ルカと一日中いっしょにいる話
50作目です。
前回のお話→novel/25156186
少しずつ書き溜めていたやつがいくつかあるのですが、そろそろ手を付けないとなと思って仕上げました。
ルカにもっと笑って欲しいよ~~~~~~という思いで書きました。
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P「ルカ、明日のオフって何か予定あったりするか?」
書類を整理していた手を止めてルカに声を掛ける。
珍しく事務所に居る──といっても、レッスン室が開くまでの待機中だろうか。
ルカ「──それ聞いてどうすんだよ」
P「無ければちょっと付き合って欲しいところがあってさ。あんまり時間はとらせないから」
ルカは目線を少し伏せて沈黙した後、口を開いた。
ルカ「............ある」
P「本当に少しだけなんだが...駄目か?それに近場だし、あんまり時間もとらせないからさ」
ルカ「はぁ......午後から自主練」
よかった、午前中は付き合ってくれるみたいだ。
P「ははっ、ありがとうな。じゃあ、明日は迎えに行くから──」
────────
P「ルカ、おはよう」
ルカ「......家まで来んな」
P「すまん、昨日集合場所を伝えてなかったなと思ってさ。迎えに来たんだ」
ルカ「────......」
ルカが呆れたように溜息をつく。ルカが入所してから幾度となく見たそれだ。
P「準備も出来ているみたいだし、行こうか。午後からのレッスンには必ず間に合わせるから安心してくれ」
ルカ「...それで、どこ行くんだよ」
P「そうだな...ははっ、着いてからのお楽しみだ」
ルカ「はぁ...?」
────────
P「そういえば、今度のライブの準備はどうだ?」
助手席のルカに話題を振る。ルカはスマホをいじる訳でもなく、頬杖をついて窓の外を見ていた。
そういえば、いつからか助手席に座ってくれるようになったな。......でも、この話題に触れると機嫌を損ねそうなので触れないようにしておこう。
ルカ「別に...普通」
P「羽那とはるきも最近より一層頑張ってるみたいだしさ。ルカから見てどうだ?」
ルカ「......まだ足りねぇ」
ルカ「──けど、少しはマシになった」
無意識だろうが、隣に座るルカの顔から少し笑みがこぼれる。
P「ははっ、ルカが嬉しそうでよかったよ」
ルカ「はぁ?どういう────」
P「おっ、着いたぞ。ここだ」
ルカ「......駅?」
P「ははっ、安心してくれ。別に電車に乗ろうって訳じゃなくてさ。きっとルカも喜ぶと思う」
ルカ「────......?」
不思議そうな顔をするルカを連れて構内に向かった。
────────
ルカ「これ......」
P「ああ、これが見せたかったものだよ。どうだ?」
構内の通路の壁にルカ、ルカ、ルカ。
駅広告に、ルカの広告が並んでいる。
P「今度のライブに向けてファンの方が有志で広告を出してくださったんだ。SNSでこの前見かけてさ」
ルカ「ああ、そういう────」
広告には、たくさんの人の名前が載っている。よく見ると、ルカの放送やSNSのリプライなどで見るような名前の人も確認できた。
ルカのほうを見ると広告をしばらく見ていたので、そんな彼女を見ていると視線を感じたのかこちらに気付いた。
ルカ「ん」
見つめていたことがばれ、苦い顔をされるのかと思ったがそんなことは無く、ルカが自分のスマホを手渡してきた。
急に渡された両手で受け取ると、広告の前に立つ。ああ、なるほど。
ルカ「ほら、早く撮れよ」
P「ああ!」
数枚の写真を撮る。ルカも広告の邪魔にならないように横に立ち、軽くポーズをとっている。
P「うん、綺麗に写ってるよ。ほら」
ルカ「いちいち見せなくていい」
ルカにスマホの画面を見せようとするが、ルカは目もくれずにスマホを奪い取る。
P「それにしても、ちょうど人通りの少ない時間帯でよかったよな」
時刻は昼前。
嵐の前の静けさとでもいうのだろうか。いつもならごった返している駅も、今日は珍しく人通りが少ない。
ルカ「......まぁ」
P「よし、それじゃあ行こうか。午後からレッスンだったよな?送って行くよ」
ルカ「...ん」
────────
スタッフ「すみません、復旧の目途が経ってないみたいで......」
現在時刻は午後二時。
レッスン場にルカを送り届けて少し休憩していると、フロントの方から申し訳なさそうに謝るスタッフさんの声が聞こえてきた。
P「どうかしましたか?」
スタッフ「あ、283さん......!すみません、斑鳩さんが予約されていたレッスン室なんですが、エアコンが壊れてしまって......今修理業者を呼んではいますが、おそらく今日中の使用は難しいかと......」
P「ああ、なるほど......わかりました。明日以降でも構いませんので、復旧し次第連絡いただければ...!」
スタッフ「はい...!本日は大変ご迷惑をおかけしてすみませんでした......!」
P「いえいえ、機械の故障は仕方ないことですし......」
とりあえずこのままレッスン場にいてもどうしようもないので、ルカとともに外に出てきていた。
P「それで...ルカはこの後どうするんだ?」
ルカ「他のところにあたる。......どっか空いてんだろ」
P「わかった。まずはどこに行くんだ?送って行くよ」
ルカ「いや、いいよ───」
P「遠慮しないでくれ。俺が送って行きたいんだ」
ルカ「......わかった」
それから、思い当たる限りのレッスン場をあたったが全滅だった。
ルカ「なんなんだよ......」
P「珍しいな...どこも開いてないなんて......」
ルカ「......帰る」
気付けば、日が少し傾いてきていた。時計を見ると午後五時半。
かなり回ったものだが、ここまで埋まっているのは中々珍しいことだ。
踵を返し、俺を置いて帰ろうとするルカを引き留める。
P「待ってくれ」
ルカ「...まだ何か用かよ」
P「せっかくだし、夕飯を食べて行かないか?」
ルカ「......奢り」
P「......!ああ、もちろんだ!」
────────
俺たちはルカの要望でイタリアンに来ている。
すでに注文は済ませていて、運ばれてきたパスタに舌鼓を打っていると、ルカが口を開いた。
ルカ「.....今日は助かった」
P「え...いやいや、俺はプロデューサーとして当たり前のことをしただけだよ。でも、結局空いてるレッスン室は見つからなかったし......」
ルカ「......────疫病神」
P「えぇ!?いやいや、まさかそんな──」
ルカ「どうだか」
P「ぐ......そういうルカも、今日の運勢は最下位とかだったんじゃないか?」
ルカ「運勢...?そんなの真に受けてんの、アイツとお前だけだろ」
P「ぐ、ぐぐ......」
ルカ「......ははっ、冗談。今日のは誰のせいとかじゃない」
ひとしきり俺を笑った後、席を立つ。ルカの皿を見ると、すでに空になっていた。
ルカ「帰る」
P「送っていくよ」
ルカ「おめーはまだ食べてんだろ。帰りは一人でいい」
ルカはそう言い残して、店を出て行った。
今日はやけに上機嫌だったが、やっぱりファンの出してくれた広告が嬉しかったんだろう。
────────
後日
ルカのファン1「あ!ルカのツイスタ更新来てる!」
ルカのファン2「ホントだ...こんな時間にめずらし......って」
『ありがと』 4件の写真
ルカのファン1「ってこれ、この前支援した広告じゃん!」
ルカのファン2「しかもこの場所ってことは...広告、見に来てくれてたんだ」
ルカのファン1「やばい...うわ、私の名前視界に入ったかな......!?」
ルカのファン2「そこ......?」