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アイドル+αとクリスマスの話/Novel by あとかた

アイドル+αとクリスマスの話

16,319 character(s)32 mins

56作目です。
前回のお話→novel/26675278

今年もありがとうございました。今年の更新はこれで以上になります。
初期組前半2ユニット+追加組前半2ユニットで各個人1000文字程度でクリスマス周りのお話を書かせてもらいました。
残りの4ユニットはまた別のテーマで書けたらなと思います。
実はもう一つのシリーズの方で今年最後と言ったので最後のつもりでしたが、クリスマスで一本書かない訳にはいかないだろうということで何とか書き上げました。今回のお話も今までにはない書き方をしているので、楽しんでいただけたら幸いです。

お題箱→https://odaibako.net/u/atokata
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P「うーん......今年のクリスマスは事務所みんなで集まるのは難しそうだな......」

予定表の書かれたホワイトボードを見ながらプロデューサーが独り言ちる。
283事務所は抱えるアイドルも増え、知名度も着実に上がってきた。それはもちろん嬉しいことなのだが、反面昔のようにみんなが集まることは中々難しくなってしまったのが少し悲しいところでもある。

P「それに、今年のクリスマスは平日真っ只中だし────またいつか、集まれるといいな」


櫻木真乃の場合

真乃「あの、プロデューサーさんっ」

デスクで業務をこなしていると、いつの間にか横に来ていた真乃に声を掛けられる。
真乃の方を見ると手を前で組んでもじもじとしている様子がまるで小動物のようだった。

真乃「お仕事中すみません。今、少しお時間いいですか......?」

申し訳なさそうに言う真乃に笑顔で返事をする。

P「ああ、もちろん。どうしたんだ?」

真乃「その、クリスマスって......」

P「クリスマス?ああ、真乃はイルミネで出てもらうお昼のラジオの後は特に何も入って無いよ」

本来なら前日に収録だったのだが、先方の都合でずれ込んでしまったんだよな......。
ただこの日はイルミネ全員揃ってるし、終わった後はクリスマスを満喫してもらえるぞ......!

真乃「ほわっ。あ、あの、プロデューサーさんのご予定は......」

イルミネでどこか連れていきたいところがあったのかな。生憎、今年の俺のクリスマス朝から晩まで仕事だ。

P「俺か?ははっ、俺は夜まで仕事だよ。平日だしな」

真乃「そう、ですか......」

誰が見てもわかるほどにしょんぼりとしてしまった真乃。
ここは俺から代案を出すしかない......!

P「────クリスマス当日とはいかないけどさ、イルミネーションでも見に行かないか?今年は駅前のイルミネーションがすごいらしいぞ!」

真乃「ほわぁ......は、はいっ。行きたいです......!」

P「ははっ、じゃあ約束だ。真乃も忘れないでくれよ?」

真乃「ふふっ、プロデューサーさんも忘れちゃダメですよ?」

真乃が小指を差し出してきた。

P「真乃、これは......」

真乃「や、約束なので......」

P「──ははっ、約束だ」

真乃「ふふっ、じゃあいきますねっ。ゆーびきーりげーんまーん────」


風野灯織の場合

P『うん、そうなんだ。先方の都合でズレちゃってさ、灯織の予定が空いてるか聞きたくて』

クリスマスの夜に放送予定だった収録のラジオ。
本来なら前日に収録だったのだが、先方の都合で当日にずれ込んでしまうことになった。
そのため、イルミネ三人に予定が空いてるか電話で確認していた。

灯織『わかりました。私もその日は大丈夫です』

P『ごめんな、クリスマス当日も仕事になっちゃって。それより前にずらせないかも打診したんだけど、それも難しいみたいでさ......』

灯織『もう、どうしてプロデューサーが謝るんですか。先方の都合ですし仕方のないことですから』

電話越しでもわかる優しい声色で同情してくれる。
だが、二つ返事でOKを出してくれた灯織のためにも、俺から何もしないわけにはいかない。

P『そういって助かるよ。でも、やっぱり俺からも何か埋め合わせさせてくれ』

灯織『ふふっ、じゃあ私から一つお願いを聞いてもらってもいいですか?』

P『一つと言わず二つでも三つでも言ってくれていいんだぞ?。俺に叶えられることならなんでもするからさ』

灯織『プロデューサー、普段の私ってそんなに強欲に見えているんですか?』

一瞬の硬直の後、灯織の声が少し怒った声色に変わる。

P『ああいや、違うんだ......!気を悪くしたならすまん......!』

灯織『ふふっ、冗談ですよ』

P『おどかさないでくれ......。ところで、お願いってなんだ?』

灯織『クリスマスの日......なんですけど、朝は事務所に居ますよね?』

朝がどこまでを指すのか分からないが、午前中に送迎や打ち合わせの話は無い。

P『ああ、事務所に居ると思うけど......』

灯織『私とプロデューサーでプレゼントを贈りあう......というのはどうでしょう。事前に予算を決めておいて、私が朝事務所に行くので』

P『ああ、もちろんいいぞ!』

俺に少しでもクリスマスらしいことをさせてあげようっていう、灯織なりの気遣いだよな。
これは絶対灯織が喜んでくれるプレゼントを選ばないと......!

灯織「(よし。日ごろの恩返しも兼ねてなんだから、絶対喜んでもらえるものを選ばないと......!)」


八宮めぐるの場合

今日は12月24日。
作ってもらっていたにちかのお弁当を食べていたところに、めぐるが元気に飛び込んできた。

めぐる「プーロデューサー!」

P「おう、どうした?」

めぐる「今日は何の日でしょぉーか!」

今日はえらい上機嫌だな。まあ、年に一度のイベントだし気持ちは分からなくもない。
もちろん覚えているけど、ここはめぐるの茶番に乗ってあげよう。

P「そうだな......12月24日......うーん、何の日だったかなぁ?」

めぐる「えへへ、何と今日は~......!クリスマス!イブ!だよーっ!!」

両手をあげて喜びを表現するめぐるにつられて笑みがこぼれる。
何か楽しい予定があるのか......いや、予定の有無に関係無くめぐるなら楽しそうにしてるか。

P「冗談だ、もちろん覚えてるよ。ごめんな、明日急に仕事の予定いれちゃって」

めぐる「ううん!お仕事は楽しいし、クリスマスにイルミネみんなで集まれるから全然嫌じゃないよ!!」

P「そう言ってくれて助かるよ。ところで、明日の収録の後はイルミネでどこか出掛けたりするのか?」

めぐる「うん!クリスマスのイベントをやってるお店があってイルミネで行こうって言ってたんだけど、よかったらプロデューサーも一緒に行く?」

P「ははっ、誘いは嬉しいけど残念ながら夜まで仕事だからさ。三人で楽しんできてくれ」

めぐる「そっかー......あ!ちょっと待ってて!」

肩を落としていためぐるが、何を思いついたのか部屋を飛び出していく。
すぐに戻って来たかと思えば、ソファの上に置いていたバッグの中から両手いっぱいのお菓子をこちらに持ってきた。
口に白い付け髭をこさえて。

P「めぐる......それはサンタさんか?」

めぐる「ふぉっふぉっふぉ......クリスマスもお仕事を頑張っているプロデューサーには、めぐるサンタから一日早いクリスマスプレゼントじゃ......!っというわけで、おかしの詰め合わせをどーぞ!!」

P「ははっ、ありがとうな。めぐるサンタのおかげで頑張れそうだよ」

めぐる「えへへっ、どういたしまして!!」


月岡恋鐘の場合

恋鐘「そいやったら、クリスマスパーティーは無理そうやね~......」

毎年、寮ではクリスマスパーティーが行われている。
恋鐘を筆頭に昼から準備をしていて夜には寮以外のメンバーも集まる結構な規模のものだ。
俺も毎年どうにか参加していたのだが、今年は参加が難しそうな旨を伝えると恋鐘はしょんぼりとしてしまった。

P「残念だけど、俺の分まで楽しんでくれ」

恋鐘「たくさん写真ばとっとくけん、楽しみにしとって!......夜、プロデューサーは事務所におるとよね?」

P「え?ああ、そうだな。10時くらいだったら事務所に居ると思うけど......」

そのくらいには帰ってきているはずだ。
ただ、10時くらいに事務所に戻ってきたとして、そのくらいにはパーティーは解散しているだろう。

恋鐘「わかったばい!」

P「こ、恋鐘?」

恋鐘「んふふ~♪プロデューサーは頑張ってくれとるけん、たっくさんプレゼントを用意しとかんとね~!」

────

クリスマス当日。時刻は10時ちょうど。
年末年始のイベントの打ち合わせを終えて帰ってきていた。

P「恋鐘たちはクリスマスパーティーを楽しめたかな......」

事務所の電気を点けて、ジャケットを椅子に掛ける。
コーヒーでも淹れようかとしていると、玄関が開く音がした。

恋鐘「プロデューサ~!おる~!?」

P「恋鐘か?どうしたんだ」

恋鐘「んふふ~♪いつも頑張ってくれとるプロデューサーにサンタさんからのプレゼントばい!」

恋鐘はオードブル皿を両手で抱えており、中には大量のおかずが盛り付けられているのが見えた。

P「おお、すごいな......!」

恋鐘「そやろ~?寮のみんなで作ったけん、プロデューサーにも食べて欲しくて持ってきたとよ~!」

どうやら、クリスマスパーティーの片づけは寮のみんなでしてくれているようで、恋鐘が代表として料理を持ってきてくれていたようだ。
香ばしい匂いにお腹が鳴る。そういえばまだ夜を食べていなかった。取り皿と飲み物を準備してソファに座る。

P「はは、じゃあ早速頂いていいか?」

恋鐘「うん!うちも一緒に食べてよか?」

P「ああ、もちろんだ。────いただきます」

恋鐘「んふふ~、たくさん食べて~!」

いくつか目についたおかずを取って、まずは唐揚げを口に頬張る。

P「──うん、美味しいよ......!油が疲れた体に染みるな......!」

恋鐘「唐揚げは樹里と凛世の担当やったけん、きっとよろこんどるばい!」

そうして、恋鐘たちが作ってくれた料理に舌鼓を打っていると、恋鐘がローストビーフを箸でつかんでこちらに持ってきた。

P「こ、恋鐘?」

恋鐘「ぷ、プロデューサー、あ、あ~ん......!」

P「────、うん。すごく美味しい」

恋鐘「!!えへへ、そやろ~!お腹が破裂するくらいいーっぱい食べていいけんね!」

P「ははっ。もちろん、全部残さず食べるぞ!」


白瀬咲耶の場合

P「お疲れ様、今日もバッチリだったぞ」

咲耶「ふふ、今日はあなたの目線を独り占めできていたかな?」

咲耶は年始から始まるドラマの番宣のため、バラエティ番組に出演していた。

P「ああ、ドラマの番宣もちゃんとできてたし、言うことなしだったよ」

咲耶「そうだね。みんなが楽しんでくれるといいのだけど......」

咲耶「ところでプロデューサー。話は変わるのだけれど、今年のクリスマスの予定は空いているかい?」

クリスマスという単語が咲耶の口から出てきて渋い顔になってしまう。

P「あー......寮のクリスマスパーティーだよな?ごめん、今年は行けそうにないんだ」

咲耶「おや、それは残念だね......」

見えないはずなのに、咲耶の頭にへたれた犬耳が見える。
どうしようもないことは本人も分かっているだろうけど、こうも残念がられると心が苦しい。

P「すまん......なんとか時間を作れないか探してみたんだが......」

咲耶「あなたのことだ。きっと私たちのために奔走してくれているのだろう?」

P「はは......俺がやりたくてやってるだけだからさ」

咲耶「ふふっ、全く。あなたがワーカーホリックにならないでくれることを願うばかりだよ」

P「うぐ、すまん......」

つい、歯切れの悪い返事をしてしまう。
ばつの悪そうな俺を見て、優しい笑みを浮かべた咲耶が口を開いた。

咲耶「プロデューサー、目を閉じてくれるかい?」

言われるがままに目を閉じる。
これは......何かサプライズだな?

咲耶「普段私たちのために身を粉にして働いているあなたに、私からのささやかなお礼さ。受け取ってくれるかい?」

P「ああ、それはもちろん嬉しいけど......どうして目を閉じてないといけないんだ?」

咲耶「おや、動いてはいけないよ。私もあまり強引なことはしたくないんだ。ほら、口も閉じて......」

な、なんだ!?俺は今から何をされるんだ!?
ただ、口を閉じろと命令された手前、口を開けることはできない。
そのまま待っていると、唇をなぞるような感触が襲ってきた。
思わずのけ反ってしまい、倒れそうになるところを咲耶が支えてくれる。咲耶の手を背中に感じながら、なんとか姿勢を戻すが、蛇に睨まれた蛙のごとく固まってしまう。そのまま数秒経過して、口から謎の感触が離れた。

咲耶「──もう目を開けて構わないよ」

P「さ、咲耶。今のって......」

おそらくリップクリームだ。
俺を驚かせようと思ったのだろうけど、塗られてすぐ気がついたからあまり焦りを表に出さずにすんで良かった。

咲耶「最近、あなたの唇が乾燥しているのが気になってね。私からのクリスマスプレゼントだよ」

咲耶の手には想像とは違い、背の低い円柱の容器が乗っていた。

P「あれ、てっきりリップクリームかと思ったんだけど......」

咲耶「ふふ、これはリップバームと言ってね。用途は同じなのだけれど、塗り方が少し違うんだ」

塗り方って言ったって、それの塗り方なんて────。


三峰結華の場合

P「(結華へのクリスマスプレゼント......何にしようか......)」

今日は12月23日。
結華へのクリスマスプレゼントを探しに、近くのショッピングモールに来ていた。

P「(どういったものなら喜んでくれるだろう......。毎年直面しているが、年頃の女の子へのプレゼントって中々......)」

結華「......おや?あれって......」

P「(やっぱり消耗品が良いかな。コスメ系は例外として......いや、普段使いできるものだったら残るものでも......)」

結華「何か悩んでる......?」

P「(結華って動物の中で猫が一番好きなんだっけ。あれ、そんなこと言ってたか......?いやでも、今更聞くと露骨すぎるし......)」

かれこれ、雑貨店を巡り一時間弱が経過しようとしていた。
ただもうあまり時間が無い。明日明後日はこうして選ぶ時間はほとんどないだろうし、今日中に決めないと......!

結華「わっ!」

P「うわぁっ!」

突然背後から声を掛けられて、おもわずその場から飛びのく。
どうやら声の主は結華だったようで、驚く俺を見て笑っている。

結華「あはは、お疲れ様です!Pたんここで何してるの?」

P「え?えーと......」

マズイ。別にサプライズという訳でもないが、馬鹿正直に言ってしまうと少し恥ずかしい。
ただここで上手い誤魔化し方も思いつかないし......黙っているのも余計に怪しい......!

結華「(んー......?何か隠したがってる様子......ここは雑貨店で、手に持ってるのは猫のキーケース......)」

P「(結華、どこを見て......!)あ、ああいや、これは、その、自分用にだな......!」

結華「Pたん、この前キーケース新調したって言ってなかっけ?」

P「ギクッ!え、えーと......」

結華「ははーん、もしかして誰かへのプレゼントかな?」

結華「(猫......事務所で猫と言えば......まみみん?とおるん?後は......)」

P「はは、バレてたか......」

結華「いや、Pたんの隠し方が下手すぎるんだってば。ねね、よかったら三峰がお手伝いしましょうか?」

P「え?」

結華「だって、年頃の女の子へのプレゼントだよ?アドバイスくらいなら三峰にもできるんじゃないかなーと思いまして!」

P「そ、そうか?」

確かにサプライズで失敗するよりはいいけど......。

結華「もち!この三峰にお任せあれ!まずは────」

それからあーだこーだと意見を交換し、さらに一時間が経過していた。
結局、プレゼントに決めたのは結華と出会った雑貨店だった。

結華「決まって良かったねPたん!」

P「そうだな。......よかったのか?本当に俺と決めて」

結華「どゆこと?」

P「いや、だってこれ、結華へのプレゼントだったんだけど......」

結華「へ?」

そこまで言って、今日感じていた小さな違和感の点と点が繋がる。
も、もしかして────!!


田中摩美々の場合

摩美々「ぷろでゅーさぁー」

ソファで横になっている摩美々が話しかけてくる。

P「どうした?」

摩美々「そこのブランケット取ってくれませんー?」

P「ああ────どうぞ」

摩美々「ありがとうございますー。......そういえばぁ」

P「うん?」

摩美々「今年のクリスマスってー、何か予定入ってたりするんですかー?」

P「クリスマス?ああ、摩美々は今年も寮のクリスマスパーティーに参加するのか?」

摩美々は寮に住んでいるわけではないのだが、毎年クリスマスパーティーには参加している。
思えば、事務所に居ないときは結構寮に居ることも多いな......。
この前も冷蔵庫の寮組のみんなと話してる時に冷蔵庫の中身を把握してるっぽい感じだったし。

摩美々「まあ、今年も恋鐘に呼ばれたんで仕方なくー」

と言いつつも、毎年参加しているあたりまんざらでもないのだろう。

摩美々「で、プロデューサーはどうするんですー?」

P「誘ってくれたところ悪いんだけど今年の参加は難しいんだ。急な仕事でさ」

摩美々「そうですかー、残念ですねー」

間延びした声で残念がっているが、その実どう思っているのかは読みづらい。
どうやら本当に聞いてみただけだったようで、そこで会話は終わってしまった。

クリスマス当日。
事務所の鍵を開けて、部屋の喚起のために窓を開ける。
からっ風に身を縮こませながら淹れたコーヒーを飲みながら、デスクに向かう。

P「ん、なんだこれ」

デスクの上に違和感を見つけた。
水性のマジックで書かれた『引き出しあけるべからず』。誰がどう見ても落書きだった。
そして、こんなことをするのは一人しかいない。

P「摩美々だな......!」

それにしても、開けるべからずというのはどういうことだろう。
中に何か入っているのだろうか......でも、開けない訳にもいかない。

P「南無三っ......!」

勢いよく引き出しを開けると、中から何か飛び出してくるわけでもなく一つのラッピングされた箱が入っていた。

P「ははっ、摩美々......────!」


幽谷霧子の場合

クリスマス当日の早朝。事務所に一人で仕事をしていると玄関が開く音がした。
誰が来たのかと扉の方を注視していると、霧子が扉を開けて入ってきた。

霧子「プロデューサーさん......おはよう......ございます......♪」

P「おはよう、霧子」

霧子は冬休みに入ってから、毎日早朝に事務所に来ている。
というのももちろん暇だからというわけではなく、毎日の日課として窓辺の花たちの様子を見るのが目的だった。
霧子がコートを掛けて窓際の花たちに近づいていく。花たちに話しかけている霧子につられて傍に寄っていく。

霧子「......」

P「霧子、どうだ?」

霧子「良くなって......きたみたい......です」

P「そうか......!」

霧子の目的とは、事務所に置いている花の冬越えについてだ。
室内といえど多くの花には冬という季節は厳しい。それは、ここにある花たちにも当てはまっていた。

霧子「ゼラニウムさんも......うれしそう......」

他の花は多年草といって何年も生きる花らしいのだが、このゼラニウムだけは中々難しいようで、前までは葉の色に黄色がかかってきていた。そのため剪定したり対処が必要だったが、今では霧子の言う通り少し元気を取り戻したようだ。

霧子「このまま株が凍らなかったら......越えれるかも......」

P「ははっ、俺もできるだけ手伝うよ。後は......応援だな......!」

霧子「はい......!ゼラニウムさん......頑張れー......!」

P「頑張れー......!」

なんて、ゼラニウムを応援していると窓の外に霧子の視線が向く。
霧子につられて窓の外に目を向けると、雪が降ってきていた。

霧子「わ......雪......」

P「予報では降るって言ってなかったんだけど......」

霧子「ふふ......もしかして......ゼラニウムさんを応援してるのかも......」

P「そうだな!きっと、ゼラニウムさんも喜んでると思うぞ......!」


芹沢あさひの場合

あさひ「今年こそサンタさんを捕まえるっす!」

そう数日前から意気込むあさひには、何か作戦があるようだった。

P「ははっ、何か作戦があるんだな?」

あさひ「はいっす!あ、でもプロデューサーさんにも作戦の内容は教えられないっす」

いつもなら嬉々として作戦を話してくれるのだが、どうしてか今日は話してくれないみたいだ。

P「そうなのか?」

あさひ「この前、冬優子ちゃんと愛依ちゃんに教えてもらったんすよ。サンタさんって良い子のところにしか来ないらしいっす」

確かに、通説ではサンタはいい子のところにしか来ないとされている。
本来は親が子に悪さをしないようにというものだが、おそらく冬優子の知恵だろう。

あさひ「それ聞いて気付いたんすよ!多分、サンタさんって近くで見てるんだって!」

P「なるほど」

あさひ「だって、そうでもしないと良い子かどうかって判断できないっすよね?」

P「確かに、だからここで作戦を話しちゃうとサンタさんに聞かれちゃうかもってことか」

あさひ「そうっす。事務所の中は確認したっすけど、どこから聞いてるかわかんないからプロデューサーさんにも作戦は話せないんすよ」

P「ははっ。でも、危ない作戦はだめだからな?」

あさひ「冬優子ちゃんにも言われたっす。大丈夫っすよ、勝負は一瞬っす」

勝負は一瞬......一体何をするのか気になるところだが、作戦を話してくれない以上あさひを信じるしか無さそうだ。
それにしても、俺より冬優子の方が相当心配してそうだが、こうなった時のあさひは何がなんでも口を割らない。

P「じゃあ、勝負は明後日だな。もしサンタさんを捕まえたら教えてくれ」

あさひ「はいっす!サンタさんにはすごい隠れ方を教えてもらうっすよ!」


黛冬優子の場合

冬優子「ねぇ」

撮影終わりの帰り、送迎中の車の中で冬優子が声を掛けてきた。

P「なんだ?」

冬優子「あんた、クリスマスは予定あんの?」

P「......いや、今年のクリスマスは仕事だよ」

冬優子「......あら、あんたの予定は把握してたはずだけど」

P「急な仕事でさ。イルミネのスケジュールがズレてクリスマスになったんだ」

何か冬優子の口から怖いことが聞こえたが、触れてはいけない気がする。
もしかして、俺が適当なことを言って無いか判断するために......?

冬優子「あらそう。......ズレたのはクリスマスに放送予定のラジオ?」

いや、これは単純に同じ事務所のアイドルのスケジュールを把握してるだけだな。
相変わらず冬優子のこういうところに感心するな......。

P「よく覚えてるな......。その通りだよ」

冬優子「じゃあしょうが無いわね。次の日は?」

P「次の日っていうと......12月26日か?特に予定は無いけど......」

冬優子「じゃあその日で決定ね。夜開けておいて」

P「え、ええと......?」

冬優子「空いてるんでしょ?......それとも、何か不満でもあるの?」

P「い、いや、わかった。開けておくよ」

────

12月26日。予定通り夜に冬優子と落ち合い、どこに行くかもわからず冬優子に連れられていた。

冬優子「もう年越し気分ね~。昨日までクリスマスだったっていうのに」

P「しょうがないさ。この時期はイベントが詰まってるからな」

冬優子「でも、イルミネーションは片づけてないじゃない?確かに綺麗だけど、こういうところは考えさせられるわよねー......」

P「ははっ......それで、今日は何か用事があったんじゃないか?」

そういうのも、連れられてかれこれ三十分弱が経過していたからだ。
待ち合わせの場所にわざわざ遠い場所を選ぶ理由も無いし、何か話しづらいことじゃないかとすら考えていた。

冬優子「何もないわよ?」

P「え?」

冬優子「あら、何も無かったら呼んじゃダメだった?」

P「いや、そんなことは無いけど......」

駄目と言うことは無いが、珍しいとは思った。
あまり無駄なことは好まないはずの冬優子だが、どこか挑発するようなその表情からはこの状況を楽しんでいるようにも見える。

冬優子「なーんて、はい。プレゼント」

P「って、え?」

冬優子「あはは!何よその間抜けな顔......!」

P「いや、さっき用事なんて何もないって......」

冬優子「そんなの、嘘に決まってるでしょ。ま、あながち嘘って訳でも無いけど」

P「ん......!?それって、結局どっちなんだ......?」

冬優子「さあ?どっちでしょうね」


和泉愛依の場合

愛依「え、プロデューサークリスマスも仕事なん!?」

愛依が声と表情と仕草で驚きを表現する。
確かに、学生のころはクリスマスとかイベントごとって中々印象深かったな。特にこの年末辺りは学校も休みだったし......。

P「ははっ、今年のクリスマスは平日だしな。関係無く仕事だぞ」

愛依「あぇ~......大人って大変そ~」

P「確かに、学生の頃も大変なことが多かったけど、また別の大変さがあるかもな」

愛依「ひ~!確かに冬優子ちゃんも毎日大変そうだもんね~」

P「冬優子はそうだな......。ちょうど両方の大変さも感じてる時期かもしれないな」

愛依「うちも後1、2年で冬優子ちゃんみたいになれるかなぁ~?」

P「そう心配しなくても大丈夫だよ。意外と慣れるし......それに、愛依なら大丈夫だよ」

愛依「アハハ、プロデューサー適当に言ってるでしょ~!」

そんなことは無い。
これまで様々な困難を乗り越えてきた愛依なら、これから迫りくる困難にだって立ち向かえると思ってるが、口に出して言うとさすがにキザ過ぎるか......。

P「いやいや、本心から大丈夫だって思ってるよ」

愛依「いや~、でもプロデューサーに言われるとマジでなんとかなるかもって思っちゃうわ~!──あ、そだ!」

P「ん、どうした?」

愛依「プロデューサーにあげたいものあったんだよね~。ちょいまち~」

そして愛依は自分のバッグを漁り出し、何かを取り出した。

愛依「はいこれ、プロデューサーにクリスマスプレゼント!」

P「これは......ハンドクリームか」

愛依「そ!最近乾燥マジヤバいかんね......!だからプロデューサーも、保湿しないとダメだよ~?」

確かに、事務所の湿度にもかなり気を配っている。
乾燥しすぎると喉の不調などにもなりやすいし、かといって加湿しすぎも良くない。

P「確かに、冬は乾燥しやすいからな。──ありがとう、嬉しいよ」

愛依「今年の乾燥はこれで乗り切っちゃお~!じゃ、プロデューサー手出して~」

P「手?──これでいいか?」

愛依「そんな感じ~。はーい、じゃあ失礼しま~す、ぬりぬり~!」

そう言って、自分のバッグから同じようなデザインのハンドクリームを取り出し、少し多いくらいの量を手に取ると、今度は俺の手にも塗り出した。

P「め、愛依!?」

愛依「プロデューサーにプレゼントしたのってうちが今使ってるやつのメンズ向けなんだけど、プレゼントって大事に使いたいし貰ったそばから開けにくくない?でもこれめっちゃいいやつだからさ、先に塗ってあげよーって思ったんだよね~」

確かに、さっきまでとは打って変わって手が凄いしっとりとしてる。
その上ハンドクリーム特有のべたつきとかも無いし、愛依の言う通りいい商品なんだろうけど────。

P「......普通に俺の手に出してくれても良かったんだぞ?」

愛依「あ」

P「......愛依?」

愛依「いや~、その発想は無かったわ~......!」


浅倉透の場合

今日は12月24日。
世間の賑わいとかけ離れた静けさの中で仕事をしていると、扉が開く音がした。
入ってきたのは透だったが、どうやらいつもとは装いが違った。

透「おはざーす」

P「おはよう。透......って、その頭のやつ......」

透「ふふ、いいでしょ」

透の頭ついていたのは、トナカイの角だった。
正確にはトナカイの角を模したカチューシャで、ディスカウントストアなんかに売ってあるパーティーグッズだろう。
ただ一つ気になったのは、これをどこから着けて来ていたかだ。

P「すごく似合ってると思うけど......それ、どこから着けてきたんだ?」

透「え......多分、学校から?」

顔を上げて少し悩んだ後、とんでもない答えが飛び出してきた。
学校からここまでって......そこそこ距離があるぞ......!
道中、誰にも指摘されなかったのだろうか......。

P「ははっ。もしかして、俺に見せるために着けてきてくれたのか?」

透「え、あー......イエス」

これは......どっちだ?まあ、本人が言ってるならそうなのかもな......。

P「ところで、アンケートは持ってきてくれたか?」

透「アンケート......ってなんだっけ」

P「ほら、今週末が期限の......この前円香から渡してもらったと思うんだけど」

透「あー......入ってるかも、多分」

そう言って透は自分の鞄を漁り出した。
整理のためか、いくつかの教科書をテーブルの上に置いていき......。

透「あ、思い出した」

P「お」

透「プロデューサー、めりーくりすますいーぶ」

鞄から取り出したのは、フルーツ飴の袋だった。
すでに鞄の中身をほとんど取り出して出てきたのがこれだったので、かなりの不安を覚えつつも目の前のそれに触れないわけにもいかない。

P「ええと、透......?これ、プレゼントか?」

透「うん、小糸ちゃんオススメのやつ。美味しかったから」

P「......ありがとう、早速一つ貰ってもいいか?」

透「いいよ。──はい、あーん」

袋から一つ飴を取り出したかと思えば、包装を開けてこちらに差し出してきた。
今更、あーん一つで恥ずかしがることも無い。......が、さすがにちょっと恥ずかしい。

P「あ、あーん。......いちご味か。って透、顔赤いぞ。大丈夫か?」

透「ふふ、ちょっと恥ずいかも」

照れくさそうに笑う透を見て────危ない危ない。
最初の目的を見失いそうになっていた。

P「それで透。アンケートは......」

透「あー......樋口の家かも、たぶん」


樋口円香の場合

P「円香、今年のクリスマスの予定とかってあるのか?」

円香「何ですか急に」

P「ああいや、特に意味とかは無いんだけど......」

もうすぐクリスマスだし話題作りのつもりで振った話だったが、どうやら警戒させてしまったようだ。
こちらを訝しんでいる円香を見てミスったかなと少し後悔する。

円香「それで、あなたの予定は?」

P「え」

円香「人の予定だけ一方的に聞くつもりだったんですか?人に予定を聞く前にご自分の予定を話されては?」

P「予定って言っても、一日中仕事だよ」

円香「そうですか。ご愁傷様です」

それだけ言って、会話が終わってしまった。
もしかしたら言いたくない予定があるのかも知れないし、これ以上追及するのは避けておいた方がいいかも知れない。
何か別の話題は......。

P「そういえば円香は、今年のクリスマス誰かにプレゼントを贈ったりするのか?」

円香「────もしかして、欲しいんですか?プレゼント」

P「ははっ、すまん。そんなつもりで言ったわけじゃないんだ。ただ誰かと贈りあったりとか、そんな予定はあるのかなって気になってさ」

円香「......あなたは、どうせ今年も用意してくれてるんでしょう?」

話をずらされた上に流れるようにクリスマスプレゼントを用意していることを見透かされてしまった。
おかしいな......。今までそんな素振りを見せたことも無かったのに。

P「はは......バレてたか」

円香「バレバレです。あなたがアイドルからの好感度稼ぎに余念が無いということは」

P「余念が無いって......ただ俺は、みんなに喜んでもらいたいだけだよ」

円香「そうやってまた」

P「ぐ......」

これ以上は反論しても勝ち目がありそうにない。
目の前の円香の王手と言わんばかりの楽しそうな顔を見てそう思わざるを得なかった。

円香「では、私はもう行きますので。あと、これを」

席を立った円香が、そばに置いていた紙袋をこちらに手渡してきた。
隙間から覗いている包装は、明らかにクリスマスを意識している。

P「円香、これって......」

円香「クリスマスプレゼント、くれるんでしょう?」


市川雛菜の場合

雛菜「プロデューサーはクリスマスの予定ってありますか~?」

仕事をしていると、雛菜がデスクに身を乗り出して聞いてきた。

P「今年のクリスマスは......仕事だな」

雛菜「そうですか~、残念~......」

俺の予定を聞くと、口を尖らせてソファへと戻って行ってしまった。
残念がるということは、何か行きたいところでもあったのだろうか。

P「ははっ、何か誘ってくれる予定でもあったのか?」

雛菜「はい~、可愛いパンケーキのお店がクリスマスのイベントしてて~。透先輩も小糸ちゃんも予定あるって言ってたし~、円香先輩は興味なさそうだったので~」

P「それで俺に、ってわけだな。────これか」

手元のスマホで調べてみると、おそらく雛菜の言っていた店を見つけた。
確かにクリスマスのイベントをしているみたいだ。......あれ。

P「雛菜、イベントは12月24日にもやってるみたいだぞ!ほら、ここ見てくれ」

雛菜に公式ホームページを見せる。確かに、イベント開催日は12月24日、12月25日と記載されていた。
思えば、こういうイベントって1、2週間くらい開催されてるものかと思っていたが、こんなにピンポイントでやってるものなんだな......。

雛菜「ほんとだ~!」

P「24日なら俺も空いてるし、良かったらどうだ?」

雛菜「やは~!いきた~い!」

P「ははっ、じゃあ決定だな」

────

そして、12月24日。予定通り雛菜とパンケーキのお店に来ていたのだが......。

P「雛菜、本当に最初は透たちと来ようとしてたんだよな?」

雛菜「そうですよ~?別に円香先輩以外は気にしないと思いますし~」

P「はは、まあ、確かにそうだな......」

P「(俺はいいのか......?)」

目の前に並べられたカップル限定メニューを見てそう思ったが、楽しそうにフォークを手に取る雛菜を見て言及するのはやめておくことにした。


福丸小糸の場合

P「すまん小糸!道が混んでて......」

小糸「あ、いえ......!冬休みの宿題をしてたので大丈夫です」

クリスマスの前々日。俺は車を出して自主レッスンに励んでいた小糸を迎えに来ていた。
今日の天気予報では降水確率は20パーセント程度だったのだが、16時ごろから雨が降り始めたからだ。

小糸「あの、今日は迎えに来てくださってありがとうございます」

P「ははっ、このくらい全然お任せあれだ。雨に濡れて小糸が風邪を引く方が良くないしな」

P「──そういえば、小糸はクリスマスの予定とかってあるのか?」

小糸「あ、はい。夜は家族とご飯を食べに行く予定で......」

P「ははっ、そういうのいいな......!」

小糸「あの、プロデューサーさんはクリスマスのご予定とか......?」

P「聞いておいてなんだが、俺は仕事だよ。......あ、そうだ」

おそらく次に小糸と会うのは年始になるだろうから、先に渡しておこうと思って持ってきていたんだった。
信号が赤になったのを見計らって、助手席に置いていた可愛らしい包装紙に包まれたそれを小糸に渡す。

P「小糸、ちょっと早いけどこれ、渡しておくよ」

小糸「わ、かわいい......!あの、これって......?」

P「俺からのクリスマスプレゼントだ。よかったら受け取ってくれ」

小糸「あ、ありがとうございます......!すみません、わたし何も用意してなくて......」

P「ははっ。日ごろのお礼も兼ねてのプレゼントだし、気にすることはないよ───って、お!」

P「小糸、窓の外を見てくれ!雪が降ってるぞ......!」

どうやら雨から雪に変わったようだ。
とても積もるほどの勢いでは無さそうなことに安心しながらバックミラーを確認すると、小糸が窓の外を見て目を輝かせていた。

小糸「わぁ......きれい......!」

P「今年は雪が見られないかもって言ってたしな」

小糸「はい......!みんなも、見てたらいいな......」

P「そうだな。......そうだ!小糸と見られたこの雪が、小糸から俺へのクリスマスプレゼントってことでどうだ?」

小糸「いえ、わたしは何も......」

P「俺が小糸を迎えに行かなかったら見られなかったし、今日こうして雪を見られたのは小糸のおかげだよ」

小糸「そんな......わたしのおかげなんて、えへへ......」

その後も、小糸は嬉しそうにプレゼントを抱えていた。


天井努の場合

時刻は午後十時頃。
恋鐘を寮に送り届けて、事務所には自分を除いて誰も居ない。
一人だけなので部屋の電気は消しており、デスクのブルーライトとタブレットの光だけが部屋に影を作っていた。

P「よし。キリの良いところまで終わったし、少し休憩するか......!」

固まっている身体をほぐすために背伸びをすると、身体中から子気味の良い音がした。
部屋の中を少し歩いてから窓の外を見ると、雪が降っているのが見える。

P「雪か......恋鐘を送って行く前に降らなくてよかったな」

この調子だと積もらなさそうだな。なんて考えていると、部屋の電気が点く。
入口の方を見ると、手提げの紙袋を持った社長が立っていた。

P「社長!お疲れ様です......!」

俺の挨拶に手を上げて応えると、社長は少し不満げに口を開いた。

天井「お前の働きぶりには感心するが、根を詰めすぎるのはいただけないな」

P「はは......すみません。でも、どうしてもやっておきたくて」

天井「ふ......つくづく似ている」

P「似ているって、誰に......?」

天井「いや、なんでもない。......ところで、進捗はどうだ。まだかかりそうなら────」

P「あ、いえ。キリのいいところまでは終わっているので......」

すると社長は「そうか」と呟き、手に持っていた紙袋を持ち上げた。
中からはワインボトルが顔を覗かせている。

天井「......どうだ、一杯」

P「ははっ、是非────!」

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