もしも電話・○○期のシャニPと電話?
頭をからっぽにして読むと良い感じです。
新年一発目は、お題箱で頂いた内容を参考にさせていただきました。
また、お話の都合上チェインでの電話ではなく、電話回線を使用した電話になっていますがご了承ください。
今年もよろしくお願いいたします。
いつも感想や評価、ありがとうございます。
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風野灯織は、自室で勉強をしていた。
ふと休憩をしようとしたその時、次の仕事についてプロデューサーに質問したいことがあったことを思い出し、そばに置いてあったスマホを手に取る。
灯織「(そういえば、次のお仕事のことでプロデューサーに聞いておかなきゃいけないことがあったんだ)」
灯織「(今電話しても大丈夫かな......お昼時だし、休憩中に邪魔するかも......)」
灯織「(でも、どうしても聞いておきたいし......)」
灯織「(聞かないで迷惑かけちゃった方が良くないよね......)」
本人の慎重な性格からくる長い思考の後、やっとプロデューサーに電話を掛けることに成功した。
少し緊張しながらスマートフォンを耳に当てる。数コールの後、電話が相手に繋がった。
灯織「もしもし、プロデューサーですか?」
電話先に居るであろう相手に声を掛けるが、返答がない。
慌てて画面を確認するが、相手は確かにプロデューサーだった。
灯織「あの......もしもし、プロデューサー......?」
もしかしたら誤操作かもしれない。
そう思いながら恐る恐る声を掛けると、ついに相手から返答がきた。
『あの......だれ、ですか?』
聞こえてきた声は、プロデューサーの声よりも何倍も若い。
耳から聞こえてくるはずのない声色に、灯織はおもわず飛び上がった。
灯織「......っ!!?あ、す、すみません!!」
間違い電話と思い即座に電話を切ろうとするが、画面には確かにプロデューサーの文字が出ている。
灯織はもう一度スマホを耳に当てると、深く呼吸した。
灯織「あの、こちら、プロデューサーさんの携帯で間違いないでしょうか......?」
『......?ぷろ、でゅーさーって、だれ?』
電話越しの相手は明らかに幼い。
小学校低学年ほどだろうか。もしかしたらプロデューサーの携帯で遊んでいるのかも知れない。
灯織「あ、えーと......私、風野灯織です。あの、君が持ってるスマホの持ち主の人に用事があって電話したんだけど......」
『このスマホ、ぼくのだよ。お友だちとあそぶ時にもっておきなさいって、お母さんが買ってくれた』
どうも電話先の男の子と話が合わない。だが、咄嗟にかかってきた電話に子供がこんな嘘をつけるだろうか。
何度確認しても電話先の相手は確かにプロデューサーになっているが、灯織は自分が誰かの番号を間違えて登録している可能性も考慮していた。
灯織「えーと......あなたのお名前を教えてくれる?」
『......知らない人に教えちゃだめなんだよ』
それもそうだ。知らない人に自身の情報を教えてはいけないことなんて子供のころに習う常識だった。
灯織「そ、そうだよね......えーと......」
『お姉さんも、知らない人に名前は教えちゃだめだよ』
灯織「す、すみません......」
あまつさえ子供に注意されガチ謝罪までしてしまう。
大人しく電話を切ってプロデューサーに掛けなおそうかと思っていたその時だった。
『お姉さんはさ、とびばこってできる?』
灯織「えっ、跳び箱?どうだろう......中学生の時はできたけど......」
『ぼくね、まだとびばことべなくて、つぎの体いくでとびばこがあるんだけど、まだとびばこがとべないから......』
急に始まった跳び箱の話に灯織が混乱していると、電話先の男の子の声がどんどん小さくなっていく。
灯織「えーと......もしかして、跳び箱のコツを教えて欲しいの?」
男の子はうん、と一言だけ発した。
その言葉に急いで跳び箱のコツを思い出す。特段できるという訳でもないが、かといって下手という訳でもない。
そのため授業で言っていたレベルのことしかアドバイスしてあげられないが、灯織は少しでもこの男の子の力になってあげたかった。
灯織「跳び箱を飛ぶ前に助走をつけると思うんだけど、そこで全力疾走するんじゃなくて板を踏むことを意識してみるとか......かな」
『......ごめんなさい、ちょっとむずかしいかも』
アドバイスの内容に力を入れすぎた結果、よくわからないと言われてしまった。
自省に自省を重ね落ち込んでいると、電話先の男の子が笑う声が聞こえてきた。
『あははっ。お姉さん、ちょっとへんだけどやさしいね────あ、もう行かなくちゃ。お姉さん、ばいばい!』
「え、あ、ば、ばいばい!」
怒涛の勢いで褒められからさよならの挨拶まで済ませてしまった。
結局男の子の素性はわからず、ただ跳び箱に悩んでいる男の子ということしか情報は得られなかった。
「電話、切れちゃった......。やっぱり、履歴を見ても相手はプロデューサーになってる......」
電話が切れたあとに履歴を見ていると、今度はプロデューサーから電話がかかってきた。
慌てて手からスマホが落ちそうになるもキャッチし、咄嗟に電話にでると灯織がよく知るプロデューサーの声が聞こえてきた。
P『もしもし、灯織か?』
灯織「プロデューサーですか!?」
P『あ、ああ、俺だ。すまん、さっきは電話に出られなくてさ』
プロデューサーは灯織の焦り声に驚きつつも、さきほどまで電話に出られなかったことを明かす。
ということは、今の今まで電話していた相手は誰だったのだろうか。確かに番号も確認してプロデューサーだったのは確認している。
灯織「良かった......プロデューサーだ......」
本来電話を掛けたかったプロデューサーの声を聴いて安堵の声を漏らす。
P『......灯織、大丈夫か?』
灯織「すみません。先ほどまで少しトラブルがあって......」
P『トラブルって......大丈夫か?』
灯織「あ、はい。おそらくもう大丈夫かと思います」
P「わかった、何かあったら言ってくれよ。それで、何か用事か?」
灯織「え?」
P『あれ、俺に何か用事があって電話したんじゃなかったのか?』
灯織「あ」
そこで、灯織は当初の目的を思い出した。
思い出したのだが、肝心の質問の内容はど忘れしてしまっていた────。
灯織「すみません......。今度のお仕事について質問があったはずなんですが、忘れてしまいました......」
P『ははっ、了解だ。質問内容を思い出したらいつでも電話してくれよ』
灯織「はい......失礼します......」