第四回 プロデューサーの膝争奪戦
頭空っぽにして読むと良い感じです。
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羽那「あ!」
突然何かを思い出したのか、大きな声を出した羽那に驚く。
P「...羽那、どうしたんだ?」
羽那「そういえばプロデューサー、この前真乃ちゃんに膝枕してたよね?あれ、私にもしてもらおうって思ってたのを思い出したの!」
爆弾発言が飛び出してきた。遅れて羽那の言葉の意味を脳が理解し始める。
いや、あれは不可抗力と言うか、最善を模索した結果というか────。
ルカ「......は?」
最悪だ。
スマホを見ていたルカが思わずこちらを見る。その眼には戸惑いと軽蔑の感情が込められていた。
P「......ははっ。何のことだ?」
しらを切ることにした。
不味い。事務所内でもこういうことを知られてはいけない筆頭のルカが居る手前、はいやってましたと答えるわけにはいかない。
答えたからには2週間は口を聞いてくれないだろう。
ここはとにかく知らない振りでいこう...。それでこの場を乗り切るしかない......!
羽那「もー、とぼけちゃおえんよ?私見たんだもん」
眼を泳がせながらはぐらかす俺に対して、羽那が頬を膨らませる。
一体どこから見られていたというんだ。
ルカ「......おい、説明」
と、ルカが羽那の方を見て説明を促す。すでに俺と目を合わせてくれないことから、かなり不味いことになっている気がする...。
羽那「この前事務所に忘れ物しちゃったときに、プロデューサーが真乃ちゃんを膝枕してたの!」
ルカのこちらを見る眼が完全にゴミを見るような眼になった。な、なんとか弁明しないと......!
P「る、ルカ......聞いてくれないか」
ルカ「寄ってくんじゃねぇ」
P「......」
取り付く島もない......。と、とりあえずルカにも聞こえるように羽那に弁明しないと...!
P「羽那...聞いてくれ。あれは真乃の体調が悪くて、仕方ないことだったんだ......!」
羽那「でも、膝枕はしたんだよね?」
P「う...それは...まぁ...仕方ないことだったから...」
もう隠し通せないことが確定しているので、しどろもどろにしか返事ができなくなる。
ここで元気に膝枕した!なんて返事を言ってしまったら、ルカにとんでもない変態プロデューサーの烙印を押されてしまうかもしれない。
羽那「じゃあ、私もプロデューサーに膝枕してもらえるってことだよね?」
ルカ「何言ってんだ......」
ルカが額に手を当てて、呆れたと言わんばかりのポーズをとる。
そして、指の隙間から覗く双眸はまるで威圧するかのようにこちらを捉えていた。
P「い、いやー...その理屈はどうなんだ...?」
羽那「むー......じゃあプロデューサーは膝枕してくれないの?真乃ちゃんにはしたのに?」
P「まぁ...そうなるな。残念だが、諦めてくれ」
羽那「......わかった!」
ようやく納得してくれた...。これでこの先考えられる二次被害は防げたかな......。
羽那「じゃあ、ルカちゃんが膝枕してもらうのはどう!?」
まさか爆弾は二つあったのか...!当のルカも目を見開いて本当に何を言ってるのかわからないといった顔をしていた。が、それも一瞬のことですぐに元に戻った。
ルカ「......くだらねぇ」
P「そ、そうだぞ羽那。急に何を言い出すんだ」
羽那「えーっ。だって、ルカちゃんも何か言いたそうだったから、プロデューサーの膝取られるのが嫌なのかなーって」
ルカ「んなわけねぇだろ......。付き合ってられねぇ...」
そういって、ルカは出て行ってしまった。この後打ち合わせがあるんだが......。
羽那「行っちゃった...。じゃあ、プロデューサーの膝はあたしが貰おうっと」
ルカが出て行ったことに意識を取られていると、羽那が膝の上に乗ってきた。
膝の上に乗ってきたことにも驚いたが、そのそも膝枕という話だったんじゃ...!
P「は、羽那...!急に乗ってこられると危ないぞ...!」
羽那「...でも、ダメって言わないんだね?」
P「.........あれだけ頑固な羽那を見たらな。それに───」
羽那「『これが何か仕事に繋がるものになれば』?」
P「......」
か、完全に見抜かれている。他のアイドルならまだしもコメティックの羽那に......。
自分の単調さに絶句していると、膝の上で右へ左へと落ち着きが無かった羽那が口を開く。
羽那「ここがプロデューサーの膝かぁ......」
P「はは...なんか恥ずかしいな...」
羽那「なんだろう───高い!」
P「高い?」
羽那「うん、目線の高さ?がプロデューサーの膝のぶん高いなーって、あとプロデューサーの顔が近い!」
P「ああ...なるほど...!」
中々新鮮な意見だな...!
こちらとしては羽那の後頭部か顔が常に視界の大部分を占めているため扉側が見えず、今だけは誰も事務所に来ないでくれと祈るばかりだが...。
羽那「んー」
P「どうかしたか?」
羽那「やっぱり膝枕じゃないとわかんないかも──!」
P「い、いや...今日はもうやめておこう、もうすぐ打ち合わせの時間だし......!」
羽那「そっかー...じゃあ、また今度ね?」
何かとんでもない約束をしてしまった気がするが、ここを乗り切るには仕方ない。
羽那になんとか膝の上から降りてもらうと、ちょうどルカとはるきが扉を開けて部屋に入ってきた。間一髪で救われたことに胸を撫でおろす。
はるき「羽那ちゃん、プロデューサーさん、お疲れ様です...!」
羽那「はるきちゃんだー。ルカちゃんと一緒だったの?」
はるき「うん!ちょうど事務所の前で会ったんだよ~」
と、羽那とはるきが話しているとルカが近づいてきた。
聞かれたくない話なのか、二人に聞こえるか微妙な声量で話を始めた。
ルカ「おい」
P「どうした?ルカ」
ルカ「......手は出してねぇだろうな」
P「......ひ、膝枕はしてない」
それだけ聞くとルカは「ふん...」と鼻を鳴らしてソファに座る。そんなルカと入れ替わるようにしてはるきが近づいてきた。
はるき「ぷ、プロデューサーさん...!今度私にも膝枕をお願いしてもいいでしょうか...!」
P「あっ」
ルカは3週間口を聞いてくれなかった。
俺の嫁が可愛すぎる