Pに依存しきってる美琴さんと浅倉の修羅場をにちか視点で見てみるだけの話
Pに依存しきってる美琴さんと浅倉の修羅場をにちか視点で見てみるだけの話です。
アトラスのキャサリンってゲームのサントラ聴きながら書きました。はい。修羅場です。修羅場書くの、めちゃくちゃ面白いですね。修羅場って読むのが僕は苦手なんですけど、書く分には結構楽しいです。楽しければいいって訳じゃないですが。
お気づきだと思いますが、僕は顔がいい女が好きなので浅倉が対抗馬です。冬優子も絡ませて美琴さん、浅倉、冬優子で三連複組むのが結構買い目だと思います。ここに恋鐘や千雪さん入れるとガチ感出ちゃうんで。個人的には美琴さん推しですが、一番人気である千雪さん入れちゃうとオッズそう高くないのでトリガミになる可能性高そうで。
前回、あれだけ美琴さん虐めておいて、あんだけ美琴さん泣かせておいて、おいおい、このP、美琴さん選ぶ気ないのかよ、って不安煽っておいて次の話でこれですよ。つまり、Pに回答を保留された夜の次の日にはこの人、Pを実家に連れ込んでいるんですよね。
少しシリアス気味だったので修羅場の全責任をにちかに背負わせることでギャグ回にしました。にちかには全てを背負ってもらいます。
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美琴さんとプロデューサーは付き合っているんじゃないか。
そういうことを考えているのは私だけじゃないだろう。桑山さんや月岡さん、こないだなんて浅倉さんにも聞かれた。
皆、本人に聞かず、ユニットメンバーである私に、必ず他に人がいない、ふたりっきりのときに聞いてくる。
なにげない会話の中で「ところで」と切り出して聞いてくるけど、ほとんど皆、冗談でそんなこといったんじゃないことが分かるぐらいには、真剣かつ深刻な雰囲気で聞かれるから本人じゃないのに胃がキリキリ、汗だらだらである。
「そ、そんなわけないじゃないですか〜」
そんな確信があるわけがない。
もし、あれを第三者視点でみてたら付き合っていないと考える方が不自然かもしれない。
レッスンをしてたらほとんど必ず様子を見に来る。レッスン後は夜も遅いからと、美琴さんの家まで送迎。休みの日に家電を家まで運んだりしたこともあったらしく、なりより、絶対に質問してきた人たちにはいえないが、毎晩電話をしている、とまで美琴さん本人から聞いてはいる。
アイドルとプロデューサーの関係としてもあまりにも親密すぎる。
「本当に?」
と、返されるのも定番になってきてはいるが。
そう返したいのはいちばんに私だというのに。
本当に付き合ってないのか、なんて気になるなら、もういっそのこと、私じゃなくて、美琴さんに直接聞いてよ。
出来たら私のいる前で。私だって真偽を明らかにしたい。
「美琴さんはプロデューサーと付き合ってるんですか」
前言撤回。私がいないところでその質問、して欲しかった。
私と美琴さん、そして、その美琴さんを問い質す、浅倉さん。
この3人だけ。
最後までレッスン室にいた私たち2人と忘れ物があると取りに戻った、らしい浅倉さんと3人だけの帰り際の階段。
帰り際の軽い雑談をしていたはずなのに、てっきり私は気が抜けて「美琴さん、帰りは・・・・・・(いつも通りプロデューサーさんと、ですよね)」なんて、口にしてしまって。
「プロデューサー、待ってるだろうから」
と。
当たり前のように、単なる、当たり前の事実をこの人の前で答えてしまった。
しまった、と思ったときはもう遅い。
美琴さんはさ、って。浅倉さんは先程の問いを投げ掛けた。
「付き合ってないよ」
美琴さんは特に言い淀むこともなく、当たり前、であってほしい事実で返す。
「付き合ってもいないのに、毎日送り迎えしてもらっているんですか?」
それに浅倉さんは質問を続ける。
「そうだよ。おかしい?」
「おかしいです」
階段を降り、駅の方へ帰るはずの浅倉さんと、これからプロデューサーさんの待っているであろう駐車場にいくはずの美琴さんは、その場でお互いを見つめて、立ち止まった。
「そういうの、ずるくないですか」
「ずるいかな」
「大人ってだけで、色々なことが出来るんですね」
「何の話?」
「それ、いわれて困るの、美琴さんじゃないかな」
「いわれて困るようなことしてないよ」
「あぁ・・・・・・えっと、浅倉さん!駅まで、途中まで、一緒ですよね?もう遅いですし、一緒に帰りませんか─」
「今、そういう話じゃないから」
こちらから無理やり話をぶつ切りにしようとしても、浅倉さんは一切引く気は無いようだ。
「私がプロデューサーといるの、嫌なの?」
「それ、聞くんだ。なんでそんなこと聞くの?そういう美琴さんはどうなの」
「み、美琴さんも!プロデューサーさん、待ってるって。早く行ってあげた方がいいんじゃないですか」
「ごめんね、にちかちゃん。もう少しだから」
この人も売り言葉に買い言葉。
やめておけばいいのに、というか、早くやめて欲しい。
こんな道端で、アイドル事務所の、顔がいいアイドル2トップが、プロデューサーを巡って、言い争っている。
何で、何で、そんな状況に。
って、私の発言が原因だった。
我ながら、自分のしでかしたことの被害の大きさに頭を抱えたい。頭を抱えて、目を伏せれば、きっと顔を上げた途端、状況は良くなっているはず。
「もう少し、ってなに?ちゃんと私の質問に答えてよ」
「・・・・・・私は、私以外の人とプロデューサーが一緒にいたら、嫌かな。これでいい?」
「・・・・・・ふーん・・・・・・」
いや。いやいや。
ふーん、じゃないでしょ。
めちゃくちゃなカミングアウトでしょ。
状況は良くなるはずがなかった。
むしろお互いもう武器を隠す気はないらしいほどに、悪化の一途を突き進む。
「じゃあ、今、私がどんな気持ちか、美琴さんには分かるんだ」
「そうだね。分かるよ」
「じゃあ、今日はにちかちゃんと帰るといいと思うよ。夜も遅いし」
人を勝手に修羅場の駆け引きの道具にしないで欲しい。
「私がいなくなったら、どうするつもり?」
「プロデューサーに家まで送ってもらおうかな。美琴さんがいつもしてもらっているみたいに」
「先約、入れたつもりなんだけど」
「そういうのは抜け駆け、っていうと思う」
「抜け駆けも何も、協定なんて結んだ覚えはないよ。早い者勝ち、っていうでしょ」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
・・・・・・これ、もう収拾つかないな。
私はもう、自分の胃を痛ませるのも飽きてきて、もうここにプロデューサーを呼んでしまおうか、なんて末恐ろしい、いや、末、なんてどころじゃなく、来た途端に血を見る可能性もある超修羅場展開も想像してたほどだ。
私が何をいってもこの人達、全く引こうとしないし。
ああ、どうしよう。
ブルースというのはどうにもならない困りごとをいうらしい。
ああ、いつかブルースのお仕事なんて来たら、私、それだけは他の人よりもこなせる気がする。
「お、おふたりとも。あの、これは提案なのですが、ここはみんなでプロデューサーさんに送ってもらうというのはどうでしょう?」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・おふたりがいいたいことは分かります。それ、何の解決にもならないだろって。しかしですね。お互い、ここは譲れない。自分以外の人の抜け駆けも許さない。プロデューサーさんが自分の知らないところで何をされるかも分からないのが、不安で仕方がない。だったら、ここは互いに同じ車に乗って牽制し合うしかないんです。それともプロデューサーさんに、今ここで来てもらって、二人のうち、好きな方を選べ、なんていいます?それこそ、共倒れの事態になりません?」
ここまでまくし立てて、何とかふたりは納得、こそしてないのであれ、妥協はする気になったらしい。
私はこのとき、本当に大事なことを失念していた。
通常、一般的に、4人が乗れる車というのは運転席の他、助手席と後部座席がある。
助手席。
それは特別な意味がある。
何も交通事故の際の高い死亡率の事をいうのではない。
運転手の隣の席、というのは何とも魅力的であろう。
ああ。席決めをしてなかった。
ジャンケン、でどうにもならないだろう。
私が真っ先にプロデューサーの車に駆け出して、呑気に驚くプロデューサーさんがドアを開けた途端に助手席に座ったとき、もう何で自分はこんなことをしているのか説明するのも頭痛いので前置きは省きますが、と前置きしなくてはならない事態になったのは。
ああ、神様。
私が犯した罪にしては罰が重すぎませんかね。
単に家に帰る手段をユニットメンバーに聞くだけで、この修羅場。
「昨日はありがとね」
「な、何のことでしょう・・・・・・?」
翌日。ふたりっきりのレッスン室で。
美琴さんから昨日のことについてのお礼。
「お互い引くに引けなくなってたから。助かったよ」
「ど、どうもです」
「・・・・・・ふふっ、それにしてもにちかちゃんのいってた通り、もしプロデューサーがあの場にいたら、どうなってたんだろう」
何を笑っているのだ。そりゃ、血を見るだろう。
「えっと・・・・・・分かってはいると思いますけれど、プロデューサーに二者択一を選ぶような状況つくるのだけはやめた方がいいですよ」
「どうして?」
「絶対あの人、選択を放棄するからです。何よりあの人には『自分はプロデューサーだから』って逃げる大義名分がありますから」
「そっか。あんまりいじめちゃうと可哀想だもんね」
「あの、何をする気ですか」
「こういうのって結構難しいんだね。プロデューサーの口からハッキリ言ってくれたら簡単に済むのに」
「簡単に修羅場どころか事務所を主戦場変えることができる魔法の言葉なので絶対にやめてください」
「じゃあ私から言おっかな。こないだ実家に帰った話」
「すみません。とりあえず色々言いたいことはあるんですけれど。一旦、一旦、それを置かせてもらいまして。とりあえず、それ、今の話、私以外に、絶対に、くれぐれも、何があっても、話しちゃダメですからね」
「ふふっ、冗談」
この人の冗談、基本的に笑う場所がわからないな。
「・・・・・・実家というのは?」
「こないだの休みの時に札幌に私、帰って。プロデューサーも札幌旅行してて。それで、プロデューサーと一緒に私の家に行ったの」
「すみません。説明してもらってて本当に申し訳ないのですが、もうその時点で分からないです」
「プロデューサーが札幌旅行行くっていうから付いていったの。プロデューサーには事前には言ってないけど。たまたま千歳空港で会って、それでそのまま一緒に旅行したの」
それをたまたま、と表現することに違和感を覚えない人がいるのであれば私はその人と日本語で会話出来る自信がない。
「ご、ご実家でプロデューサーさんのこと、なんて説明したんですか?」
「それはプロデューサーのいたところでどう説明したか、ってこと?」
「美琴さんのご両親には全く別の説明をしたということをしたことが分かったのでもういいです。お手数お掛けしました。美琴さん。美琴さんにとっては伝家の宝刀クラスのプロデューサーさんとの思い出なのはよく分かります。だけど、その宝刀、抜いちゃダメです。それは貴重な文化財として厳重に保管してください」
「分かった。にちかちゃんとのふたりだけの秘密だね」
出来たらその秘密、抱えたくはなかった。
「ホテルのことも黙っておくね」
「・・・・・・うん、ええと、あの、はい、もう、はい。それも・・・・・・とりあえず、ここ1年でプロデューサーさんと美琴さんがふたりだけのときにあったお話は、もう、全て・・・・・・封印してください・・・・・・」
さて。
この3日後。
次に冬優子さんと一緒の楽屋で私はまた頭を抱えることになる。
何故、私が修羅場の渦中の人間のように、スリリングな毎日を送らなければならないのか。
プロデューサーさんに当たり散らしても、お姉ちゃんに怒られるだけだし。
美琴さんとの距離が近づいたことは嬉しいのだが。
美琴さんが私を秘密を打ち明ける、唯一無二の人間に選んでくれるのは有難いのだが。
それにしたって。
それにしたって。
流石に。
と、思う絶妙なタイミングで。
美琴さんは私の頭を撫でて「ごめんね」って謝ってくれるようになって。
ああ。プロデューサーさん、いつもこんないい思いしてたのか。
そりゃ美琴さんに落とされるよな、って。
このにちかはにち虐とは違う理由で嘔吐してそう…