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円香が勘違いする話/Novel by あとかた

円香が勘違いする話

1,940 character(s)3 mins

30作目です。

ミスター語録を使う際には細心の注意を払っています。

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スタッフ「あの、これ良かったらどうぞ」

P「?何でしょうか」

とある撮影の帰り、その場にいたスタッフに声を掛けられた。

スタッフ「プラネタリウムのチケットがこの前福引で当たったんですけど、私は行く相手も譲る相手も居なくて...283さんのところのアイドルさんたちにでもどうかなーって、なのでどうぞ!」

P「ありがとうございます、きっと喜ぶと思います!」






P「そういえば、あの時貰ったチケットそろそろだったよな。すっかり忘れてた...」

P「どこだっけ...お、あったあった。上映日は...次の土曜日か」

もうそこまで日付が無いな。早いところ誰かにあげないと、せっかく譲ってもらったのにもったいなくなってしまう...。
こういうのに誰が興味ありそうか、少し考えていたところでドアが開く音がした。

円香「お疲れ様です、レッスン室の鍵を返しに来ました」

P「お疲れ様、円香。...そうだ、ちょうどいい所に」

円香「...何ですか?」

P「今度の土曜日、空いてるか?」

円香「空いてません」

そ、即答...。

P「そうか...」

円香「...念のため聞いておきます。空いていたら何ですか?」

P「ああ、これどうかなって」

円香「...プラネタリウムのチケット?それも2枚...」

P「この前スタッフさんからもらったんだ。自分は行けなくてもったいないからよかったら、って」

円香「そうですか。残念ですが、その日は空いていないので行けません。お一人でどうぞ」

ああ、そうか。俺が一緒にどうだって誘ってると勘違いしたんだな。

P「ああ、違うんだ円香。これは────」

訂正しようとしたその時、勢いよくドアが開いて誰かが入ってきた。

小糸「お、お疲れ様です...!あ、円香ちゃん...!」

P「お疲れ様、小糸」

円香「小糸、お疲れ」

小糸「私、円香ちゃんの次の時間にレッスンだから、鍵を借りに...」

円香「そうだったんだ。はい、これ鍵」

小糸「あ、ありがとう!」

P「そうだ!小糸はプラネタリウムとか興味ないか?」

小糸「ぷ、プラネタリウムですか...?」

P「ああ、チケットを貰ってさ。2枚あるからどうかなって」

少しの思考の後。

小糸「い、行ってみたいです!」

P「はは、じゃあこれ、楽しんできてくれ。もちろん、今日のレッスンも頑張ってな」

小糸「はい!い、行ってきます!」

そして、小糸は元気よく部屋を出て行った。





小糸が部屋を出て行ったと同時に、隣から刺すような鋭い視線を感じた。

円香「...ちょっと」

P「ん?」

円香「...アイドルなら誰でもいいんですね」

P「ど、どういうことだ?」

円香「まず私に声を掛けて、次は小糸。本当に節操が無い」

P「ちょ、ちょっと待ってくれ!誤解だ!」

円香「えぇそうですね。誤解してました。あなたはもう少しまともな人だと思っていましたが、誤解だったようです」

円香「...そもそも私が次の土曜日に用事が空いているというのは嘘です」

P「じゃあ、どうしてそんなことを言ったんだ?」

円香「少し気になったので試しました。誘う基準は何だったのか。まあ、誰彼構わず誘っていたようなので意味はありませんでしたが」

P「誰彼構わずって...まあ、その通りだけど...」

円香「そんなにアイドルと2人きりで密室に入りたがっているとは知りませんでした。場合によっては、いえ、場合によらずとも事案ですね、ミスター色情魔」

口の周りが良いな、今日の円香は随分と機嫌が良さそうだ。

P「酷い言われようだな...。とにかく、円香が思っているようなことじゃなくて...」

円香「言われなくても分かっています。あなたが行かないことくらい」

P「なんだ......最初から分かってたんじゃないか」

円香「そこのホワイトボードに大きく書いてあったので」

P「それもそうか。...それで?どうするんだ?」

円香「......行くに決まっています。もう一つのチケットをください」

溜息交じりにそう答えた。いや、さっきハッキリと拒否したばっかりじゃないか...。
とはいえ、貰ったチケットがはけないよりも良いので、とりあえず胸をなでおろす。

P「...楽しんできてくれ。よかったら、感想を聞かせてくれると助かる」

円香「わかりました。覚えていたらの話ですが」

事務所を出て行った円香の横顔は、少し笑っていたような気がした。
その後、案の定円香から感想を聞くことはできなかったが、小糸越しに聞いたところ楽しめてくれていたようだった。

Comments

  • TKわ

    円香とのやり取り、本当に好き

    December 5, 2023
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