light
The Works "にちかと互いのことを意識する話" includes tags such as "アイドルマスターシャイニーカラーズ", "シャニマス" and more.
にちかと互いのことを意識する話/Novel by あとかた

にちかと互いのことを意識する話

2,553 character(s)5 mins

57作目です。
前回のお話→novel/26799345

今年もよろしくお願いします!

お題箱→https://odaibako.net/u/atokata
twitter→https://x.com/Atokata_BtO
fanbox→https://baka-to-otaku.fanbox.cc/

1
white
horizontal


『って、なんでやねーん!』

にちか「......あははっ」

P「......」

事務所のテレビ、お笑い番組が流れていた。
ちら、と映っている映像を見ると、よくバラエティでにちかが共演している芸人さんが出演していた。

P「今映ってた芸人さん、よく共演してる方だよな」

にちか「ですねー。めっっっちゃ面白いネタやったから絶対見てくれ!って言われましたけど、ちょっとハードル上げ過ぎたんじゃないかなって感じのネタでしたねー」

P「はは......辛口だな。でも、笑ってたってことは面白かったってことだろ?」

にちか「......面白くはありましたけど、良くも悪くもいつも通りって感じで───あ、終わっちゃった」

スタッフロールの後、CMが流れ出す。
話題も無くなりにちかもスマホを触り始めたため、俺もデスクワークに意識を戻すとテレビの音だけが部屋に流れ出した。

『ズバリ!結婚相手やパートナーに求めるものとは!?』

にちか「......」

P「......」

意識が少しだけテレビに向く。

『そうですねー。やっぱり、優しくないとダメですよねー。厳しくてもそれって結局、あたしのこと思ってくれてるんだったらまあいいかなぁって』

にちか「......」

P「......」

最近、何か優しくしてあげられただろうか。
少し記憶を遡るが、これといって具体的な出来事を思い出せない。

『やっぱり、気が利く人って尊敬しますよね。オレはあんまり気が回るタイプじゃないんで、そういう女の子はめっちゃいいなって思います』

にちか「......プロデューサーさん」

P「ん、どうした?にちか」

にちか「喉とか、乾いてないですか。よかったら何か淹れますけど」

P「ありがとう。コーヒーをお願いでき......いや、やっぱり一緒に準備しようか」

にちか「っ......はい」

まさか、テレビを見てじゃないよな......?
怒らせてしまうかもと考えると追及できず、なぜかにちかも無言のままにちかは俺の、俺はにちかの飲み物をそれぞれ用意し始めた。
にちかの飲んでいる銘柄は良く把握している。それと砂糖は一杯、ミルクは無し。
にちかはひとくち口をつけると、何もリアクションを見せなかった。何か間違っていただろうか......?

にちか「......飲まないんです?」

P「あ、ああ。いただくよ」

言われるがままにコーヒーに口をつける。
......うん、いつも飲んでいる味だ。

P「美味しいよ。にちかはコーヒーを淹れるのが上手いな」

にちか「インスタントに上手いも下手も無いと思いますけど......」

P「いやいや、そんなこと────あっ」

それぞれカップを持って移動していると、歩いている時の揺れで俺のコーヒーがほんの少しだけ零れた。
幸い、カーペットの上じゃなくフローリングの上だったことに安堵していると、にちかがカップを置いて駆け寄ってきた。

にちか「あーもー、早く拭かないとシミになっちゃうじゃないで────」

『すぐ怒る女の子とかはちょっと勘弁かなって思いますねー。怒ることはもちろんあると思いますけど、一方的に文句をぐちぐち言われたりしたら流石にきついし、一緒に解決策を探して欲しいっていうか────』

にちかが黙りこくってしまった。
零れたコーヒーをティッシュでさっと拭き取りゴミを片づけると、ソファに着席する。

P「(絶対テレビの影響だ......!)」

P「すまんにちか、ありがとう。......でも、別に無理しなくていいんだぞ?」

にちか「無理とかじゃないです。いつも通りなんで......!」

にちかはテレビに目線を向けたまま、むすっとした声色で答える。

P「そんな人のことなんて真似しなくても、俺はにちかの良いところはたくさん知ってるよ」

にちか「......お気遣い、どうもです」

依然としてテレビに目線は向けたままだが、少し照れがあるのか声が小さい。
......さすがにキザすぎたかな。

もう何度目か分からない沈黙が訪れる。
テレビの音に加えて、時々カップを置く音が増えた。相変わらずテレビのチャンネルは変わっていない。
俺はというと、なんだか少しだけテレビの内容が気になってしまい、目線こそ目の前のデスクに向けられているが、耳はテレビから聞こえる音を漏らさず拾っていた。

『んー、やっぱ誠実さとか?誠実な人ってかっこいいなーって思います!』

にちか「......」

P「......」

『家庭的な女性ってやっぱり憧れだと思います。美味しい料理が作れる人と一緒に休日は料理とかしたいですもん』

にちか「......」

P「......」

『清潔感!これ、意外とみんな言わないんですけど、最低条件ですから!!クサイとかキタナイとか、ありえないんで!』

にちか「......」

P「......」

『やっぱ、一緒にいて無言でも居られるのが一番じゃないっすか?そこに居るだけで安心するっていうか居心地がいいっていうか、近くに居ても苦にならないのは愛を感じるっすよねー』

口に含んでいたコーヒーが器官に入りそうになる。
咳をしながら思わず立ち上がると、にちかも同じ状況になっていてテレビの音をかき消すように咳をしていた。

P「げほっ、げほっ......に、にちか。チャンネル変えよう!理由は言えないけど、仕事が手に着かない!」

にちか「けほっ、けほっ......そ、そうですね!そもそも結婚相手とかパートナーとか、訳わかんないし......!!」

チャンネルを変えると無事、世界の動物特集が流れ出し二人とも安堵の息を漏らした。
特段何かしたわけでもないのに、なぜかどっと疲れたような気がする。
一息ついて天を見上げていると、にちかがこちらを向いて口を開いた。

にちか「もしかして、プロデューサーさんも意識しちゃってたんじゃないですかー?結婚相手とか、パートナーとか!!」

P「い、いや......」

にちか「も、もごもご言ってないでなんか言ってくださいよ!あーもー、調子くるうなぁー......!」

Comments

  • クロモコ
    Jan 5th
Potentially sensitive contents will not be featured in the list.
Popular illust tags
Popular novel tags