「ほお
これ程の血を浴びてなお、意識を保つか」
鬼は、無表情ながらも、どこか興味深そうに呟く
その視線の先
倒れ伏した少年はただ、その鬼を睨み付けた
「興味が湧いた
貴様が、これ以上に耐えるのか」
鬼は無造作に手首を切り落とす
大量に溢れ出た血は、少年に降り注いだ
「っーー!!」
少年の身を、強制的に書き換える
それは、壮絶な苦痛を伴う
今まで血をわけてきた誰もが、もがき苦しんだ
それなのに、この少年は一度も、叫び声を上げることはなかった
少年が気を失ったのを見届け、鬼はその場を立ち去った
少年は、その血を嫌悪した
少年は、その血に既視感を覚えた
少年は、その血の源を知っていた
少年は、その血を受け入れた
「鬼舞辻無惨
鬼
鬼殺隊
青い、彼岸花」
知らない記憶が入り込む
鬼舞辻無惨の記憶
ただの人だった自分に出来ることは少ない
だが、英霊として培った経験の記憶がある
今は、鬼としての力があるせいか、英霊の時のように動けるようになってきている
そして
不安定だった魔術が、安定した
ならば、己のできることをしよう
私はやはり、人が、世界が好きだ
だから、元守護者として
この世界に生まれたものとして
精一杯、頑張ろう
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ただの、暇つぶしだった
気付いたら神になってて
ろくな神にならないだろうと、我ながら思った
神の仕事とか、よくわかんねぇから、適当にやって
適当に世界をぶらついた
そんななか、似ている奴に出会った
捻くれもので
嫌味ったらしくて
その癖して、面倒見がいい
たが、いろいろ裏目に出て
誤解されやすい奴
人の事に一生懸命で
自分の事は二の次どころかほっぽり投げてる様な奴
だから気まぐれに、血を分けてやった
不治の病にかかった子を、救いたいと言ったその男に
そうして
その男は、救おうとした子供に、殺された
子供は、鬼となった
己の血が、暴走した結果だ
だが、死ぬことを血は許さない
怪我をした肉体は直ぐ様再生した
鬼は、魔力を欲した
だが
この世界に魔力の概念はない
その結果、人食い鬼が出来た
それに対して少しばかりは思うところはあるが、別にどうでも良かった
ただ、つまらなかった
興味がわかなかった
自分に拮抗する者がいないこの世界に
気に入りを、簡単に排除する人間達に
それから暫く
といっても、人からすれば百年近く経ってから、ふと目を覚ました
見知った気配が、生まれ落ちたのを感じた
「ああ…
ようやくきたか」
笑みが浮かぶ
心から笑うのは、久しぶりな気がする
今までの様に人に紛れるのではなく
人として生まれよう
「楽しみだな、アーチャー」
コメント失礼します! とても素敵なお話をありがとうございます! とても面白かったです!