デカメロン5日目 | The・1600

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江戸時代を舞台にした小説を書いていますが、ときどきハガキ絵などもアップします。

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  デカメロン・5日目第9話・粗筋



 中世のイタリア。
 田舎で鷹匠として暮らしている元貴族のフェデリゴは、あるとき、モンナ・ジョバンナという貴族婦人を町で見掛けて恋をする。元貴族とはいえ、いまは落ちぶれているフェデリゴは、相手が人妻でもあることから、恋を諦めようと悩む。



 夫が病死し、モンナは未亡人になる。
 夏、モンナは息子を連れて避暑に行く。友人に借りた別荘が、偶然にも、フェデリゴの住んでいるすぐそばだった。
 息子はフェデリゴと友達になり、彼の鷹が欲しくなる。だが、フェデリゴの、鷹に寄せる愛情を知ると、ねだれない。
 あるとき、息子は毒蛇に噛まれ、瀕死の重傷を負う。モンナはつきっきりで看病し、元気づける。何か欲しいものはないか、と息子に問うと、実はフェデリゴの鷹が欲しい、と答える。噂に聞けば、鷹がフェデリゴの生活の支えになっている。大金を積めば売ってくれるとは思うけれど、そんなことは相手を侮辱することでもあるし、できない。
 しかし、息子の病状を見ていると、何とか願いをかなえてやりたい。
 母は息子への愛情に負け、鷹を手に入れてあげる、と約束する。
 その夜、モンナは、お話があるので明朝の訪問を許してもらえるだろうか、とフェデリゴの家に使いをだす。
 フェデリゴは、喜んで訪問を受けいれる、と返事。けれど、このところの不猟で、モンナをもてなすものが何もない。もてなすにはどうすればいいのか、と悩む。



 モンナは訪問し、ささやかな朝食をフェデリゴと一緒にとる。食べながら、息子が病気で、あなたの持っている鷹を欲しがっている、譲ってはもらえないだろうか、と頼む。息子の命はもう長くない。息子の命が尽きるまで、鷹を貸してもらうだけでもいい。
 フェデリゴは急に泣きだして言う。
「奥さまが、今朝来られることを知りまして、何か、ご馳走で、もてなそうと考えました。しかし、ご覧のとおりの生活で、ろくなもてなしもできません。そのとき、あの鷹こそ、奥さまにふさわしい食べ物であることを思いつき、料理して、差しあげたのでございます」
 モンナは最初怒るが、フェデリゴの自分を思ってくれる気持ちが判り、しだいに感動に変わる。



 モンナの息子は介抱の甲斐なく死んでしまう。
 財産を相続したモンナは、周囲の反対を押し切ってフェデリゴに求婚し、結婚する。



終わり



 ある時編集者に、小説にはこの『鷹』に相当する何かがなければならない、と言われたことを唐突に思いだしたので、アップしてみました。




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