Pに依存する美琴と冬優子がメイド服でPに迫るだけの話
Pに依存する美琴と冬優子がメイド服でPに迫るだけの話。
そういえばあれだけ市場はメイド美琴を描いているのにいまだに実装されてないなと気づき、書いた小説。
Pに依存するヤンデレ美琴さんシリーズは美琴さんが自殺未遂のPを殺人未遂するところまで書いてしまってだいぶシリアスになってしまい、修羅場を書きたかったらここで書くしかないと、シリーズを分岐させることにしました。
といっても今回はそんなに修羅場してないですが。というか、早くswitchでペルソナ5やりたいです
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「メイド代行サービスって本当にあるのかな、プロデューサー」
「なんだい。いきなり」
また僕がゲームをやっている横で美琴が何かしら思いついたかのようにそう尋ねてきた。
最近、美琴は僕が読書なりゲームなりドラマなり視聴、遊んでいたりすると、必ず画面を覗き込んで。
「あれは何」
「これは何」
と、色々、聞いてくる。
美琴なりに僕の趣味を知ろうとしてくれているのか、とも思えたので素直に答えている。
「このキャラ、露出多くないかな」
「このドラマ、妙にベッドシーン多いよね」
「プロデューサーは普段こういうものばかり見ているの?」
答えたくない質問に対しては、黙殺しているが。
「質問を答えるのを拒否するのはよくないんじゃないかな」
「黙殺をそういう風には解釈しない方がいいよ」
「プロデューサー、またエッチなゲームするの?」
「美琴、ジュブナイルRPGの定義をもう一度ここで僕は復唱しなくちゃいけないのかい。さっきまで思いっきり経験値稼ぎしてただろ。これはRPGだよ」
「嘘。だってまた女の人と話している」
「僕だって津田健次郎とか細谷佳正とかの攻略キャラがいればそのキャラと話していたいさ」
「やっぱり。今、攻略っていった。今度はこのメイドの人、攻略してるんだ」
「・・・・・・シナリオクリアに必要な手続なんだよ」
「このゲーム、クリアするのに10股もしなくちゃいけないの。それってもうRPGが主体じゃないよね」
「噛み付くなよ。僕だって昔の女神転生っぽい雰囲気が残ってた初代とか2の方が好きだよ」
「メイド、好きなの?」
「話を聞いてよ」
「プロデューサー、メイドって見たことある?」
「あるよ」
「どこで」
「秋葉原」
「どこで」
「道端で」
「どこで」
「それはどこの道端かどうかいえばいいのかい?中央通りから一歩路地入った通りだよ」
「違う。プロデューサー、また嘘ついてる」
「嘘?嘘だと思うならスマホで画像検索してみなよ。あの道には千代田区が雇った客引き防止のパトロールが仕事しているおかげか、こっちから探さなくともぼったくりバーの客引きメイドなんていくらでもごった返しているよ」
「プロデューサーが一度もそういう店に入ったことないのか、って聞いているんだけど」
「・・・・・・そういう店とは?」
「メイド喫茶」
「・・・・・・何で僕がそういう類の店に行ったことあるて思ったんだい」
「プロデューサー、よく渋谷とか池袋でダーツとかビリヤードしてる。こないだも秋葉原で遊んでた」
「秋葉原で遊ぶ人間、皆、メイド喫茶に行っているなんてステレオな考え、なかなか稀有だと思うよ。電車男の見すぎだよ」
「・・・・・・電車男って、何?」
「中学の国語便覧の現代文学で電車男が載っていると知ったときのことはあまりに衝撃的で未だに覚えているよ」
「それで、メイド喫茶は─」
「分かった、分かったよ。先輩に誘われて行ったダーツバーにはたまたま給仕服姿の店員がいた。それだけのことはあったかもしれない」
「・・・・・・へー・・・・・・行ったことあるんだ、プロデューサー」
あまりにしつこいので素直に認めると、覚悟はしていたものの、美琴の視線を更にじっとり感じることにはなる。
「プロデューサー、一旦ゲーム、やめようね」
しかも、コントローラーまで取られる始末。
「まだ会話途中なんだけど」
「今は私と話す時間だから。ゲームのキャラとのお喋りは、1回、やめようね」
「・・・・・・素直に話したんだ。それを責められるいわれはない。素直は人間の美徳だよ」
「嘘つきなことと浮気癖は全く別問題だよね、プロデューサー」
「メイド喫茶の店員相手に浮気どころか本気で恋愛できると思っている人間の方がおかしいよ。僕は先輩とダーツをしていただけで─」
「その先輩も、前に話していた元カノでしょ」
「・・・・・・・・・・・・それは僕が話したんじゃなくて、写真フォルダを覗き見た美琴に無理やり自白させられたことであって」
「彼女さんとメイドさんと一緒にダーツして、楽しかった?」
「・・・・・・美琴。君がしようとしていることは遡及処罰だ。僕がプロデューサー業をし始める前の、しかも学生時代の話だよ。そのときの行為の責任を咎めることなんて無理な話だ」
「プロデューサーがいっていること、よく分からない。ちゃんと言い訳して」
「美琴にとって異議申し立ては全部言い訳なのかい」
「やっぱり」
美琴の機嫌を損ねたので(主観的には、勝手に僕の過去を掘って、勝手に機嫌を損ねたようにも感じるが)、美琴が食べたいといっていたヴォンゴレを作っていたら、キッチンまで来て美琴が「僕の」スマホ画面を見せてきた。
「これは・・・・・・僕のダーツライブの成績・・・・・・これがどうしたんだい?」
「プロデューサー、メイド喫茶デートしてた日の成績、すごく低いよね」
「すごく、という程ではない。僕の調子がその日はたまたま悪かった、というか大体、これぐらいの初心者と区別がつかない程度の成績だよ」
「この年の平均と大きく外れているんだけど。これって彼女さんとか、メイドさんとかに合わせて手加減してたってことだよね。しかもこのゲーム回数。普段の倍は遊んでる」
「火を使っているときに邪魔しないの。リビング、戻って。ね?」
鬼の首を取ったような態度をとる美琴を無理やり座らせて、とりあえずまたスマホの暗証番号を変えておいた。
「美味しかったよ、プロデューサー。ごちそうさまでした」
「機嫌、これでなおったかい」
「機嫌なんて悪くないよ。それじゃ、お皿洗っちゃうね」
ここで僕は素直に洗わせておけば良かった。
絶対機嫌直ってないから、とゆっくりしてていいから、と少し目を離してしまったのが不味かった。
「・・・・・・冬優子ちゃん?こないだあさひちゃんが撮影でメイド服借りてたスタジオって前、私たちも使ったスタジオかな・・・・・・うん、分かった・・・・・・ありがとうね・・・・・・え・・・・・・ううん、なんでもないの・・・・・・じゃあ、おやすみなさい」
『ちょ、あ、あんた。それ聞いて、何する気─』
美琴が手にするスマホから確かに聞こえる、状況も一切分からず、混乱していた冬優子の返答も聞かずに、今度は別のところへ電話を掛ける美琴を見て。
とりあえず、今日はこれ以上、ゲームができないことを察した。
「どう?プロデューサー」
「・・・・・・・・・・・・どう、と、いわれましても」
よりによって、いくら同じスタジオだからといって、めぐるの撮影で使った衣装、プライベートで借りるなよ。
目の前で寄せられ、揺られるハートから目を逸らして、からかわれたくないのでなるべく平静を装ってはみたが。
やっぱりできないので、額に手を当てて、空を仰ぐことにした。
うちの事務所でイルミネや放クラを担当するPの趣味に僕は文句を付ける気はなかった。
あくまでアイドルとPとの間の契約関係に外野のPが口出しするなんて僕はやりたくない。
だからといって。
今まで、クール、スタイリッシュ路線で貫いていこうと、僕と社長とで、方針を話し合っていた担当アイドルのこの姿を目の前にして。
僕は心底、イルミネPに執拗に、ありとあらゆる、大人が公的な場で言ってはいけない言葉を投げつけたくなった。
お前のせいだ、と。
「プロデューサー、やっぱりこういうの好きなんだ」
僕がどれだけ虚勢を張ろうとも。
隣に座ってきた美琴にはお見通しなようで。
耳元でくすくす笑われている。
「お酒、おつぎしましょうか?プロデューサー、せっかく酒蒸しも作ったんだから、ビール飲みたかったんでしょ・・・・・・あっ、ご主人様の方がいい?」
「・・・・・・しかもコンカフェシチュのつもりなんだ・・・・・・どこのメイドバーであさりの酒蒸しとビールなんて組み合わせ、出してると思ってるんだい」
缶ビールを注ぐメイドというのもシュールな光景だ。
「何て、呼ばれたいの。プロデューサーは」
毎度毎度、耳元で囁くものだから。
落ち着いてビールも飲めない。
その妖麗な声に、身を震わせ、軽く吹き出してしまい。
やめて、と抵抗虚しく、口元を拭かれながら、そういうことを聞いてくる。
「じゃあ、とりあえずご主人様で・・・・・・ご主人様、この服、もう買い取ったから」
敬語で話されるなんて、久方ぶりで。
ただ、敬語を使おうとも、こちらのことを半ば小馬鹿にするような、挑発的態度を取るものだから、返事なんかする気もなれない。
「ご主人様が、他のメイド喫茶に遊びに行ったりしないように。貴方が好きなときに、すぐに見られるように。ちゃんと、この家のクローゼットに入れておくから・・・・・・ご主人様、見たいときにはちゃんとわたしにいってね」
「こないだみたいに、誰かが押し入れを掃除したときに、それを見つけたらどういう状況になると思う?」
「プロデューサーは私にエッチなメイド服を着せたいっていう趣味があるのかなってみんな思うだけじゃないかな」
「・・・・・・せめて、せめて・・・・・・ロングスカートのクラシックスタイルの服はなかったのか・・・・・・あさひが現に着てたよね?」
「だって、それだとあんまりマウンティングできない」
「何よ、マウンティングって」
「だって─」
「ご主人様、ご主人様のメイドが帰ってきましたよ。ドア、開けてください」
「冬優子、知らないだろうがこの安価賃貸はね。壁が薄いんだ。大声で、僕が知りもしない、頼んでもないサービスを喧伝しないでくれるか」
ドアを開けると。
・・・・・・数時間前のあの電話から、察しがついていたが。
メイド服姿の冬優子が玄関に上がり込んできた。
しかも。
「・・・・・・だから、あさひのメイド服でいいだろ・・・・・・何でロングスカートじゃないんだ。それ、夏葉の撮影で使った服だよね」
「だって〜、ご主人様、ふゆの脚ばっかいつも見てるから」
「さっき来たスタジオの衣装担当の人からのメール、読みたくないんだ。お前の事務所ではこれから所属アイドルでメイドだらけのイメージビデオでも撮る気なのかって」
「・・・・・・あんたがふっとい脚が好きだ、とか何とかいうから、着てきてやったんじゃない。こっちの身にもなりなさいよね。下は愛依の着てたメイド服のタイプで使うガーターベルトと組み合わせてやったんだから」
「担当アイドルの脚が太いなんて発言を腰抜けの僕がすると思うかい。できるわけがない」
「そういうの、視線でわかるから。他の子には嫌われるから、やめなさいっていつもいってるの、忘れたの?あんたが脚フェチなことくらい、こないだの掃除で見たコレクションで既に判明してることなのよ。で、あの女、どうせいるんでしょ」
「・・・・・・リビングに・・・・・・」
「あ、冬優子ちゃん」
「・・・・・・・・・・・・うわっ」
美琴のメイド服姿を見て第一声がこれなんだから、客観的にいってもこの姿はあれなのだろう。
「・・・・・・あんた、欲望に忠実すぎ・・・・・・これはちょっと、いえ、結構引いたわ」
「僕はイルミネPの趣味に引いてるよ」
「愛依の衣装決めたのあんたなの、忘れてない?あんた、ほんっと、ミニスカ好きよね?」
・・・・・・マウンティングってこのことだったのか・・・・・・。
冬優子が来ることはある程度予想できていたから。
美琴がやろうと思っていたマウンティング。
「あんた、勝ったつもりじゃないでしょうね。その、下品に見せつけた谷間で」
「よく分からないけど、プロデューサーは好きみたいだから。だから、勝ったことにはなるんじゃないかな。私がいまこの事務所でPを狙っている子に勝っている点はこれぐらいだから」
「・・・・・・・・・・・・じゃあ、こっちも手段は選ばなくてもいいってことよね?」
「え」
「あんた、上手いじゃない」
「・・・・・・冬優子、僕が悪いわけじゃないけど悪かったから」
「手、止まってる。続けて」
「・・・・・・はい」
「・・・・・・冬優子ちゃん。プロデューサーからそろそろ降りたら?」
「じゃああんたはこいつの肩に乳乗せるのやめなさいよね。まあ、あんたが代わりにこれ、やってもいいけど。こいつが満足する結果にはならないんじゃないかしらね。だって髪質が違うもの。こいつ、根っからの黒髪フェチだから」
「・・・・・・・・・・・・」
状況として。
膝に乗せた冬優子の髪を梳かされている。
思っいっきし冬優子には身体の体重をかけられて座っているので。
必然的に。
「・・・・・・あんた、いくら髪の匂い嗅ぎたいからって。身体、くっつけすぎよ。お尻に当たるんだけど」
「くっついているのは冬優子ちゃんだよね?」
「勝手に興奮しているのはこいつよ。ね、ほら。あんたが好きだっていってたトリートメント、つけてあげてるの、気づいてるんでしょ?柑橘系、好きなのよね?ここでは目をつぶってあげるから、髪に鼻、当てていいから、吸っておきなさい」
「・・・・・・・・・・・・」
ソファー越しに前後から体重をかけられて。
なんとか無心になろうと。
脳内に思い浮かんだ同じような、かつ、色気のないシチュエーションを思い出そうとして。
出てきたのがHUNTER × HUNTERのGI編のドッジボールの「合体」シーンしかなくて。
結局、全く脳内に集中できなくて。
「これで、分かったでしょ?こいつ、やっぱりこういうスタンダードなメイドスタイルが好きなのよ。あんたみたいな風俗店コスじゃなくて」
ミニスカがスタンダードなメイド服って発言はどうかと思うけれど。いや、確かに秋葉原でロングスカートのメイド探すほうが困難だけど。
「でもプロデューサー、私が膝に乗ったときはずっと胸に顔埋めてたよ」
「あんたが無理やり、そうしたからでしょ」
「冬優子ちゃんだって無理やり身体当ててた」
「・・・・・・大体、あんたね。本当にこいつがメイド服、着て欲しいっていってたの?」
「・・・・・・・・・・・・」
「論点ずらししてないかい、冬優子」
「少し待ってなさい。こいつが本当はどんな衣装、好きか、って教えてあげるから」
「・・・・・・・・・・・・」
「山岡士郎?」
「・・・・・・ほら」
脱衣所に冬優子が消えて10分ほど。
現れた冬優子の姿はいつも事務所に来るときのようなファッション。
これにマスクが合わされば完全に地雷系の服装。
今度は隣に座ってきた冬優子は呆れたように、マスク越しに耳元で囁いて来た。
「あんたが最初に私を誘ってきたときの衣装。結局、こういう方がいちばんしっくり来るでしょ」
「・・・・・・・・・・・・」
「こいつのこと、誘惑したいなら、あからさまな手段に頼らない方がいいわ。こいつはね、どの服が好きだった?って聞いたら結局、アイドルの仕事で来た衣装じゃなくて、普段、事務所で着てた服が好きっていうタイプだから。そうでしょ?」
「その質問に対してうん、そうだね、って答えるのも問題あるし、そうじゃない、って答えてもじゃあお前は結局コスプレ好きなのか、って話になるんじゃないかな」
「・・・・・・・・・・・・それはあくまで冬優子ちゃんの言い分であって、私がそうする理由はないよ」
「勝手に言ってなさいよ。あんた、私に図星つかれて、私の言う通りにするの、嫌なだけなのよ。ほら、鮭とば。炙っておいたし、軽く噛んで、食べやすいようにしてあげたから」
左からオタサー姫の冬優子に地酒と鮭とばを押し付けられて。
「ご主人様、これ実家から送ってもらった、たこわさび。お父さんにまたオススメ聞いたんだ。お父さんもお母さんもまたプロデューサーに会いたいって」
右から破廉恥メイドの美琴にビールとたこわさびを押し付けられて。
何でそんなツマミがどれもこれも渋いんだよ。
あと、冬優子は何で自分で噛んだ鮭とばを僕に食べさせようとしているのか。
そんなに顎が弱そうに見えたのか。
この世界線の283プロってプロデューサーが複数いるんですか?