【独自】福岡県職員、給与天引きでパーティー券購入 副議長就任祝い昨年180万円…識者「事実上の強制購入で違法の恐れ」
知事部局、全10部の「部課長会」
福岡県の課長級以上でつくる「部課長会」が各職員の同意を得ないまま、給与から天引きした会費を県議会議長・副議長の政治資金パーティー券購入に充てていたことが分かった。(本紙取材班) ■ 福岡県職員の給与明細。天引きされる部課長会費が記載されている【写真】 本庁(知事部局)全10部で同様の支出を繰り返しており、昨年は副議長パーティーに約180万円を充てていた。政治資金規正法は意思に反してパーティー券の購入費を集める行為を禁止しており、専門家は「事実上の強制購入で違法の恐れがある」と指摘する。
特別職除く226人で構成
議長・副議長のパーティー券購入を巡っては1996年に発覚した県の公金不正問題で、各部がカラ出張などで捻出した裏金を充てていたことが判明した。問題発覚後、今回の手法が広まったとみられる。 部課長会は、知事や副知事など特別職を除く課長級以上の226人で構成する。西日本新聞が全10部に取材したところ、いずれの部課長会の規約にも会費をパーティー券購入に充てるとの記載はなかった。 会は表向き任意の親睦会となっているが、複数の職員は「課長級以上が自動的に入ることになっており、加入するかどうかの意思確認はない」と証言する。
参加しない職員も費用負担
資料や証言によると、会費は所属部署や職位で異なり、1人当たり月数千~1万5千円。一昨年までパーティー券を購入する際は会費を管理する各部の担当者が、代金を一括で議長・副議長側の口座に振り込んでいた。「担当者から出席前提のメールが届き、手配されたタクシーで会場まで行った。購入するかどうか確認されたことはない」と現職幹部は明かす。 会費から全額支出していた農林水産部を除き、半額以上を会費から支払い、残りを課長以上が自己負担していた。パーティーに出席するのは課長以上の152人だが、部下に当たる副課長など課長級職員の給与からも会費を徴収。参加しない職員も含めて費用を負担する形にしていた。 地方自治法は議長・副議長任期を4年と定めるが、福岡県議会では1年交代が慣例化し、ほぼ毎年就任祝いの政治資金パーティーを開催する。額面は議長2万円、副議長1万~2万円。
ワンヘルス集会費にも
他に自民党県議団や同党県連の会長就任祝賀会のパーティー券代、蔵内勇夫議長が所長を務める「アジア獣医師会連合(FAVA)ワンヘルス福岡オフィス」の集会費(いずれも額面2万円)に充てていた年もあった。 議長ポストは半世紀以上、自民党会派が独占している。パーティー券の購入によって県職員から自民党議員に政治資金が提供されてきたことになり、公務員の政治的中立性にも懸念がくすぶる。 岩井奉信日本大名誉教授(政治学)は「購入を拒否するのが難しい仕組みになっており、違法の恐れがある。県がパーティー券の売買を自粛するよう県議会と申し合わせるべきだ」と強調した。
西日本新聞社
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