指揮者と演奏者の関係について
Xの話題を見て何か書こうと思ったのですが、長文になりそうだったのでXではなくnoteで書くことにしました。
私はリード職人、オーボエ奏者として活動してますが、プロオケに乗る、アマオケにトラとして乗る、アマオケに団員として(団費を払って)乗る、指揮者として指導する、指揮者として本番に臨む、いずれも経験してる身から述べさせていただきます。
まず奏者側。プロだろうとアマチュアだろうと、合奏という形態は他者との関わりがあったり、他者と一つのものを作るという以上、個人においては一定の責任及び義務が求められます。ではアマチュア奏者に求められる義務とは何かというと、「本番にちゃんとできている事」であると考えます。
(プロ奏者だとできているのが当たり前なので、「時間に椅子に座っている」が義務だったりします)
本番にちゃんとできてると、当然演奏は良いものになってるし、周りも喜んでもらえるし、何より自分が嬉しいはずです。趣味でやってる以上楽しんだ者勝ちです。
さてここで「本番にちゃんとできている事」には、時間系列と、あやふやな目標で構成されています。まず時間系列で示すのは「本番に」であり、毎週の合奏練習などは、極論言うとできなくていいです。ただ、できないと当然悔しいので、毎週悔しい時間を過ごします。人によっては、悔しいと思う事を放棄して座っているという人も見かけたりしますが、悔しさは練習へのモチベーションのために必要なので、悔しさを捨ててはいけません。
また、指揮者に「できてないぞ」と言われてしまうのであれば、「本番にはできてます」と言えばOKです。プロ奏者はできて当たり前なので、「今も当然できる」と考えがちですが、アマチュア奏者は「本番までにできる見通しがある」で個人的には十分だと思います。
ただし繰り返しますが、普段の合奏練習でもすでにできてると楽しいです。
次に「ちゃんとできている」の部分ですが、これは各々が自身のメンタルを犠牲にしない範囲で決めるべきです。プロ並みにできないからといって、過度に自分にプレッシャーをかける必要は当然ありません。所属している団体のレベルや、本番までの練習期間、個人で確保できる練習時間、全てを考慮に入れたうえで、ここまでできたら誰も文句言わないだろう、もし文句言うやつがいたらそいつがおかしい、と言えるくらいで十分です。
ただしそれができた上で、「でもね本当はもっとこうしたいんだよね」というのもちゃんと持ち続けるのも、楽器奏者といういち芸術家である以上必要でしょう。
自身を振り返って、「本番にちゃんとできている」なんて言えない。でも練習時間も忙しくて確保できない。という方は多いと思います。なかなか難しいかもしれませんが、とにかく楽器は時間を確保して練習しないと上手くなりません。このような方はまず、時間をどうやって確保するかを計画してください。特に勘違いしやすいのが、合奏練習というのは休んでる時間も多く、個人の練習時間にはなりえないということです。自分で時間を作り、課題を設定し、練習方法を考え、反復する以外の練習は、厳しいですがありません。
次に指揮者側ですが、「そこできてないよ」「それなんとかならない?」という発言をする指揮者、いますね。指揮者の発言は基本的に、言うと良くなること以外言わないのが無難です。そういう事を言って本当に良くなると思っている、そもそもその指揮者の感性がおかしい、逆にたまたまその奏者はそう言うと良くなる人だった…など考えられる可能性は多々ありますが、恐らくは、音楽に対する姿勢の乖離を感じるとそういう事を言ってしまう可能性はあるかと思います。奏者側が適当すぎる、指揮者側が真剣すぎる。逆もしかりでそういうのは不幸しか呼びません。
アマチュア団体の指揮は非常に難しいです。スコアを隅から隅まで読んで、こういう風にやろうというのを決めても、実際は反応が鈍かったり、ピアノに全然ならなかったり、一番いい所で毎回間違える人がいたり。
ただ奏者も人間なので、凄い考えて一生懸命やっています。
私は個人的に、アマチュア団体の指揮者の最も必要な仕事は、良い演奏や自分のしたい演奏は何かを具体的に示すことと、合奏の難しさを取ってあげることかと思っています。音を外してしまうという表面的なものも、個人練習ではできているけど合奏では上手くいかないという場合、これをやらなくていいからとスパっといえる指揮者は、間違いなく良い指揮者です。学生時代、ある指揮者が「そうムキにやりなさんな」の一言で素晴らしいものに変わったという経験があります。
多くのアマチュアでは、奏者より指揮者側が音楽に詳しい場合が多く、教えるとか、指導するという構図になっています。そのような場では、お互いの置かれてる立場を如何に理解しようとして歩み寄れるかが、自分の理想の音楽より優先されるべきかと思います。お客さんや音楽仲間に演奏会に来てもらって、演奏や指揮良かったと言ってもらうより、団員からまた次もお願いしたいと思ってもらう事の方が、アマチュア団体を振るという仕事で個人的に何より嬉しいと感じます。団員にそう思ってもらいつつ、自分のやりたい音楽ができるのが、理想的な指揮者像です。
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