こんにちは。ライターのペンギンと申します。
皆さんは、『魁!!男塾』というマンガをご存じでしょうか?
全寮制、生徒数約300名。江田島平八塾長の下、男の中の男を作りあげる真のエリート校、それが男塾なのだ!! 筆頭、剣桃太郎以下、一号生たちは鬼教官の超スパルタ教育と上級生のハードなシゴキに耐えつつ、ひたすら男を磨く…!!
(集英社ホームページより抜粋)
本当に、このまんまの話です。
男たちが男の中の男を目指して、ハードすぎるカリキュラムをこなしていく学園もの。
先生ではなく教官による殴る蹴るの指導は当たり前、あまりにも気持ちよくぶん殴りすぎて突き抜けた結果ギャグ調になっている、清々しさ満点のマンガです。
ギロチンの綱を口でくわえさせて我慢比べするという、間違ったら死ぬとかですらなく全然普通に死ぬような企画もあります。
※生きてます
拷問級のドギツい試練やイビリを喰らいながらもなんだかんだピンピンしているし、明らかに「死んだな」というシーンでもなんだかんだ生きている。
ハードな戦闘と、男気溢れる精神と、どこか気の抜けたコメディが高度に融合している、個人的に最高に好きなマンガの1つです。
そんな奇怪な私塾である男塾には、
「男塾名物」なるものがあります。
男塾の伝統行事や目玉イベント、独特な拷問道具からヘンテコな校外学習まで、全てに冠する「男塾名物」。
この男塾名物、さすが男塾だからなのか、やたらと硬い雰囲気の名前になっています。
たとえば、先ほど紹介したギロチンを口にくわえる我慢比べは、
男塾名物『義呂珍』です。
ギロチンはギロチンなのでそのまんまなんですが、でも何か「硬さ」を感じる名前だと私は思うんです。
他にも硬い名称の男塾名物がいろいろあります。
男=硬派=硬い印象を与えたい、ということなのでしょうか。
ところで全然違う話ですが、「濁音」が含まれる言葉って、硬そうな印象を受けませんか?
ゴジラとか、ドヴォルザークとか、『ゴギガ・ガガギゴ』とか。
硬い印象を持ちたがる「男塾名物」と、硬い印象を与えがちな「濁音」。
2つの相性はきっとバツグンです。
だからこそ今回は、濁音を使わずに男塾名物を言い換えることができるのか、検証してみたいと思います。
男塾名物 其の壱
1つ目の名物はこちら。
男塾名物『油風呂』。
油のたまった大鍋の中に入って、火を焚いて、それでも動かずじっと我慢するというモノです。
熱湯じゃなくて油ですからね。熱い油。
めちゃくちゃすぎる。一体何がどう「名物」なんだ。
こちらの名物を、濁音を使わずに言い換えるとこうなります。
男習得屋特殊企画『アツアツオイル湯浴み』。
「男」がそのまま使えるのは非常にありがたいです。
「油」を「油」に言い換えても良かったんですが、なんかズルいので「オイル」にして、オイルだと熱くなさそうなので「アツアツ」を足しました。
元の名物よりもちょっとだけ過ごしやすくなったかもしれません。
男塾名物 其の弐
つづいてはこちらの名物。
男塾名物『直進行軍』。
男塾恒例の校外学習行事です。ただ学校の外をまっすぐ歩くだけ。
ただし本当にまっすぐ歩き続けなければならないので、向かう先に家があったらぶっ壊し、電柱があったら垂直に登り、葬式の会場ももちろん踏み倒します。
こちらの名物を、濁音を使わずに言い換えるとこうなります。
男みんな訓練プレイスお決まり催し物『まちなか直進練り歩き大会』。
地域のイベントみたいで素敵ですね。
歩きながら先生が「ここらへんは昔ぜんぶ田んぼだったんだよ」とか教えてくれそうです。
今建っている物を破壊しながら。
男塾名物 其の参
男塾名物『撲針愚』。
要はボクシングなんですが、グローブ全体がめちゃくちゃ痛そうな硬いトゲでブワーッと覆われています。
当然殴れば血しぶき必至。
アメリカから来た交換留学生との国際親善の一環として開催された名物です。
難しいのが、『撲針愚』の絶妙な当て字センスです。
「撲」は殴る(打”撲”)という意味があって、「針」はもちろんグローブのトゲのこと。
『義呂珍』のような無茶苦茶な当て字ではないので、そのニュアンスも踏まえて言い換えてみたいところです。
そして考えた、濁音なしの言い換えがこちら。
男スクールユニークファイト『穴開け犯血』。
「撲」を「犯血」に、「針」を「穴開け」に言い換えて、元の『撲針愚』のニュアンスを最大限残しつつ、「穴開けパンチ」とのダブルミーニングにしました。
外来語をふんだんに取り入れて、日米親善の催し物感もグッと向上。
しかし肝心の『撲針愚』の競技内容が穴開けパンチとは何の関係もないので、ダブルミーニングではなくただの駄洒落になってしまいました。
でも本家・男塾にもこれくらいの勢いがある気がするので、多分OKだと思います。
男塾名物 其の肆
四の難しい版ってこういう字なんだ……読めなさすぎる……
驚邏大四凶殺。
男塾に突如殴り込んできた愚連隊みたいなのと男塾メンバーが決着をつけるために持ち出された男塾最大名物。
当て字ではなくスゴそうな漢字を入れ込みまくった、字感勝負の名物です。
互いに4人のメンバーで挑み、富士山のふもとに集合してものすごくデカい鉄球を各チーム押し転がしながら山頂まで向かいつつ闘うというイベントです。
文章にすると意味がわからないと思いますが、読んでいると勢いで納得してしまいます。
はいはい、次はデッカい球を転がしながら闘うのね、OKOK、みたいな感じです。
ちなみに『驚邏大四凶殺』からは、今までの学園ノリではなく真剣勝負モードへと作風が変化していきます。
そのためなのか、『驚邏大四凶殺』に「男塾名物」が冠されるイメージはあまりありません。やはり「男塾名物」は半分ギャグのノリで使われていたようです。
真剣勝負なので真剣に闘うし、敵も仲間も男を見せて本当に死んでいくのですが、
なんだかんだ全員生きています。
調べてみて驚いたんですが、「邏」には「めぐる」という意味があるらしいです。
つまり鉄球を転がしながら山頂をめぐるという実際の内容とちゃんとリンクしていたんですね。
勢いで付けてる当て字だとばかり思い込んでいました。
そしてここからは、濁音だけではなく「元の言葉に使われていた漢字」も使えないというルールを追加します。
元の趣旨から完全に逸れていますが、意外と男塾の用語ってそこまで濁音が多いわけではなかったので、枷を増やすことにしました。
こうしてできた、濁音と元の漢字を使わずに言い換えた『驚邏大四凶殺』がこちら。
両チームは日本の季節といっしょの量の人を集めて、なるたけ死なないように山頂へ向かってね。
「四」という漢字を使わずに「4人」であることを表現するのが難しく、遠回しな表現を折り重ねた結果、お願いになってしまいました。
男塾名物 其の伍
最後の名物はこちら。
大威𢸍八連制覇。
いよいよスゴそうな漢字すぎてフォントがなくなってしまいました。
ジャンプの編集者もさぞ往生したことでしょう。
こちらは先ほどの『驚邏大四凶殺』で闘った4人対4人の計8人が仲直りして1チームになって、今度は男塾に十年以上君臨している上級生と8人対8人で闘うというイベントです。
男塾名物かどうかは定かではありませんが、塾生同士で闘ってるだけですし名物の範疇ということで良いと思います。
『大威𢸍八連制覇』は、いろんなステージをめぐりながら闘うという形式で、「落ちたら高所から転落死するステージ」や「落ちたら濃硫硝酸にドボンするステージ」などがあります。
そういうことであれば、それをそのまま濁音・元の漢字なしで言い換えれば良いですよね。
男鍛えまくりセミナーにかなりの期間君臨してる留年生による恒例企画!『冥王星を含まない太陽系の惑星の個数の人たちによって種々の趣向を凝らした各パーティフロアにて押し合いっこして先に奈落へ落ちちゃった方の負け』。
これで良し。
濃硝硫酸にザッパァンしてさすがに本当に死んでしまったシーン
ちなみに『大威𢸍八連制覇』に出場した塾生のほとんどは惜しくも本当に死んでしまいますが、
なんだかんだ生きていて今度は8人と8人の計16人で新たな闘いへ向かうこととなります。
皆さんも、『魁!!男塾』を読みながら、言葉の言い換えを楽しんでみてはいかがでしょうか?
(おしまい)