Pに依存している美琴さんが看病するだけの話
Pに依存している美琴さんが看病するだけの話。
リアルに先週の土日、高熱にうなされてた時に考えてた話。検査は陰性とのことだったのでただの風邪でうなされていたことになりますね。我ながら情けない。
ボジョレーヌーボーはよく『過去最高の出来』と、毎年出てくる10年に一度の甲子園の怪物のような謳い文句を言いますが、この美琴さんSSは毎度の如く高校の文芸部時代からの執筆歴において過去最悪の出来を更新し続けてますね。なんか書いててどんどん大切な何かを捨てている気がします。
依存しまくってる子が何かしら失敗をした時に反射的に執拗に謝ってしまうのが性癖です。期待を裏切りたくなります。
そして相変わらず、時系列がめちゃくちゃだし、前との話のつながりを記述していない。だけれど一応、関係性は進展させただけでも評価点はつけられると思う・・・・・・そんな訳ないだろ。これで付き合ってないとか、普通におかしいだろ、こいつら。
ときどき、プロデューサーがなんか変にもっともらしいことを言ってるなと感じた方は勘がいい。はい。全部引用、漫画の受け売り(「波よ聞いてくれ」の中原くんみたいなこと言ってるなお前)。元ネタのみ記載。PSYCHO-PASSと宇宙兄弟です。
いい加減、限定美琴さん実装しろよ。早く実装しねえと、依存美琴さん概念とかいうどうしようもない、真実性の欠けらも無い妖怪神話の話の続きをまた書く羽目になるぞ。
特に質問はないので想定質問状は作成せず。
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「プロデューサー。いまごはん作るからね」
朦朧とした感覚の中で、その声だけははっきりと聞こえた気がした。
芯が通ってるのに、儚げな声。
聞き間違えるはずがない。
美琴の声だ。
瞼を開けて、ぼやつく視界に見えたのは僕の頭を撫でる美琴。
どうしてまた美琴が僕の部屋にいるんだろう。
ベッドに腰掛け、寝ている僕の頭を撫でる美琴。
僕は美琴がなぜここにいるのか、という質問をしようにも、未だ残る微熱からの頭痛と、それを癒してくれる美琴の手の心地良さに気分がやられて結局出来ずじまいだ。
「待っててね」
そう、言い、ベッドから立ち上がり、キッチンのある廊下に向かってしまう美琴。
その途端、反射的に不安になってしまって。
「・・・・・・あっ」
つい、その手を取ってしまった。
自分は何をしているのだろう。
そう感じた時にはもう遅かった。
これではまるで。
「・・・・・・ご、ごめ─」
自分がしてしまったことに恥じ入り、謝るが、そんなことで今の行動が帳消しにならないのは分かっている。
これでは、まるで、母親に完全に甘えてしまっていて、母親がそばから離れるのが不安でしかたがない、子どものようじゃないか。
実際、美琴にそういう感情を抱いてしまっていたのかもしれない。
美琴があまりにも自分に優しいと感じてしまって、それから自分の身体を襲う病魔の不安も後押しして、思いもしない形で目の前にいる女性に、甘えてしまっていた。
───
そっか。
こういう時って誰でも人に甘えたくなっちゃうものなんだ。
病気で弱っているときなんて、特に人恋しさに飢えているのかもしれない。
手を掴まれたときのプロデューサーの顔はそういう顔だった。
本気で怖がっていた。自分のそばから頼りにしていた人がいなくなってしまう。
そう感じたら、きっとそんな顔をする。
必死に、目の見えない何かを繋ぎ止めようと、目の前の手にしがみつく。
来てよかった。
プロデューサーのこういう顔を見れるなんて。
今日、プロダクションに来たアイドルが私が最初でよかった。
はづきさんにプロデューサーが風邪で休むことを聞いて、すぐに駆けつけてきて良かった。
自主練のつもりで立てていた予定は崩れてしまったけれど、私のプロデューサーがこんなに苦しい思いをしているのに、練習に集中するなんて出来るはずがない。
何より。こんな表情を私に見せてくれるプロデューサーが見れるなんて。
「・・・・・・プロデューサー。怖くなっちゃった・・・・・・?」
握ってくるプロデューサーの右手を握り返して、私は意を決して、ベッドに脚を載せた。
軋むベッドの音にドキドキしながら、私が何をしようとしているのか理解ができなくて目を丸くすることしか出来ていないプロデューサーを見つめながら、まるでその場でプロデューサーを押し倒したかのように、寝ているプロデューサーの上に覆いかぶさった。
時が静止したと思った。
プロデューサーの耳元に自分の呼吸が当たってしまうぐらいの距離。
自分の身体をプロデューサーの身体にくっつけて。
布団越しだけど、私の体温も重みも伝わってしまうような、そんな近さ。
こんな距離まで近づいてこの人から拒まれないか、今になって不安になってしまう。
でも、プロデューサーは驚いてはいるものの、抵抗しない。
いや、抵抗出来ないのかな。
そうであって欲しい。
「プロデューサー」
プロデューサーが動けないのをいいことに耳元で囁いてみた。
プロデューサーの顔はここからじゃ見えない。
だって、もう抱きしめているのとほとんど同じような状況で、プロデューサーとくっついているのだから。
「大丈夫だよ。すぐそばにいるから。怖くなったらまた『美琴』っていおうね」
プロデューサーがしばらくして首肯したのを確認すると、私はプロデューサーの頭をまた撫でて、その場を立つ。
「・・・・・・っと。一応、結んでおこうかな」
ヘアゴムをポーチから取り出して、後ろ髪を纏める。家では結構、ポニーテールにすることはあるのだが。
こういう形でプロデューサーに見せるのは初めてだ。
視線を感じて振り向くと。
プロデューサーがじっと見てる。
プロデューサー、ポニーテール好きなのかな。
「好きなんだ。ポニーテール」
可愛い。一生懸命、首振って誤魔化してる。
「無理に動かないの。分かってるから」
それにしても。
283プロのポニーテールといえば、灯織ちゃんに咲耶ちゃん、それに恋鐘ちゃんか。
アンティーカは特にだが、この3人は早期からプロダクションに所属しているアイドル達だ。
プロデューサーとの距離感も他のユニットと比べても近い気がするのは過ごした時間の長さが理由、とだけ考えることの方が不自然とも思える。
こんなに素敵な人なんだ。私みたいにプロデューサーを特別視する子もいるからこそだろう。
その子達はプロデューサーに手料理を振舞ったりするのだろうか。
・・・・・・恋鐘ちゃん、料理上手だったな。こないだも番組で作った料理の写真なんか見たけどとっても美味しそうだった。
そんな恋鐘ちゃんとこないだ事務所でプロデューサーがなんだか楽しそうに話していたのも思い出した。
確か、プロデューサーは長崎ちゃんぽんをリンガーハットでしか食べたことがない、という話を聞いて恋鐘ちゃんが驚いてた。プロデューサーはチェーン店じゃない、長崎本場のちゃんぽんを知らないから自分が今度食べさせてあげる、なんて言ってたっけ。
目の前でグツグツと、鍋に入れた白米に白だしと卵を溶かしながら、自分に同じことが出来るのか、なんて不安になっている。
消化に良いものを、と卵雑炊なんて作っているけど、スマホでレシピを見ながら、失敗のない非常に簡単なメニューを恐る恐る作っている私。そんな私に代わってここに恋鐘ちゃんがいたら、もっと色とりどりな、かつ、栄養価も高いごはんが作れるんだろうな。
プロデューサーはやっぱり家庭的な子の方が好きなのかな。
自分が歩んできた人生を振り返っても、上京してからの食生活は無機質の一言に尽きる。コンビニで買ったものばかりで、健康維持というよりはスタイル・体型維持。
家庭的とは程遠い、対極ともいえる生活を送ってきた。
『美琴もウィダーインゼリー好きなのかい』
『プロデューサーも好きなの?』
『だってすぐ摂取できるじゃん。試験の合間とか緊張してる時でも最低限の栄養補給ができるし』
とかいって、プロデューサーがおすすめの味のゼリーなんかもらったりすることもあるが。
確かにプロデューサーは早く食べられるものが好きみたいだけれど、家ではゆっくり食事を楽しみたいだろうし。
・・・・・・プロデューサー、やっぱり他の子のこと、好きなのかな。
・・・・・・怖い。一気に目の前が暗くなって、一歩も動けなくなりそうで。
考えたくない。そんなこと、絶対あって欲しくない。
プロデューサーが他の子のこと、好きになっちゃったら、もう私なんかどうでも良くなっちゃうかもしれない。
もし、もし、仮に。他の子ととプロデューサーが恋人だったら。そうだとしても、プロデューサーは私の担当を降りないだろうし、仕事だってきっと今まで通りにこなしてくれる。
でも、プロデューサーの隣に私以外の子がいるのには私は耐えられそうにない。
私だけの特別であって欲しい。プロデューサーの特別も私だけであって欲しい。
ずっと隣にいてくれるだけでいい。あとは何も望まない。
ねえ、プロデューサー。お願いだから。プロデューサー、どこにも行かないで─
「美琴」
その声にハッとした。
後ろで寝てたはずのプロデューサーが私の肩を優しく叩きながら、コンロの火を消していた。
目の前の土鍋からジューッ、と吹き零れてて。
自分はどうやら目の前にあったのにも関わらず、鍋の様子すら見ることも出来ないくらい、妄想に耽っていたみたいだった。
やってしまった。
「ごっ・・・・・・ごめんなさい・・・・・・わ、私、すこし、ぼーっ、としてて、プロデューサー、起こしちゃって・・・・・・ごめんなさい・・・・・・火事になっちゃうかもしれないのに─」
「・・・・・・大丈夫。吹きこぼれてからまだそんなに経ってないし。それより、美琴、火傷してない・・・・・・?」
「・・・・・・う、うん・・・・・・あ、あの・・・・・・ごめ─」
「良かった。美琴が火傷してないなら」
マスク越しに少し荒い呼吸を交えながら、それでも私を心配してくれる。
・・・・・・何考えてるんだろう、私。プロデューサーがいま、いちばん苦しいのに。プロデューサーに無理させちゃってる。
自分が情けない。こんなに簡単なことも満足にできないのか。自分には足らないことだらけなのに、それを嘆いてばかりで、結局出来ることも満足に出来ずに。
だからすごく怖かった。
プロデューサーが雑炊を食べて一言、「おいしい」ってお世辞でもこちらとしては救われるような台詞を言うまでは。
「ほ、ほんとに・・・・・・?」
「おいしいよ。正直、美琴が来るまではごはん食べられそうにないな、なんて考えてたけど、これだったら食べられるよ。味付けもしつこ過ぎないし、食べやすい」
「・・・・・・そっか・・・・・・うん・・・・・・プロデューサーにそう言って貰えて、安心した」
「あっ、少し底焦げてる」
「えっ。うそ・・・・・・あっ、ほんとだ。ごめんなさい、気が付かなくて」
「いや、こういうお焦げが結構おいしいんだよ・・・・・・あー、ふふっ。これはちょっとやっぱり焦げ臭いな」
笑いながらも、結局その焦げも一緒に食べてしまうプロデューサー。何一つ出来ない私をフォローしてくれるプロデューサー。
そんなプロデューサーに私は今日何が出来たのだろう。私はやっぱり一人じゃ何も、プロデューサーが欲しいものもして欲しいことも、出来ないのかな。
「やっぱり・・・・・・駄目なのかな。私、こういうの作ったことないから・・・・・・」
「作ったことないのに、こんなにおいしいごはん作れるのもすごいと思うけどな。それにもしこれが初めてなら、初めから完璧は目指さない方がいい。むしろたくさん失敗できるうちは失敗しておいた方がいいよ」
「でも、そんな失敗、プロデューサーに食べさせたくない」
「食べるよ。食べないと、感想言えないでしょ。食べたら、一緒に次どうしたらいいか、考える。今度は一緒に作ってみてもいいし、一緒に失敗してみてもいい。ゲーム理論の原則。協力して大物。ひとつの目標に向かうなら一人よりも二人で協力した方が効率がいいし、何より楽しいよ」
・・・・・・そっか。この人はこういう人だ。
ずっと、隣にいてくれる。だからこそ、私よりも私のことを理解してくれて、私と一緒にこれからの私を考えてくれる。
「・・・・・・失敗してもいいのかな、私。プロデューサーと一緒に仕事してから、もう失敗なんかしたくない、って気持ちどんどん強くなって。私、プロデューサーに失望されたくなくって」
「本気でやって、失敗したなら、その失敗には価値がある。そういう失敗は大切にしよう。大丈夫、失敗していいんだよ」
「・・・・・・うん」
プロデューサーは結局、鍋を洗う手間がないくらいには完食してくれた。
何かあったら、すぐに連絡するんだよ、とプロデューサーに伝えて、またベッドに横たわったプロデューサーの手を握って、部屋を出たのは数時間前。
あの後、戻った事務所では283プロのアイドルの、特にプロデューサーを親しく想うであろう子達がプロデューサーの家に看病しに行こう、と話しているのを見て。
プロデューサーが怖くなっちゃって私の手を握ってしまったこと。
我慢しきれずプロデューサーに抱きついてしまったこと。
プロデューサーが私のポニーテールが好きなこと。
プロデューサーが真っ先に私が怪我してないか心配してくれたこと。
プロデューサーが、私に掛けてくれた言葉。
それら全てを思い出して、ちょっとした優越感と、感じたことの無いほどの心地良さを味わったことはとてもじゃないが他の子達には話せそうにはなかった。
美琴の独占欲が心地良い…。確かに病気の時は、人恋しくなるからな…。 美琴的に、私だけの秘密が増えると安心してるから 着々と依存が進んでるなー。