主菜「唐揚げ1個」給食からの汚名返上 福岡市が全小学校にスチコン導入し、メニュー充実
福岡市が令和8年度当初予算案に、多様なメニューの提供に役立つ業務用多機能加熱調理器「スチームコンベクションオーブン」(スチコン)の導入費を盛り込んだ。昨年、小学校で提供された主菜が鶏の唐揚げ1個の給食が「少なすぎる」と批判されたことも踏まえ、設備の充実でメニュー改善を図る。スチコンはレストランでも活用され、北九州市や大阪市なども給食調理に採用。よりよい給食の提供は自治体の重要なテーマで、各地で模索が続いている。 【写真】スチームコンベクションオーブンで調理したサバの塩焼きとハンバーグ ■調理の負担軽減 スチコンは、スチーム(蒸気)とコンベクション(熱風)を組み合わせて調理し、1台で焼く、蒸す、煮る、炒めるなど数種類の加熱調理を行うことができる。レストランやホテルなど大量調理を行う厨房(ちゅうぼう)でも採用され、料理の質向上と業務効率化に寄与している。 福岡市教育委員会によると、給食室では何百人もの給食を一度に調理するため、大釜で煮たり、ゆでたりする料理が中心。一方、スチコンは調理方法の設定で調理を機器に任せることができ、調理員の負担軽減や調理室の暑さ対策にもなるという。 市は小学校全146校の調理室に今後3年間でスチコンを整備する予定で、献立の幅を広げ、おかずの数を増やすことを計画。シャキシャキした食感のサラダ作りや衛生管理にも役立つ真空冷却機の導入も含め、8年度当初予算案で2億9千万円を計上した。高機能な調理器の配備で給食の質を上げる。 市は昨年、料理研究家らによるプロジェクトを立ち上げ、メニューの改善を議論。彩りの改善や増量の工夫などさまざまな意見が出た。交流サイト(SNS)で唐揚げ1個のメニューが批判されたこともあり、保護者の関心は高く、小2の男児の母親(45)は「調理の幅が広がると、子供たちの味覚にもいい影響がありそう」と期待を寄せる。 高島宗一郎市長は記者会見で「市教委からの要望に100%予算面で応援する。給食は栄養を取るだけではなく、食育の観点からも重要。子供たちにとって給食が楽しい時間になってくれたらいいと思う」と述べた。 ■多様なメニュー