はづきさん+αでブライダル雑誌を見る話
49作目です。
どうしてもこの話は6月中に仕上げたかったので、間に合ってよかったです。
前回のお話→novel/24777827
円環福岡に現地参加してきました。初現地を経てシャニマスに脳が支配されてしまったので、創作意欲ぶち上がりです。
ただ次の日曜日に引っ越しなので、熱が冷めないようにしていきたいですね。
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はづき「──そういえばプロデューサーさん」
P「なんですか?」
隣のデスクに座っているはづきさんから声を掛けられる。
はづきさんの方に顔を向けると、一冊の雑誌を手に持っていた。
はづき「これ、この前のブライダル特集の見本誌です~。ご覧になられますか~?」
P「あぁ、この前の...!ありがとうございます。───......うん、綺麗に載ってますね」
今回は283プロのアイドルにフォーカスして特集を組んでもらうことができた。
さすがに全員とまではいかなかったが、みんな様々なデザインのブライダルドレスに包まれており、発売される前から今回の特集は大成功に終わることが容易に想像できる。
はづき「みなさん、とっても綺麗ですよね~」
P「はい...発売が待ち遠しいです!」
言葉に相槌を打ちながら一ページずつ捲っていると、横からはづきさんが右肩越しに覗いてくる。
彼女にも見えるよう少し右にずらすと、耳の近くで口を開いた。
はづき「そういえば、プロデューサーさんはご結婚とか考えられてないんです~?」
P「ぶっ!!」
後方から飛んできた予想外の言葉に思わず吹き出してしまう。
確かに、ブライダルの話題としては想像できるが、まさかはづきさんの口からそんな話題がでてくるなんて...。
P「け、結婚なんてそんな......ははっ、考えたこともないですね...」
はづき「...そうですか~。意外......でも無いですね~」
P「はは...今はもっと優先したいものがあるので」
はづき「でも、食事のお誘いとかはされてるんじゃないですか~?」
P「いえそんな......」
「あの...!」
今日はやけに絡んでくるはづきさんとなんとかあしらおうとしていると、ソファに座っていた人物が声を掛けてくる。
それは、次のレッスンの時間まで事務所で暇をつぶしていた灯織だった。
灯織「私も見せてもらっていいですか、その雑誌...」
P「あ、ああ!もちろんだ、そっちで一緒に見よう!はづきさんもそれで構わないですか!?」
灯織の助け舟に乗らないわけが無く、何とか話題を中断させることに成功する。
俺の提案にはづきさんも首を縦に振り、ソファに座って3人で雑誌を読みだした。
ただ、どうも灯織の様子がおかしい。雑誌をめくりながら横目で見てみると、そわそわと落ち着かないようで雑誌の方には全く集中できていないようだ。
P「どうした灯織、何か気になるところでもあったか?」
灯織「いえ、その......先ほど、プロデューサーが言っていた『もっと優先したいもの』が何か気になってしまって......」
P「ああ、それは───」
とそこで、はづきさんが俺の言葉を遮るように口を挟む。
はづき「ふふ、プロデューサーさんは、プロデューサーさんですからね~」
P「は、はづきさん、からかわないでください...!」
灯織「?」
P「──みんなのことだよ。今は、この仕事に全力で向き合っていたいんだ」
灯織「......!す、すみません、普段のプロデューサーを見ていたら予想できたことなのに、わざわざ言わせてしまって......」
P「いやいや、何も隠すようなことじゃないし大丈夫だよ」
とかなんとか言いながらもやっぱり少し恥ずかしくなっていると、玄関の方から声が聞こえてきた。
男性の声だが...社長でも無さそうだ。灯織と二人で気にしていると、玄関を開けて入ってきたのは結華だった。
結華「お疲れ様です~!あ、プロデューサーにはづきちさん、さっきちょうど配達のお兄さんが来てて、玄関に事務所宛ての荷物を置いてもらってるので確認よろしくです!」
はづき「あ、じゃあ多分あれですね~。私行ってきますから、結華さんここどうぞ~」
はづきさんに促されるままに結華が隣に座ってくる。
そこで俺の影で隠れていた灯織に気付く。
結華「あ、ひおりんもおはよ!」
灯織「結華さん、おはようございます」
結華「これは......あ~、この前のブライダルの!」
P「ああ、先方から見本誌が届いてな。チェックがてら一緒に見てたんだ」
結華「なるほど!......もちろん三峰も見ても?」
P「もちろんだ。一緒に見よう」
結華「やった♪」
そこからは、各々のリアクションをしながらページを捲っていった。
────────
特集ページの最後まで楽しんだ後、俺たちは感想戦に突入していた。
結華「いやーそれにしてもみんな可愛かったね~!!」
灯織「はい...。みなさんとても素敵でした」
P「うん、けっ────」
結婚する時はもっと綺麗になっているんだろうな、なんて言いそうになってしまったところだった。
危ない危ない。今の時代、こんなことを言うのは良くないな。何とか軌道を逸らしたいが......!!
P「───こう、特集のページ多かったな!」
結華「(今、結婚って言おうとしたよね!?)」
灯織「(今、結婚って言いかけた...よね?)」
二人が少し険しい顔で黙ってしまった。悟られたか......?
P「さ、さて、この雑誌はこの辺に置いておこうかな、はは......」
「プロデューサー、結婚するの?」
P「っ!!......って、美琴。来てたのか」
美琴「うん。それでプロデューサー、結婚するの?」
突然現れた美琴にとんでもないぶっこみを食らったが、恐らくたった今来たところだろう。
P「はは、今はそんな予定はないよ」
美琴「そうなんだ。プロデューサーなら何もおかしくない話だと思ったけど」
P「え?それはどういう──」
美琴「どういうって......プロデューサー、(年齢的に)彼女さんとかいてもおかしくないと思うけど。...あれ、(今の時代的に)あんまりこういうの言っちゃダメなんだっけ」
P「まあ...そうだな。(時代的に)他のところでは控えてくれると嬉しいよ」
結華「えっ」
結華「(もしかして、みこさんはそんな関係の女性がいることを知っている...?となると仕事相手...いや、Pたんがそんな簡単に相手に靡くとは思えないけど...特に仕事相手なら......いや、つまり相手は共通の知り合い......?)」
灯織「えっ」
灯織「(美琴さんはにはもしかして心当たりが...い、いやでもさっきプロデューサーは私たちのことが今は大切って言ってたよね......)」
灯織「(はっ、い、『今は』......!もしかして、プロデューサーにはすでにそういう人が居るけど、私たちのせいでまだ進展できてないってこと......?もしそうだとしたら、私たちがプロデューサーに負担をかけてしまっている......?)」
小さく驚いたかと思えば、結華と灯織が難しい顔をして固まってしまった。
美琴は美琴で顎に手を当てて何かを考えている。
美琴「プロデューサーは、結婚するならどんな人がいいとかある?」
P「俺か?」
美琴「この前、ウェブ掲載されるブライダルのインタビュー記事で似たような質問があったんだけど、プロデューサーならどう答えるのかなって」
P「そうだな......」
心なしか4つの視線を感じる。
ここには3人しかいないはずだが、あの扉の向こうからもこちらを見ている人が居る......気がする。
P「──...やさしい人、とかか?───あとは、支えてあげたくなる人...みたいな。うーん、やっぱり急には難しいな」
美琴「ふふ、───実は私も具体的な答えができなかったの。難しいね」
P「はは、だな」
美琴「それじゃ、これからレッスンだからもう行くね」
P「ああ。頑張ってきてくれ」
しかし、美琴を見送った後も、不思議と張りつめた空気は収まりを見せなかった。
P「二人とも?」
結華「へ?あ、あはは、どうしたのPたん?」
最初に俺の声に反応したのは結華だった。ズレた眼鏡を戻しながら応答する。
P「どうしたのというか...二人とも、急に静かになったからどうしたのかと思ってさ」
灯織「あ、いえ...すみません、少し考え事をしてしまって......」
灯織「あの......プロデューサーは今までお付き合いされてた女性とか、いらっしゃるんでしょうか」
結華「ひおりん!?」
なんだか今日はすごい日になりそうだ...。
P「は、はは...どうだろうな──...」
結華「も~ひおりん、あんまりデリケートな話題だとPたんも困っちゃうかもよ?」
灯織「あっ、す、すみませんでした...!」
P「はは、大丈夫だよ」
本当に気にしていない。年頃の女の子だし、こういうことも気になるだろう。
まさか灯織から聞かれるとは思わなかったが...。
灯織「本当にすみませんでした......」
P「本当に気にしてないから...それに、俺の恋愛事情なんて聴いたところで面白くもないと思うぞ?」
結華「ん~、それはどうかな~?Pたん、世の女の子たちはみんなコイバナ大好きなんだよ?」
P「えっ、もしかして結華も聞きたい感じか?」
結華「Pたんがいいなら?」
P「ひ、灯織も聞きたいってことだもんな...」
灯織「その...はい」
P「そうだな......あー、これは学生の時「お話中すみません~、プロデューサーさん少しいいですか~?」」
玄関の方からはづきさんの声が聞こえた。
何か困っているのだろうか。話の途中だったが仕方ない、二人に目配せして席を立つ。
────
P「はづきさん、どうかされましたか?」
はづき「すみません、配達で来てた荷物なんですが、倉庫まで運んでいただきたくて~......」
P「わかりました、これですね。よっ......と...?」
床に置いてあった段ボールを持った瞬間に感じる違和感。
軽い。いや、正確には軽くは無いのだが、はづきさんが持てないほどかというとそんなことはない。
たいしてはづきさんは、こちらよりは軽そうな段ボールを抱えている。単に時間の短縮をしたかっただけなのか...?
はづき「それじゃあ、行きましょうか~」
────
P「よ......っと、これで全部ですか?」
はづき「はい~、ありがとうございます~」
P「いえ、力仕事なら任せて下さい!......ところで」
P「もしかして、聞かれてたんですか...?」
これしかない。
いつもなら手伝おうとしても断るくらいのはづきさんがわざわざ手伝いを頼むということは、何か狙いがあるに違いない。
はづき「ふふ、プロデューサーさんが困ってらしたので~」
P「はは...すみません、ありがとうございました」
はづき「いえいえ~、お互い『支えあって』いきましょう~」
P「そうですね!支えあって────...え?」
シャニPは、はづきさんやなぁ