はづき「にちかとプロデューサーさんが付き合ってる気がします……」
――思い違い?それとも……
どうもです。にちかちゃん大好きあおばです。にちかちゃんがあんなにPにスキンシップしてたらはづきさんがただじゃおかんだろ……という勝手な想像からできた小説がこちら。
親愛度LV3以上のにちかちゃんのデレっぷりがめちゃくちゃかわいくて、もう……(毎日1回はLV3以上のプロデュースボイス聴いてる)
まっクろはムウサぎも最初は当たり強いな~とか思ってましたが、今見返すと単純に構ってほしかっただけなんでしょうね。そういうところも含めて好きだよ。
私の他の作品とは繋がりはありません。はづきさん視点。いつも通り2割くらいはAIのべりすとの力を借りてます。こがたんのセリフは(私が九州北部方言に自信がないので)変換サイトを使っています。変換先は長崎ではなく博多ですが……(実際こがたんの言葉って博多に近いらしいですし)
~シャニマスプレイメモリー~
凛世の「十二月短編」プロデュースしたら固有ライブスキル→レベル最大思い出アピールのコンボが凶悪すぎてW.I.N.G.が過去最高にヌルゲー化しました。今のところやってて一番楽しかったプロデュースかもしれない。演出もかわいらしかったしな……
???「オマエさ、そんな顔すんの……反則」
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「……」
壁に耳あり障子に目あり、扉の向こうにはづきあり。
――今、私は事務所リビングのドアの隙間から、リビングの中を覗き見ている。理由は至って単純、中にいる2人が何をしているのか窺い知るためだ。
「ねぇ、プロデューサーさん!すごくないですか、今回のオーディション!」
「ああ、にちかが精いっぱい頑張ったのがよく伝わってきたよ!」
中にいる2人……他でもない、片方は敏腕と自身が尊敬している283プロのプロデューサーさん、そしてもう片方は愛すべき実妹、七草にちか。
「えへへ、もっと褒めてもいいんですよー?」
さあ、どうするプロデューサーさん……固唾をのんで私は見守る。
「――!」
果たして、プロデューサーさんの右手は妹の頭に伸び――わしゃわしゃわしゃ、となで回した。
***
「え、にちかちゃんがプロデューサーさんと……?」
「うん……もしかしたら、だけどね~。」
一件を目撃した2日後の夜、千雪と2人での食事の席でそう打ち明ける。
「そっかぁ……まぁ、にちかちゃんも年頃の女の子だしね。」
「それはそうなんだけど、一応アイドルだし、スキャンダルになったら困るし……」
「……はづき、もしかして妬いてる~?」
「……え」
千雪の予想だにしなかった問いに思わずフリーズしてしまう。
「いや、私はこの際無関係でしょ……?」
「そうかしらね、ふふっ。」
「もう……で、どうしたらいいのかなって。」
「そうねぇ……」
千雪は少し考えるそぶりを見せる。
「まず本当に付き合ってるのかしらね?はづきの早とちりかも?」
「早とちり……なのかなぁ……」
その可能性も否定できなくはない。そもそも目撃したのは頭をなでているところだけだし、2人がどこまでスキンシップに及んでいるのかは何も分からないままだ。
「というか、どうして疑い始めたの?」
「それは……にちかが最近プロデューサーさんとやたら距離感が近い気がして、それで。」
「あー……」
千雪が少し苦笑いをする。
「……やっぱり?」
「ううん、なんとも言えないわねぇ、それだけじゃ……むしろ本当にはづきの早とちりなんじゃないかって気がしてきたわ。」
「え~……」
「他にもそれくらいの距離感の子はいるかもしれないわよ?そうそう、甘奈ちゃんも結構近いわ。」
「よく見てるね?」
「それは、まぁ……」
千雪は急にはぐらかすような言い方になる。――そういえばこの人もプロデューサーさんに好意を持っているんだった。相談相手を間違えたかもしれないし、逆に千雪でよかったのかもしれない。
「他に怪しいことはない?にちかちゃんが突然外出するとか……」
「うーん……私も家にいないことが多いから、にちかの行動を全部把握してるわけじゃないのよね~……」
「そっかぁ……」
しかし、あの2人の距離の近さを気にするようになったのは本当に最近だ。以前は絶対にあんな距離感ではなかったはず。
「他の子に聞いてみたらどうかしら?勘が鋭い子なら、何か嗅ぎ取ってるかもよ?」
「藪蛇じゃない?それ……」
「そうかしら、待ってても何も掴めないと思うわよ。」
まぁ、考えておくくらいはいいだろうか。
「はづきも頑張ってね~。」
……それはどういう意味で、だろうか。
***
色恋沙汰に敏感そうな子、というのを少し考えてみた。正直誰もが詳しそうだが……ただ美琴さんとルカさんは明確に違いそうだ、ということは即座に断言できた。
「反対を見つけてもしょうがないし……」
誰もいない昼休みのリビングでひとりごちだ。美琴さんとルカさん、そして千雪と本人であるにちかを除いても残り24人。――いや、いっそ本当に消去法で絞っていってもいいが……
「灯織さん……も多分違う。摩美々さん……分からない、保留。樹里さん……分からない。円香さん……違う、かな。」
違うと断言できる人の方が少ない。一体誰に聞けば……
するとリビングのドアが開いて誰かが入ってきた。
「お疲れ様でーす。お、はづきちさんがいらっしゃいましたかぁ。」
「お疲れ様ばい!……はづき、なんしよーと?」
――この2人なら敏感なのでは?
「お疲れ様です~。実はちょっと考え事をしていて……」
「考え事?」
「本人には言わないでほしいんですが……にちかとプロデューサーさんってどういう関係か知ってますか~?」
「にっちゃんとPたん……?それは担当アイドルとかそういう関係ではなくて、ですか?」
「そうですね~。」
「にちかとプロデューサー……特になんもないっちゃない?」
2人から有効な反応が引き出せなかった、ということはやはり私の思い違いなんだろうか……
「なんでそがんこと?」
「え?あぁ、なんか最近2人の距離感が近くないかな~って思ってて。」
「ほうほう……つまりはづきちさんは、にっちゃんとPたんが付き合ってるんじゃないかって勘繰ってるってことですね!?」
「まぁ、そういうことですね~……」
誤魔化してもしょうがないので素直に白状する。
「ばってん、うちから見たっちゃ気になることはなかったばい!だいたいあげん感じやなか?」
「そう……なんですかね~。頭なでるのも普通なんですかね……?」
すると結華さんは笑顔をすっと引っこめて続ける。
「普通じゃないですか?三峰には一回もされたことないですけど。」
「結華ーっ!目ん光が消えとーばい!!!」
「……こがたんはどうなの?頭なでられたことある?」
「ふぇ?う、うち?うちは――」
答えようによっては戦争になる気がするけど、恋鐘さんはどう答えるんだろう……
「一回だけなでられたことがあるばい!」
訪れる一瞬の静寂。そしてなぜか分からないが、タイミングよくどこかからカーとカラスの鳴き声が聞こえる。……なんとなく、この場にはふさわしくない気がする。なぜかは本当に分からないが。
「……こがたん、三峰ちょーっとPたんに用事ができちゃったかなー。」
結華さんは笑顔を戻して――しかし先ほどとは明確に違う色の笑顔で――言う。
「プロデューサー、今ここにはおらんよ?」
「じゃあ帰ってきたら話しかけてみよー。」
……なんだか話がややこしい方向に進んでしまったが、とりあえず結華さんと恋鐘さんから見た感じでは、にちかとプロデューサーさんの間に変なサインは見られないようだ。
***
翌日、やはり事務所のリビングで仕事をしている私だが、どうもにちかとプロデューサーさんの件が釈然としない。結華さんと恋鐘さんを信じていないわけではないのだが、なんとなく割り切れないというか……もうちょっと意見を聞けば納得できるのだろうか。
「お疲れ様でーす!」
「お疲れ様です……」
すると、智代子さんと凛世さんが入ってくる。……そういえば、智代子さんはこういうことに敏感そうだ。
「お疲れ様です~」
「はづきさん、何か考え事ですか?」
「えぇ、ちょっと……にちかのことを。」
「にちかさんの……?」
「最近プロデューサーさんとの距離が近くて……」
「あー……」
智代子さんは何か思い当たることがある、というような声を上げる。
「何か思い当たることが?」
「ううん、違うんです。でも確かににちかちゃんは距離近いときは近いですよねー。」
遠いときは遠い、ということだろうか。――実際遠いことはあるのだが。
「にちかさん、甘え上手ですから……周囲から見ると、距離感が近いと感じられることが、あるのかもしれません……」
凛世さんはそう言うと、手元のカバンをぎゅっと握る。
「頭なでるとか、そういうのは……?」
自分の中で一番引っかかっているであろうことを2人に聞く。すると智代子さんも凛世さんも、明らかに表情を変えた。
「あ、頭!?私一回もそんなことされてないんですけど!?」
「あぁ、やっぱり……」
これはクロかもしれない。
「あら、凛世さん?」
見ると、凛世さんはわなわなと震えて今にも泣き出さんばかりの表情だった。
「り、凛世ちゃん!?どうしたの!?」
「プロデューサーさま……そのようなことをされるのは、凛世だけかと……信じて、おりましたのに……!!!」
どうやら別方面でショックだったらしい。ということは、凛世さんも頭をよくなでられているということだろうか。またもや分からなくなってきた。
ひとまず凛世さんをなだめながら、次の一手を考える。――柄にもないことだが、妹のためだと強引に理由をつけた。
***
(はぁ、結局またやっちゃってる……)
さらに数日後、事務所リビング前。適当な理由をでっち上げて再びわざとプロデューサーさんとにちかを2人きりにする。2人が何をするかだ。
(あれ、でも……今日は何もしない……?)
やはり思い違いか――と息をつきかけたとき、にちかが動いた。
「はぁ~……プロデューサーさん、忙しそうですねー。」
「え?ま、まぁな……」
「うわー!認めちゃったよ!露骨な忙しいアピール!!!」
「す、すまん……」
「忙しい前で私が暇そうにしてすみませんねー!」
「いや、そんなことは……」
「あー!もう忙しいなら私の相手なんかしてる場合じゃないですよねー!」
私にはなんてことない会話、に見えた。少なくともそこまでは。しかし、次の展開ですべてがひっくり返る。
「……にちか」
「……なんですか?」
「その……頭、出してくれないか?」
「え?あ、はい。」
なでなで。
「……」
(……え?)
「……もう」
嫌がるそぶりもなく、大人しくなで受けるにちか。
「……」
(なにこれ……)
2人の間に流れる空気は明らかに異様なものになっていた。しかし2人ともそれを気にするそぶりはない。そして次のにちかの一言で……私の混乱はさらに加速することになる。
「……時間作ってください!1日に、24時間くらい……私のために!!!」
(~~~~!!!!)
刹那、私の体に雷が落ちたような衝撃を感じる。思わず声が出そうになった。耐えきれなくなってその場を離れる。
(ぷ、プロデューサーさんが、にちかをなでて……にちかが、プロデューサーさんに……っ!)
おそらく私の表情は、まさしく先日凛世さんがしていたものと全く同じようになっているだろう。
「あれ?はづきさん?」
ふと後ろを振り返ると、甘奈さんが――あれ、そういえば千雪が……
(他にもそれくらいの距離感の子はいるかもしれないわよ?そうそう、甘奈ちゃんも結構近いわ。)
……よし。
「甘奈さん、ちょっとこっちいいですか~?」
ショックに震えるところを見られた手前手遅れかもしれないが、私は一応平然を装って手近な会議室に甘奈さんを招き入れる。
「えっと……何かあったの?」
「……実はですね~」
私は甘奈さんに、プロデューサーさんとにちかの距離が近いこと、よくにちかが頭をなでてもらっていること、そしてついさっき怪しい発言を聞いてしまったことを話した。
「は、はづきさん!それ本当なの!?」
「……ま、まだ決まったわけじゃないんですけどね~」
この反応、甘奈さんから見ても流石に異常な距離の近さなんだろうか……
「えー、にちかちゃんってそんなに甘えるんだー。見てみたいな~!」
……あれ?
「え、付き合ってるかどうかで言うと……?」
「んー?多分付き合ってないと思うよ?甘奈もそんな感じだし、それにプロデューサーさん、他の子に対しても結構頭なでてるからね。普通のことじゃない?」
……私がおかしいのだろうか?
「それと、はづきさんがこれまではあんまり気にしてなかったってだけかも。今回はにちかちゃんだったからやたら気になっちゃったんじゃない?」
「なるほど~……?」
「甘奈もね、甜花ちゃんがそんなことされてるの見るとちょっと不安になっちゃうんだよねー。」
甘奈さんの言うことは理にかなっているように思えた。姉妹だからこそ、というものだろうか。
「だから、気にする必要ないよ!ちゃんと見てれば分かると思うし。」
「そうなんですか……?」
「でも確かににちかちゃん、プロデューサーさんとよく一緒にいるからねー。気づいたら2人きりで話してるのも結構見るかも!」
「そうなんですね~……」
それでもなお歯切れの悪い返しをする私を見かねてか、甘奈さんが提言する。
「……はづきさん、もしかして気になる?」
「え?あ、いえ~……」
「甘奈が見てきてあげよっか?」
***
かくして、再び私はドアの隙間から中を窺うことになる。今度はプロデューサーさんとにちかに加え、甘奈さんも入れた3人だ。
まず何事もなかったかのように、甘奈さんが部屋に入っていく。声だけでも中の様子は少しだけ把握できる。
「おつかれさま!プロデューサーさん!にちかちゃんもおつかれー!」
「おう、お疲れ甘奈。」
「あ、お疲れ様ですー!」
「2人で何してたのー?」
「今後のレッスンの計画を立ててました!」
「へー!にちかちゃん真面目!」
「えへへ……みんな頑張ってるので、私も頑張らないと!」
(うーん……)
甘奈さんが来たことで、2人の空気はいつも通りのものに戻った気がする。つまり戻る「前」があったということであって……考えすぎか?
「ところでさ、プロデューサーさん」
「なんだ?」
「頭なでてよ。」
(お~、いきなり飛ばしますね、甘奈さん。)
そこで私はこそっとドアを開けて、中を覗き見た。
「いいぞー。甘奈も頑張ってるな。」
「えへへ~。」
プロデューサーさんが甘奈さんの頭をなでると、甘奈さんは照れたように微笑む。そして……
(え?)
次の瞬間、私は自分の目を疑った。だってそうだろう――甘奈さんがそのままプロデューサーさんにすり寄ったのだから。
(わわ……なんか、すごいことになってますよ~……!?)
私が見ているから特別なことをしたのだろうか。でも甘奈さん、入る前に「いつも通りにする」って言ってたはず……
(あれが、甘奈さんとプロデューサーさんの距離……!)
これを見るとむしろ甘奈さんと付き合っているようにすら見える。そしてにちかが――羨望の目こそ向けているが――何かを問いただすような様子もない。ということで、プロデューサーさんとにちかは付き合っていないということがはっきり証明された。
(なぁんだ、私の思い違いかぁ……)
***
後日、千雪に事の顛末を伝える。
「でしょう?甘奈ちゃんのべったり具合もすごいんだから。」
「……一応聞いておきたいんだけど、甘奈さんとプロデューサーさんって付き合ってないのよね……?」
「ええ、そういう関係じゃないわ。もしそうだったら私が許さないわよ。」
「……え」
千雪のその発言、その表情に、私は戦慄を覚える。
「うふふっ、プロデューサーさんも大変よね~。いろいろな子にべったりくっつかれて、ね。」
「……そ、そうだよね~。」
愛想笑いが精いっぱいだった。千雪は笑ってこそいるが、その奥にはただならぬ黒いものを感じる。
そこでふと思い出す。結華さんのあの狂気的な笑み、凛世さんの世紀末を見るかのような表情、そして今の千雪……これは……
(……今後一切、アイドルとプロデューサーさんの関係に突っ込むのはやめようかな~?)
私にとってただただ面倒なことになる気がして、そう心に決めたのだった。
Comments
- クロモコJune 23, 2025