客に多大なご協力くださいました、合同会社社長のミカタの神社長、佐藤先生、合同会社クリアースカイの辻社長、本当にありがとうございました。
次回は、2026年2月、北海道警察本部とのコラボセミナーを予定しています。札幌市内および近郊の方は、ぜひご参加ください!
【自社の健康診断、していますか?】
「うちは大丈夫かな?」と少しでも不安になった方は、まずは自社のWebサイトや機器の脆弱性診断をおすすめします。
DMARCの設定確認などもすぐに行えますので、お気軽にご相談ください。


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