私の伯母は職場で二人の上司からセクハラというか性被害に遭った。
「無かったことにするなら示談にしてあげる」と言われて拒絶し、20年以上前の今よりずっと性被害に甘かった日本で、裁判で戦い続けて最終的には勝った。
しかし本人は重いうつ病を患い、熱意を持って取り組んでいた仕事には本復帰できず、家庭もかなり大変なことになった。
私の母は、「いくら裁判で勝っても本人が病気になってしまったら仕方ない」と呟いていた。さすがに口にはしなかったが「戦うよりさっさと忘れた方が本人のためなのに」と言いたかったのだと思う。
でも私は少し伯母の気持ちがわかる。忘れられないのだ。
戦いたくて戦ってるわけじゃない、恨みたくて恨んでるわけじゃない、忘れたくなくて忘れないわけじゃない。
忘れたくても忘れられない、恨みたくなくても恨まずにいられない、戦わないと生きていけないのだ。
「無かったことにして示談にして生きていく」ことができれば伯母だってどんなに楽だったか。
それが決してできないほど深い悲しみと怒りを刻み込んだのは加害者だ。
だから、決して加害者を許してはいけないし、被害者の負担は少しでも少なく、加害者を罰することができる仕組みが必要だと思う。
加害者がちゃんと司法において適切な罰を受けてから、ようやく被害者の心の安定がはじまるのだと思う。
Quote
岡野タケシ弁護士【アトム法律グループ】
@takeshibengo
「人を呪わば穴二つ」って言う諺、弁護士をやってるとそのメカニズムがよく分かる。
弁護士のところには「あいつが許せない」を抱えた人がよく来る。気持ちは分かる。裏切り、利用、理不尽。全部もっともだ。