light
The Works "BLになる世界に飛ばされた赤い弓兵" includes tags such as "Fate(腐)", "槍弓" and more.
BLになる世界に飛ばされた赤い弓兵/Novel by める

BLになる世界に飛ばされた赤い弓兵

11,747 character(s)23 mins

BLになりたくない男のパロ

赤い弓兵が実験で飛ばされて青い槍兵が迎えに行く話

若干、凛桜要素あり

エロも書きたかったが私には無理だった……

最初はBLになりたくない男を赤い弓兵にしただけのギャグにする予定だったんだけどな
いつの間にか話がそれてったぞ…?

✝✝✝✝✝✝✝✝✝✝

「トレース・オン」

枯れ果てた大地の上で自身の剣を投影する

なんら変わりない
いつも愛用している夫婦剣

それに、魔力を通していく
剣自体にではなく
剣に刻まれた文字へと

それは、青い光を帯びて浮かび上がっていく

莫耶には私の誓いが
干将にはあの男の誓いが刻まれている

なぜ
ここに刻まれているのか
摩耗した記憶には残っていない

けれども
それが大切な誓いであることを
私は覚えている

あの男が誰だったのかすら、摩耗してしまった中で

「随分と遅くなった
もう、俺の事は忘れちまったか?

ーーだが、誓いは、覚えてくれてたんだな」

声が響いた
私は、その声を知っている

私の世界が
枯れた大地が塗り替えられていく

「アーチャー
エミヤ
愛してる
お前を嫁に、貰いに来た」

にっと笑った男が手を伸ばしてくる

私は既にその男の事を忘れている
だが
それでも

私の心は震えた

恐ろしさに
嬉しさに
愛おしさに

「たわけ
君の名も、思い出せんぞ」

来るのが遅いと怒れば、奴は笑う

「なら
はじめましてから、始めるか?」

言いながら、男は唇へ触れる

「ん、ふ…あ、ぅん、ちゅ」

流れてくる魔力は甘い
神性の高い魔力が、驚くほどこの身に馴染んでいくのがわかる
それと同時に流れてくるのは、記憶だ

それは、常に誰かの視点だった
この男だけではない

沢山の視点に
私が、私と彼が、映る

下げていた宝石が、熱を帯びていく
宝石から放たれていく魔力が私を包み
沢山の視点を補うように、"私"の気持ちが添えられていく

ああ
私はこんなにも、素晴らしい人々に巡り会えたのか

「ーーランサー
クー・フーリン
愛している」

空を纏うように美しい青を持つ男はニカリと笑って
私をすくい上げた

美しい常若の国での生活が始まる

そしてまたどこかに喚ばれ
相対して

そしてまた
君が待つ座に
君を待つための座に
帰るのだろう

それは
私なんかには勿体ない
とても幸福な世界

それでも
君に望まれるならば
私はそれに答えたい

引かれた手を、握り返した

1
white
horizontal


私の名は衛宮シエロ
衛宮家の長男だ
父は切嗣、母はアイリスフィール
姉にイリヤスフィール
弟に未じゅ……士郎がいる

とても
そう、とても理想的な家族だ


だが
私は知っている

この世界が、紛い物であることを


さて
自己紹介をやり直そう

私はエミヤ
クラスはアーチャーだ
そして
しがないアラヤの掃除屋でもある

そんな私がなぜ
こんな平和な世界にいるのか

はっきり言って全くわかっていない
私が覚えている記憶では、天文台で女史に実験体にされた事だ
……いや、冬木の地でうっかりなマスターの実験に付き合わされていたか……?

ーーどうやら、記憶に混同もみられているようだ
まったくもって厄介な……


まぁ、だが
この世界は聖杯戦争など存在しない穏やかな世界だ
休暇をとったとでも考え、ゆっくり解決策を探そう


と、言いたいところだが

この世界で
一つだけ、注意しなければならない事がある
それは

この世界が

BLの世界だと言う事だ


違和感はいくつもあった

イケメンの比率が異様に高い割に、顔の造りがあやふやな女性達

談笑中に、敵意むき出しで友人を連れ去る謎の美形

ヤりたい女子の話から、抱ける男の話に切り替わる猥談

BLの世界だと考えれば、不自然な現象にも説明がつく


「だが、私には関係ないな」

なぜなら、私はイケメンではない凡顔だ
それに、こんなガチムチの男を好きになる者がいる筈ない

イケメン達が主人公である世界において、私は雑草…いや、空気の様なものだ
焦点が当たることのないモブである

そう、高をくくっていた

「なぁ…お……
と、友達がさ
ずっと親友だと思っていた奴に告られたらしくて」

帰ってきてそうそう、士郎がそんなことを尋ねてきた

「ーーそうか
だが、恋というものに人種も、男も女も関係ないものだ
思った通りの言葉を、告げればいいのではないか

そして掘られてしまえ」

おっと、本音が出てしまったか…
だがまぁ、聞こえてないようなので良しとしよう

しかし、何ということか
この界隈、平凡といった属性はメインに据えられやすいらしい

別に尊くはない犠牲だったが…
おかげで危険性には気付けたわけなのだから、礼くらいは言っておこう
勿論、心の中でだけだが


この世界がBLの世界だと気付いた私は
一先ずBL本を読み漁った
とはいえ
BLも奥が深く幅広い
そのため、自分の環境に似た話をピックアップしていった

そこで更に私は衝撃を受けた

なんとこの業界
ガチムチ受けとやらがあるのだ………!!

それ以外にも死ネタとかもあるらしいが
そんなもの既に死んでいる私には関係ない
私が消えたとしても、元通りになるだけだろうしな

うんうんと一人頷き、私はPCの電源を切った




Comments

There is no comment yet
Potentially sensitive contents will not be featured in the list.
© pixiv
Popular illust tags
Popular novel tags