Pに依存してる美琴さんがビジネスホテルに行くだけの話
美琴さんが勝手にプロデューサーの予約した部屋に泊まっちゃう話。
依存美琴さんシリーズ6話。
4ヶ月何やってたんだよ手前さん。いや、続きは書いてました。ただあれでもないこれでもないと悩み悩み結局この体たらく。
「出さない神レポより出すゴミレポ」マハトマ・ガンジー
本当にその通りだと思いましたのでもうこれで提出します。
ちなみにこのPは美琴のこと大好きです。死ぬほど好きだし、怖いくらい好きです。好き故にそういう行動を取ります。Pにとってはこれが美琴とずっと居られる最善の合理的な方法だったんですね。
でもこのP、基本臆病だし優しすぎるし人を傷つけて自分が傷つくの何より怖いから合理的な選択肢を選べずうだうだしているときもあるんですよね。どうにかした方がいいと思います。
しかし、合理的、という言葉は確かに魅力的ですが、人は合理的に動きません。特に人が人を好きになることに関しては。
僕が好きな作品にデュラララというものがあるのですが、あれは歪んだ愛の物語というのがキャッチフレーズですが、誰かを愛し、執着し、想い、焦がれて、ついつい不合理な行動に転ずる。それこそが恋であり、愛である、とアニメを見ながら考えてました。それがどんな愛であれ。
恋愛というのは成就した後よりも、付き合う前の方が面白かったな、と感じてしまうのは大人になれない証拠。妥協と怠慢を悪と断ずる自分はきっと子どもなのだろうと思います。
それでもいいたい。「恋」をする乙女は素敵だと。厳密にいえば「(未だ叶わぬ)恋をする、乙(女の時期にまともに恋愛が出来ずにそのまま成長してしまった24歳の)女は素敵である」と。
僕はクリスマスを過ぎたクリスマスケーキが大好きです・・・・・・今のはきっと暴言認定されますね悪しからずのご愛嬌。
だから、勝手に大人ぶってプロデューサーを誘惑したと思ったら、急に泣きじゃくってプロデューサーに泣きついて、構って欲しいそばにして欲しいってするような不合理な行動は愛すべきなのです。愛すべき24歳なのです。
言い訳しました。ただ、ひたすらに謝る美琴さんが性癖なだけです。ごめんなさい。
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プロデューサーの心臓。
すごく、はやく、鳴ってる。
100・・・・・・いや、BPM120ぐらい・・・・・・。
一向に、鼓動は遅くならない。
私はずっと、もう3分程はプロデューサーの胸の音を聴き続けている。
ドクン、ドクン、って。
ああ。可哀想。きっとプロデューサー、今、胸が痛く感じるくらい、緊張しちゃってるんだ。
私に抱き締められて。
「今日はプロデューサーの胸の音を聴きながら、寝たい」
ひとつしかない、シングルベッド。
どこにどう寝ようとも、身体を離して寝ることは出来ない。
しかもプロデューサーが借りられたホテルはビジネスホテル。
ソファーもない、椅子もドレッサーぐらいしかない。ベッド脇にお互いのキャリーケースを置いてしまったら、もう逃げ場はない。
「僕は床で寝るよ、なんていわないよね?プロデューサー」
先手も打っておいたし。
プロデューサーはもう逃げられない。
「いや、みこ─」
「部屋を借りたのはプロデューサー、無理矢理、私はそこに泊めてもらう。この部屋の主のプロデューサーがベッドで寝ない、なんてあっていいわけないよね?」
「そ、そんなこと・・・・・・」
「じゃあ、私、床で寝るから」
「だ、駄目だよ。美琴はベッドで・・・・・・えっ・・・・・・と、美琴・・・・・・?」
プロデューサー、びっくりしてる。
だって、話の流れ無視して、私がプロデューサーの手を握ったから。
今までやったことがないような。
指を絡めて、互いの手のひらを合わせて。
つまりは、恋人繋ぎだ。
「プロデューサー、私の手、好き?」
「・・・・・・え、えっと」
「風邪引いたときも、そうだったけど。さっき、ビール園でも。プロデューサー、怖くなると、不安になっちゃうと、すぐ私の手を握ってくる。私の手、握ってると落ち着くの?」
「・・・・・・・・・・・・」
何も言わないんだ。
そういう態度取るんだを
だったら今度はもう片方も。
ビクビクって反応する癖に、全く抵抗もしないから。
両手とも、恋人繋ぎされちゃうんだよ、プロデューサー。
「顔、逸らしちゃダメだよ。どうして、逸らしちゃうの?」
耳まで真っ赤にしてる。
可愛い。
恥ずかしいんだ。
「美琴、あの、手・・・・・・」
「そうだよね。手、握られちゃってるから。プロデューサー、顔、隠せないね。でも、こうしてると、落ち着くんだよね?いいよ。今日はいっぱい、おてて、触って。寝てるときもずっと。そうすれば落ち着けるんだよね?今日たくさん歩いて疲れちゃったから、早く寝ないと。緊張したままじゃ寝れないんだから。だからちゃんと、おてて、繋ごっか」
「・・・・・・・・・・・・落ち着く・・・・・・とは思う・・・・・・そう、その、落ち着くから・・・・・・手、握っていいなら・・・・・・」
もっともらしい理由もできたことだし、素直になってくれている。
そう、プロデューサーは手を握りたくて仕方がない。
そう、プロデューサーがこれ以上にないくらい、意識して欲しい。
「・・・・・・ところでね、プロデューサー。この手の繋ぎ方ってなんていうか知ってる?」
「・・・・・・・・・・・・そ、それは・・・・・・」
固まっちゃった。プロデューサー、答えられるわけないよね。
じゃあ、教えてあげよっかな。
「恋人繋ぎっていうんだよ」
耳元で、囁く、私の声に、プロデューサー、身体、跳ねらせて、反応しちゃった。
私が息を耳に何度も、何度も、何度も、吹きかける度に、ビクッって。
あんまりにもやりすぎちゃって、わざと大きく息を吸って、今度は息に吹きかけなかったのに。
期待しちゃって、また、ビクンッって。
可愛い。
もう、どうしようもなく、可愛い。
「耳も、弱いんだ」
今まででいちばん、プロデューサー、身体を震わせてる。
「ち、違う・・・・・・」
「違わないよ。違う人はそういう反応、しないんじゃないかな」
「み、美琴」
「どうしたの?やめてほしい?やめてほしかったら、やめてって。美琴さんにいわないと。いじめられたら、ちゃんとやめてっていわないと」
「や・・・・・・やめ─」
これ以上にないくらい、長く、息を吹きかけた。
プロデューサーは繋いでいた手も、つい離してしまうくらい。
それは、そうだよね。不意打ちだもん。
「やめて、っていわれて。本当にやめるなんて、一言もいってないよ。やめてほしいくらい気持ちよかったら、やめて、やめてってプロデューサーはいうの。それでも、私はやめないから。安心して。プロデューサーがやめてっていっても、やめてあげないから。プロデューサーはちゃんと、やめて、やめてって抵抗した。でも、私はやめなかった。プロデューサーは悪くないんだよ。美琴さんにいじめられちゃったの。だから、いおっか。やめてって・・・・・・ちゃんといえる?やめて、やめてって」
「美琴・・・・・・やめっ─んぐっ」
プロデューサー、耳、甘噛みしたときの反応も、すっごい可愛い。
変な声、いっぱい出てる。
もう完全に力抜けたみたいだから、私が少し押すだけで、そのまま、ベッドに押し倒せる。
動けないことをいいことに、プロデューサーの上に乗っかって。
「さっきの話に戻るんだけどね。今日は一緒に寝よっか。プロデューサー」
上から見下ろした、プロデューサーが僅かに、でも、しっかり、首を動かしてしまうのを私は見逃さなかった。
横向きに寝てるプロデューサーの胸に耳を当てて、鼓動を聴く。
プロデューサーを抱きしめながら。
最初は一生懸命、全然力が入ってなかったが、私を引き剥がそうと頑張ってたけど、途中から、もう私の背中に腕、まわしちゃって。肩を抱く力も、すっごく強くって。
もうわけわかんなくなってきてるんだ。
このままじゃ、プロデューサー、寝れないかも。
プロデューサー、私のこと、抱きしめるので精一杯だから。
だから。
「プロデューサー、このままじゃ、寝れないかもだから。子守唄、歌ってあげよっか」
さっきまでプロデューサーの胸に頭を当てていたけれど、今度はプロデューサーの耳元で囁けるように、正面から抱き締める。
思い出したかのように、また私の肩をもって、頑張って私から距離を取ろうとしてるけど。
「だめ。こうやって寝ないと、2人でベッドで寝れないんだから。わがまましちゃだめだよ。私、ベッドから落ちちゃうから」
こうやって優しくいってあげればちゃんということも聞いてくれる。
プロデューサーって本当に優しい。
そう聞いた途端、私のこと、また抱き締めちゃうんだから。
きっと、私がベッドから落ちないようにしてくれているだよね。
美琴、美琴、って私の名前呟きながら、私に抱きついてきてるんだもん。
そんな『優しい』プロデューサーは今だったら、何でもいうこと聞いてくれそう。
だって、こんなに私のこと、大好きなんだもん。
この人は私のことが好きで、好きで、好きで仕方が無いのだ。
そうであるはずに違いないし、そうであらねばならないし、そうであることは事実なのだ。
仮にだ。
仮に、プロデューサーに。
「付き合って」と、いったら、どうなるのだろう。
プロデューサーは私と付き合うのだろうか。プロデューサーは私のこと、好きでいてくれるのだろうか。
好き、っていったら。
好きだ、っていってくれるのだろうか。
それはどんなに。
「プロデューサー」
今度は私の心臓が張り裂けそうだった。
私はひとつの禁忌を犯そうとしていた。
「私、プロデューサーのこと─」
まだ引き返せる。次の詞をいう前に、何でもない、なんていってうやむやにもできる。
「プロデューサーのこと・・・・・・本当に─」
引き返せるはずがない。もう、ここまで来て、ここまでやってしまって、何を今更、逃げようとしているのだ。
もういってしまえばいいんじゃないか。
ただ、一言、好きって。
いいたい。
いえばプロデューサーはきっと。
きっと応えてくれる。
きっと。
「プロデューサーのこと、好─」
「・・・・・・美琴」
プロデューサーは私の頭を撫でた。
私が言い終わる前に、プロデューサーに抱き着く私の頭を優しく撫でた。
言葉は続かない。
プロデューサーはただ、私の頭を撫でる。
「・・・・・・」
プロデューサー。
プロデューサーは。
私のこと─
「・・・・・・プロ・・・・・・デューサー」
自分でも、驚いた。
声が震えている。
すがるように、いや、プロデューサーにすがった。
私は自分が今しようとしていたことの重さに耐えられそうになかった。
とにかく、嫌われたくない。
プロデューサーは今、多分、きっと、困っている。
プロデューサーも、私のこと、好きでいてくれている。私に依存してくれている。
そう思ってた。
そう思ってたけど。
目の前にいる、この人は私のプロデューサーだ。
アイドル・緋田美琴のプロデューサー。
私と夢を見てくれる、大事な人。
私の夢をいちばんに応援してくれる、大切な人。
プロデューサーが私に、アイドルとしての私ではなく、一人の人間としての私にどんな感情を抱いていても。
この人は自分の仕事を放棄してまで、自分の感情を優先する人とは思えない。
もし、仮に。
私のことが好きでも、私に夢を諦めろ、という人だろうか。
自分の恋愛感情を優先して、私のことを独占しようとするだろうか。
この人は、そんなことしない。
でも。
しかし。
プロデューサーはだからといって、私に、「付き合えない」だとか「その気持ちは受け取れない」だなんて、いうだろうか。
この人は、私を傷つけてまで、私の気持ちを拒んでまで、私の行いを糾してくれるのだろうか。
こんなに私に優しい人が。
こんなに私が好きな人が。
そういったことをいうことも想像ができなかった。
私はプロデューサーを困らせてしまっているのだ。
プロデューサーが言葉を続けないのも。
プロデューサーが頭をただ撫でて。
私の告白を聞かなかったのも。
そういうことなのかもしれない。
「・・・・・・美琴、あのさ・・・・・・」
プロデューサーは言葉を選んでいた。
思い詰めた表情で、私の肩に手を添えて、そっと、抱き着く私から距離をとって。
私を傷つけないよう。
それでも。どんなに言葉を選んでも。
私の気持ちに応えられないことを告げることに。
罪悪感も後悔も苦痛も、感じてくれながら。
嫌だ。
聞きたくない。
お願い。私が悪かった。
私が考えもなしに。
プロデューサーのことも考えず、ただ、自分の気持ちばかりで。
プロデューサーのこと困らせてしまった。
謝るから。
謝るから。
だから、私を拒まないで欲しい。
私の傍から離れないで欲しい。
怖い。
怖い。
怖い。
プロデューサーに嫌われたくない。
「・・・・・・ごめん・・・・・・プロデューサー」
「み、美琴・・・・・・違うんだ。僕は・・・・・・」
「わがまま言ってごめんなさい・・・・・・こういう気持ち、持っちゃってごめんなさい・・・・・・ちゃんと・・・・・・次からは我慢するようにするから・・・・・・嫌いにならないで欲しいの・・・・・・お願い・・・・・・」
嫌だ。嫌だ。嫌だ。
プロデューサーに嫌われたくない。
プロデューサーと離れたくない。
プロデューサー、プロデューサー、プロデューサー。
こんなに泣いたの、いつぶりだろうか。
涙が止まらない。
泣いてる顔を見られたくなくて、顔を伏せたけど、手はプロデューサーの腕を握ったまま。その腕にしがみついて。
私は懇願してた。許して欲しかった。
「今までだって・・・・・・私ばっかりわがまま言って。プロデューサーのこと、独り占めしてて。ずっと、ずっと、プロデューサーのこと、束縛してて。嫌・・・・・・だよね。こういうの。困っちゃうよね・・・・・・こういう気持ち、押し付けられるの」
困る、だなんていえるはずがないのに。
狡い。
本当に卑怯だと思う。
自分が嫌になる。プロデューサーの気持ちよりも自分の気持ちなんか優先させて、口を開けば許しが欲しいだけの謝罪しか出てこなくて。
自分に対する嫌悪感もそこそこに、私はいまだプロデューサーに対してこんなに執着している。
どうにかして、どうにかして、自分がしてきたことを帳消しにして、せめてこんなひどい言葉言う前に戻りたい。
そんな気持ちでいっぱいいっぱいになってしまうほど、焦燥感が身を焼いていて。
だから、どんな意味でも安心してしまうのだ。
そういうときにこの人は抱きしめてくれるから。頭を撫でてくれるから。
「・・・・・・美琴、今日はもう遅いし、寝よっか」
「・・・・・・・・・・・・うん」
結局、その日、私は泣き疲れてそのまま寝てしまった。
プロデューサーに泣きついて、抱きついて、慰められて、撫でられて。
朝、起きたとき、隣にプロデューサーが寝ていなかったものだから、プロデューサーがもしかしたら自分に愛想をつかして部屋からもう出てないか、急に不安になってベッドから起き上がって。
部屋のどこにもいない。
プロデューサー。
プロデューサー。
私がベッドから飛び起きて、ドアノブに手をかけた途端。
「美琴、どうしたの。そんなに慌てて」
自販機でミネラルウォーターを買ってきてくれたプロデューサーに。
私は余りの自分の慌てぶりが今になって恥ずかしくなって。
チェックアウトまで、聞かれても「知らない」と俯きながらずっと手を握っていた。
不安になると、怖くなると、何かというと、手をずっと握ってしまう癖はプロデューサーのものだけでは無いらしい。
良き…..