【原子力発電をしていないイスラエルに核施設が存在するという不思議】
中東調査会によると、イスラエルの発電は、天然ガスが主軸で、2023年時点では全発電量の約7割を占める。残りは再生可能エネルギーなどとなっている。
イスラエルは2030年までに原子力発電を導入するとしているが、現時点で発電は行っていない。そもそも天然ガスが豊富で、ヨルダンやエジプトなど、周辺国に輸出しているほどの資源大国である。
では、今回イランが攻撃したディモナの近郊にあるネゲブ原子力研究センターでは何が行われているのだろうか。
ディモナの原子力研究センターの建設は、フランスの支援を受けて1958年に始まり、1964年に開所した。1957年から1964年にかけて、フランス企業の支援を受けて、天然ウランを燃料とする重水炉が建設された。そこで生産されたプルトニウムによって、イスラエルは1967年の六日間戦争(第三次中東戦争)前に最初の核兵器を準備していたとみられている。
イスラエルは核施設の保有を肯定も否定もしない、「戦略的曖昧さ」と呼ばれる政策を維持している。イスラエルは核兵器不拡散条約の非締約国で、国際原子力機関の査察も拒否しているが、国際社会はこれを特に問題視していない。
スウェーデンのストックホルム国際平和研究所(SIPRI)によると、イスラエルは現在、核弾頭約90発を保有していると推定されている。
なお、イスラエルと米国は今回の軍事行動でイランの核施設破壊を目標に掲げているが、イランは核兵器不拡散条約の締約国で、2025年6月に米・イスラエルの攻撃を受けるまでは国際原子力機関の査察も受けてきた。