9.25から9年——たつき監督は「プロ失格」だったのか? ひとりの元けもフレファンが見た認知戦の記録
はじめに
2017年、俺はけものフレンズが好きだった。
サーバルちゃんのグッズを買い、BD付きガイドブックを予約し、コラボカフェに足を運び、動物園に聖地巡礼した。あの「すごーい!」「たーのしー!」の空気が本当に心地よくて、「優しい世界」を純粋に楽しんでいた。関係者のことも好きだった。この作品に関わってる全員がすごいと思ってた。
2017年9月25日までは。
あのツイート
突然ですが、けものフレンズのアニメから外れる事になりました。ざっくりカドカワさん方面よりのお達しみたいで
このツイートを見た瞬間のことは、今でも覚えている。
最初は意味がわからなかった。次に怒りが来た。でも今振り返ると、一番大きかったのは**「教えてくれてありがとう」**という感情だった。
あのツイートがなければ、俺は何も知らないまま「けものフレンズ2」のグッズを予約し、BDを買い、コラボに金を落としていた。制作の裏で何が起きていたかも知らずに。
たつき監督は、俺の財布を守ってくれた。数万人のファンの財布を。
9年後の答え合わせ
数字は嘘をつかない。
指標けものフレンズ1期けものフレンズ2ケムリクサ(たつき新作)BD売上(1巻初動)5,768枚(累計33,292枚)458枚14,353枚ニコ生アンケ「とても良かった」98%超2.6%(歴代ワースト)高評価その後の展開社会現象関連作品ほぼ全滅アニプレックス移籍
458枚。 市場が「買わない」と判断した結果だ。数万人規模の支持がここで消えた。これがファンの最終回答だ。
一方、たつき監督がけもフレのIPもブランドも使わず、完全新作として世に出したケムリクサは14,353枚。ファンが買っていたのは「けものフレンズ」ではなく「たつき」だったことが数字で証明された。
「プロ失格」という批判への反論
9.25の直後、業界関係者や評論家がこう言った。
「SNSで内部事情を暴露するのは社会人としてどうか」 「NDAや契約上の守秘義務があるはず」 「プロとしての振る舞いではない」
9年間、この批判が頭の片隅にあった。たつき監督を支持しながらも、「プロとして正しかったのか?」という問いに明確な答えを出せずにいた。
2026年、ようやく答えが出た。
2つの「プロ」の定義
業界が定義する「プロ」:
契約を守る
守秘義務を遵守する
組織の論理に従う
波風を立てない
たつき監督が体現した「プロ」:
お客さんに最高の作品を届ける
お客さんを騙さない
お客さんの信頼を裏切らない
どちらが「本当のプロ」だったか。
業界のプロを貫いたKFP側の9年間を見てみよう。
けものフレンズ2 BD売上458枚
角川歴彦会長が東京五輪贈賄で有罪判決(2026年1月、懲役2年6月執行猶予4年)
真フレのDiscordログ流出で組織的違法行為が発覚(違法DL、偽計業務妨害、個人情報特定)
岩田俊彦(AGN、けもフレ2プランニングマネージャー)が裏垢で「この一年の恨み3倍にして返したい」
けもフレ関連ゲーム・サービスがほぼ全滅(パビリオン、フェスティバル、PLANET、PS版けもフレ3、プラネットツアーズ)
セガがけもフレ3を手放しアピリッツに移管
KADOKAWAの株価低迷、営業利益59.7%減
「業界のプロ」として契約と守秘義務を守った側の会長が犯罪者だった。
一方、「プロ失格」と批判されたたつき監督は、ケムリクサで実力を証明し、アニプレックス(ソニー系)に移籍し、ファンの信頼を維持し続けている。
答えは明白だ。
9年間続く「もう一つの戦争」
数字の話だけではない。9.25以降、水面下でもっと陰湿なことが起きていた。
真フレによる組織的工作
けもフレ2を擁護し、たつき監督やそのファンを攻撃する一団——通称「真フレ(真のけものフレンズファンを自称する者たち)」——のDiscordログが流出し、その実態が白日の下に晒された。
違法ダウンロードの常習
たつき監督支持者への組織的誹謗中傷
批判動画への集団通報による削除工作
個人のIPアドレス取得、住所氏名の特定と晒し
けものフレンズちゃんねるへの不正アクセス未遂とDDoS攻撃
偽計業務妨害
被害届が提出される事態にまで至っている。これは「ファン同士の喧嘩」ではない。犯罪行為だ。
実際に逮捕者も出ている。2020年6月、たつき監督に対し5ちゃんねるで殺害予告を投稿した京都府在住の21歳の男が、脅迫・威力業務妨害の容疑で警視庁に逮捕された。犯人はたつき監督だけでなく、けもフレ2に出演した声優の石川由依さんや制作関係者など複数に対して脅迫を行っていた。京都アニメーション放火殺人事件を引き合いに出した悪質な投稿もあったと報じられている。
そして2026年現在、この連中はいまだに活動を続けている。ニコニコ大百科の「9.25けもフレ事件」の記事を「たつきショック」に改名し、pixiv大百科でも同様に「たつきショック」の名称が使われている。あたかもたつき監督側に非があったかのように、複数のプラットフォームにわたって歴史を書き換えている。まとめサイトのコメント欄に張り付き、たつき関連の話題が出るたびに初期ネームの捨て垢で誹謗中傷を繰り返す。
9年間だ。 2017年から2026年まで、一日も休まず改竄と中傷を続けている。458枚しかBDが売れなかった作品のために、人生の9年間を費やしている。その執念だけは認めるが、その情熱をクリエイティブに向けていれば何か作れていたのではないか。
制作側とファンの境界
そしてもう一つ、この騒動で最も闇が深いのは、「制作側の人間」と「ファン」の境界が曖昧だったという点だ。
岩田俊彦(AGN所属・けもフレ2プランニングマネージャー)が「岩田都市伝説彦」という裏垢でたつき監督への憎悪を撒き散らしていたことがバレた。「反撃開始、この一年の恨み3倍にして返したい」——これはファンの発言ではない。制作関係者の発言だ。
さらに、「氷村ふぁねる」というアカウント。岩田の「反撃開始」宣言の翌日に作成され、たつき監督や関係者への凄まじい誹謗中傷を繰り返していた。このアカウントの正体については、業界関係者ではないかという疑惑が複数の状況証拠とともに指摘されている。詳細はここでは控えるが、興味のある方は「氷村ふぁねる」で検索すれば、膨大なアーカイブが残っている。
けものフレンズちゃんねるへのDDoS攻撃、不正アクセス未遂、そして組織的な情報操作。これらが一介のファンの暴走なのか、それとも制作サイドが関与した組織的なものだったのか。真相は藪の中だが、少なくとも制作関係者が匿名でファンを攻撃していたことだけは事実として確定している。
「プロとしてどうか」をたつき監督に問うた人々は、こちらの「プロとしてどうか」には沈黙したままだ。
これは「認知戦」である
大げさに聞こえるかもしれないが、ここで起きていることは国際安全保障の文脈で「認知戦(Cognitive Warfare)」と呼ばれるものと本質的に同じだ。
2015年、ISISが日本人人質の殺害予告動画を公開した時、日本のネット民はISISのプロパガンダ画像をクソコラで改変しまくった。「#ISISクソコラグランプリ」である。恐怖で支配しようとするテロリストの威厳を、笑いで徹底的に破壊した。
この事例は、NATO戦略通信センター(NATO StratCom COE)の学術誌に掲載されたJeff Gieseaの論文「It's time to embrace memetic warfare」(『Defence Strategic Communications』Vol.1、2015年)で、テロリストのプロパガンダに対する効果的なカウンターナラティブの実例として言及された。Gieseaはミーム戦争を「ソーシャルメディア上でのナラティブ・アイデア・社会的支配をめぐる競争」と定義し、NATOのリガ StratCom Dialogueでも講演している。
恐怖や権威で情報空間を支配しようとする側は、笑いと事実で抵抗する側に最終的に負ける。
けもフレ騒動に置き換えれば、構造はNATO(北大西洋条約機構)が定義する認知戦と一致している。真フレは大百科の改竄やまとめサイトの工作で「情報空間の支配」を試みている。それに対抗するのは、一次ソース付きの記録と、リアルタイムで体験した数万人の記憶。そしてこの記事もまた、ささやかなカウンターナラティブの一つだ。
ISISのプロパガンダに対してクソコラが有効だったのと同じ理由で、真フレの歴史改竄に対して事実の記録は有効だ。NATOが認めた手法と同じことを、俺たちはけもフレの文脈でやっている。
消せない記録、消せない記憶
真フレが9年かけてニコニコ大百科を書き換え、まとめサイトで世論工作をし、歴史を修正し続けても、変えられないものがある。
ニコ生アンケートで「とても良かった」を押さなかった97.4%の記憶。リアルタイムであの最終回を見て、あの数字を目撃した数万人の体験。それは脳に刻まれているから、誰にも編集できない。
テキストは権力で書き換えられる。だが体験は書き換えられない。
だからこの記事を書く。記録として。
「お客さん」という言葉
たつき監督は一貫して、ファンのことを「お客さん」と呼ぶ。「ファン」でも「視聴者」でもなく「お客さん」。
この一語に、全てが詰まっている。
9.25のツイートを「お客さんファースト」の視点で読み直すと、すべてが一本の線で繋がる。
12.1話「ばすてき」を無償で公開した → お客さんへのサービス
irodoriがコミケでファンと直接交流した → お客さんとの距離を縮める
Twitterで制作の進捗を共有した → お客さんに誠実に情報を伝える
9.25で降板を公表した → お客さんが知らずに騙されることを防ぐ
ケムリクサで全力の作品を届けた → お客さんとの約束を果たす
全部同じ原理で動いている。
「プロとしてどうか」ではなく、「誰のためのプロか」が問われるべきだったのだ。
たつき監督は、業界のプロではなかったかもしれない。だが、お客さんのためのプロフェッショナルだった。
9年間「ちょっと気になってた」俺の結論
俺は9年間、粘着もしなかったし、毎日けもフレのことを考えていたわけでもない。ただ「ちょっと気になってた」。あのとき自分の財布を守ってくれた人のことを、たまに思い出す程度に。
でも今日、9年分の点がすべて繋がった。
458枚。2.6%。有罪判決。IP全滅。Discordログ。ケムリクサ14,353枚。アニプレックス移籍。
全部の数字が、同じ結論を指している。
たつき監督は最初から正しかった。
業界のルールよりお客さんを選んだ。その結果、お客さんはたつき監督を選んだ。
当たり前の話だ。でも、その「当たり前」ができなかったから、けものフレンズはかつての輝きを失った。けもフレ3がアピリッツに移管されてなお続いているし、たまにイベントも開催されるらしい。IPは死んではいない。だが、2017年のあの熱狂を知っている人間からすれば、今の姿は延命治療中の患者に見える。社会現象を起こしたIPが、細々と生き残っている——それが9年間の「成果」だ。
おわりに
2017年に俺がけもフレのグッズに使った金は、無駄じゃなかった。たつき監督が作った1期に対する正当な対価だった。
そして9.25があったおかげで、それ以降の「無駄な金」は一切払わずに済んだ。
もし今、同じような立場のクリエイターがいるなら、俺はこう言いたい。
「業界のルールよりお客さんを守れ。お客さんは必ずあなたを守り返す。」
ケムリクサの14,353枚が、その証明だ。
難しい話をたくさん書いた。認知戦がどうとか、NATOがどうとか。でも結局、俺にとってはシンプルな話だ。
2017年、好きな作品に金を払っていた。9.25で、これ以上無駄な金を払わずに済んだ。それだけのことだ。
財布を守ってくれた人を、9年経っても覚えている。それが俺の答えだ。
※ この記事の事実関係は全て公開情報およびアーカイブに基づいています。 ※ ただし筆者は9年間この騒動を追い続けていたわけではなく、記憶違いや事実誤認がある可能性があります。誤りを発見された方は、ソース付きでコメント欄にてご指摘ください。建設的な訂正は歓迎します。 ※ 初期ネームの捨て垢からの「中立を装ったコメント」は9年間の実績により真フレと判定します。反論は本垢でどうぞ。


9年間を振り替えっている割には貴方の言う「全部の数字」は過去に出た物ばかりで、「現在の」けもフレやたつき監督の評価にはほとんど繋がりません。終わった物ばかりに目を向けてコンテン…