はるきと夏を先取りする話
48作目です。
前回のお話→novel/24630356
283Production LIVE Performance Uka, を配信で参加しました。狂う!狂う!狂う!
最近の悩みは遅筆なことです。
フォロワー(敬称)が400人に到達していました。とっても100色の絵の具で真新しい今日を描いている気持ちです。
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はるき「あ、プロデューサーさん...!お疲れ様です~...!」
額に汗を浮かべながらはるきが事務所に入ってくる。
それもそのはず、初夏を迎えて数日といったところだが、すでに気温は三十度に到達しようとしていた。
P「はるきもお疲れ様、今日も暑いな...!」
はるき「ですねぇ~...つい数日前まで肌寒いくらいだったから、衣替えもまだ済んでなくて...」
P「あー、確かに...!俺もまだ出してない夏服いっぱいあるなぁ...」
P「......何なら、丸々一年着てない服もある気がする。処分しないといけないんだけど、中々重い腰が上がらなくてさ...」
はるき「えへへ、プロデューサーさんも意外とずぼらなんですねぇ...!」
P「ははっ...意外に見えてるなら嬉しいよ」
なんて他愛ない会話をしていると、カランッと音が鳴る。
音の方を見ると、麦茶を注いでいたコップに入っていた氷が溶け始めていたようだった。
P「外、熱かったよな。冷たい麦茶でも入れようか」
はるき「わぁ...!ありがとうございます...!」
P「確か冷蔵庫に冷えた麦茶があったはず......お、そういえばこれがあったな...!」
はるき「......?」
冷蔵庫の中で見つけたものを引っ張り出す。
みんなで食べようと思っていたのだが、先に頂いてしまってもいいだろう。
はるき「わぁ...おっきなスイカですねぇ...!」
P「凛世の実家からたくさん送ってきてくれたみたいでさ。事務所のみんなで食べてくれっていくつか貰ったんだ」
P「二人で食べるにはちょっと大きいから、半分を二人で分けて食べないか?」
はるき「いいんですか?」
P「ああ、ちょっと早いけど、俺たちで夏を先取りだ...!」
────────
はるき「ん~~......!!甘くて、とっても美味しいです...!」
P「だな...!それに最初は結構大きいかと思ったが、意外とすんなり入る...!」
結構大玉なスイカだったが、以外にもぺろりと平らげてしまった。
一方はるきはまだ食べている途中でまるでリスのように頬が膨らんでいる。
────あ。
P「はるき。ここ、種が付いてるぞ」
はるきの右頬にスイカの種が付いているのを見て、自身の左頬を指さして指摘する。
はるき「えっ、ここですか?」
しかし、はるきは俺と同じく左頬を触ってしまう。もちろんそこには何もなく、指は頬を撫でるだけになってしまっていた。
頬を膨らませたり試行錯誤しているはるきをこのまま見ているのもいいが、どうにも取れそうにない。
P「はは、俺が取ろうか」
はるき「すみません、お願いします...!」
スイカを両手に持ったまま、目をつぶってこちらに顔を差し出す。
種を取ってもまだ目をつぶったままなので、声を掛けると礼を言ってまたスイカを食べだした。
その姿を見て、倉庫にあったあるものを思い出した。
P「はるき、食べながら待っててくれ。倉庫にいいものがあったんだ」
はるき「?...ふぁい」
そして、倉庫からそれを持ってきて、窓際に吊るすと開けていた窓から入ってきた風に揺られてちりんと鳴った。
はるき「わぁ...風鈴...!」
P「倉庫に置いてたのを引っ張り出してきたんだ。風鈴も夏の風物詩だしな」
はるき「ですねぇ。...うん、いい音...」
はるきもスイカを食べ終え、風鈴の音に耳を傾ける。
その間に皿を回収し洗ってから戻ると、はるきが声を掛けてくる。
はるき「あの、プロデューサーさん」
P「どうした?」
はるき「今お時間とかってありますか?」
P「ああ、大丈夫だけど...」
はるき「その...プロデューサーさんのこと、また描いてもよろしいでしょうか」
────────
そうして、はるきの希望により現在は絵のモデルになっている。
以前にもこうしてモデルになったことはあったが、今回はどうやら前よりも気合が入っているらしい。
P「それにしても、どうして急に?」
目線も動かさずにはるきに問いかける。
はるき「うーん...突然インスピレーションが湧いてきたというか...。とにかく何かを書きたい...!って気持ちになったんです」
P「なるほどそれで...。そういうことなら、喜んで協力させてもらうよ」
はるき「はい!ありがとうございます!」
そこからは、互いに無言の時間が続いた。
はるきはスケッチブックに一心不乱に鉛筆を走らせている。
十数分ほど経っただろうか。
はるきの手が止まった。見えているわけではないが、音が止まったことからおそらく描くことを止めているのだろうと推測できる。
P「はるき?」
はるき「すみません、プロデューサーさん。もうちょっとだけ...」
今ははるきの方を向いていないため、何をしているのかは全くわからない。ただ、パシャリ、という音が聞こえるのを聞き逃さなかった。
P「すまん、今何か音が...」
はるき「わ、わぁ!プロデューサーさん、まだ動かないでください!」
はるきの方に首を向けようとしたところで制止される。すでに筆は置いているようだが...一体何が起きているのだろうか。
その間にもパシャリ、パシャリと何度も写真を撮るような音がしている。
P「その音...写真撮ってるのか?」
はるき「......に、入道雲です」
確実にすっとぼけている。が、なぜ隠すのだろうか...別にこのことを怒ったりはしないんだが...。
P「別に怒ったりはしないよ。ただその...どうして撮ってるのかなって教えて欲しくてさ」
はるき「......すみません、深い理由は無いんですが...こう、記録に撮っておきたくて......あ、すみません、まだそっちを向いたままでお願いします」
理由は分かったが、こうも撮られるとそれはそれで気まずい。
しかも、絵を描いている時と同じくらい真剣に写真を撮っているのが気になる。一体何がはるきをそんなに集中させているのか...。
はるき「すみません、お時間ありがとうございました」
P「いや、はるきが満足できたならそれで満足だよ」
はるき「はい!すごく満足しました...!」
────────
後日、事務所。
はるき「~♪」
羽那「はるきちゃーん、何見て......プロデューサーの横顔?」
はるき「わぁっ!は、羽那ちゃん...!どうしたの?」
羽那「はるきちゃんが何見てるのかな~って聞こうとしたんだけど、プロデューサーの横顔?を見てたの?」
はるき「えへへ、見られちゃった...あ!でも盗撮とかじゃなくて!ちゃんとプロデューサーさんの許可は貰ってて...」
羽那「そうなんだーっ。あたしも見せてもらってもいい?」
はるき「もちろん!」
羽那「──見てみてはるきちゃん、おっきな入道雲が写ってる!」