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アンノウン・パペット/Novel by アオくん

アンノウン・パペット

2,099 character(s)4 mins

泣く。

UBW無理です。

FGOから入った勢なんですが、エミヤって英雄居たっけ〜?と安易にpixiv百科事典を見たのがいけませんでした。Fateを見て、途中でアーチャーが消えたのでむくれてUBWを見たんですね。

ハァ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜????????????

そこからです。
エミヤピックアップを回しまくって未だ宝具2なのですが、レベルマ、スキルマ、フォウマを果たし、今では周回や高難易度でお世話になってます。ありがとう

初期召喚でエミヤを引いたのがいけんかったんや………

士剣と士凛の間で揺れ動いています。

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正直、心のどこかでは諦めていたのかもしれない。

正義の味方になると宣って幾数年が経った今、弓と矢だけを持ち、悪人には何も思わず、善人には慈愛を深く注ぐ。
これが皆の言う正義の味方なのだろう。そうだ、悪を倒し、善を良しとする偶像が正義の味方なのだ。そう信じて疑わなかった。疑うことを、してはいけなかった。

彼女は元気にしているだろうか。己の師にして憧れの女性。
彼女は元気にしているだろうか。己の後輩にして心に傷を負っている女性。
彼女は元気にしているだろうか。己の姉にして残酷な心を持つ純粋な女性。

彼女は………ああいや、彼女は元気だな。いつも己を見守ってくれた天真爛漫な女性。

あとは………どうだったか。何度も座を行ったり来たりしているから段々記憶も薄れてきている。


アラヤと契約した時、もう戻れないと悟った。もうヒトでは居られないのだと、この使命を全うしなければならないのだと未熟ながら悟ったのだ。そんなこと知っていた。ただ人の営みが幸福である事を純粋に願って契約したのだから、後悔はない。

「そうさ、後悔なんてない。」

後悔なんて、あるはずないのだ。

…………………。





どうだか。

誰かが笑った気がした。

気付きたくなかった感情に耳を塞ぐ。今自分が確かに耳を塞いでいるのかすら認識出来ないというのに。

思ったさ。あの平穏な生活を続けていれば血を見る目にはならなかったのだと。己が幸せであったのに、と。
だが許せなかったのだ。人々を傷付ける害が許せなかったのだ。
それを許すくらいならば、己が犠牲になればいい話だと気付いてこの道を選んだのだ。


だが、実際は。


現実を目の当たりにして叫んだ。なんだこれは。人が良しとするものがまるで違う。自分が邪魔だと思うものを手当り次第に殺させているだけの契約者に憤った。だが、無理矢理納得させた。契約者が邪魔だと思うものを排除すれば世界の1部は幸せになるのだと。ただ、排除された側は不幸を被るだけなのだと。
そうやって"オレ"は自分を殺した。慈愛で世界を救えると本気で信じていた愚かな自分を殺した。抑止力とはそういうものなのだと、笑った。
いつの間にか、自分を殺すうちに様々なものを手放して行ったように思う。最初は躊躇い、次に自らの安全、そして記憶。最終的には慈愛さえも徐々に落としていっている気がした。そういうものだ。


呼ばれている。また、殺戮の時間が始まってしまう。もう誰も殺したくない。もうあの静かな心象世界で1人嘆くことなど、したくない。





あぁ、どこで"オレ"は死んだんだっけ__



*************


「あら、何かと思えば。」
「む、君は……」
「ふふ、あれから元気にしていたのね。ボウヤ。」
「その呼称は結構。」
「私より小童のくせに良くもまぁそんな口が叩けるわね。まぁ、お料理を教えてくれた事には感謝しますが。」
「記憶が混乱するから止めてくれないか。しかし、君も覚えていたんだな。意外だ。」
「記憶としてではなく記録として残っていますからね。私自身忘れたくない事もありましたから。」
「君にとっては、ただの人形遊びでは無かったということかね。それは良かった。」
「なんですって。」

コルキスの女王はいつかの出来事をまるで同窓会の時のように話す。そう出来たらどれだけ良かったか。

「ゲッ、またお前かよ。」
「何かと思えば。猛犬が餌を強請りに来たのかね。」
「んだと。ったくどこで憎まれ口を叩くようになったんだかなぁ、坊主?」
「君もか……!」
「ボウヤはいつまでもボウヤだもの。」
「そうだな。今回ばかりはキャスターに賛成だ。背伸びしてんじゃねぇよ。」
「背伸びなどしとらんわ、たわけ。」

召喚されて早々ギャイギャイと言われてしまっては呆れる他ない。

「………貴方は。」

凛、と鈴のように鳴り響く声に背中が反応する。聞き違える筈がない。あの時、月明かりの下問われた言葉だけは鮮明に覚えている。

「召喚されていたのですね。アーチャー。」
「………セイバー。」
「共に戦えること、喜ばしく思います。」
「あぁ、私もだよ。」

短くも多様な意味を含む言葉を交わす。

会えた。会ってしまった。また会った。
グルグル回る頭で、彼女に対しての感情が溢れてくる。
居場所はここにある。自身のあるべき場所はここなのだと認識する。
ここに居て良いのか。人類のエゴと成り果てた英霊エミヤを、世界を救う糧としてもいいのか。

良いのか。それは、良かった。


「そうだアーチャー。貴方の料理を食べたいのです。さぁ、厨房へ。」
「そうね、作りながら私に教えてちょうだい、ボウヤ。」
「それじゃあマスターも呼んでくるかねぇ。」

あの時敵だった者が、仲良く談笑している。昨日の敵は今日の友という訳か。最も、昨日ではなくどこかの世界線での話だが。




だがまぁ、悪くない。
1人ではないのなら、また頑張れる。
かつての主に誓ったのだから。頑張っていく、と。

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