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世界一の大馬鹿者が笑った/Novel by ベニ

世界一の大馬鹿者が笑った

12,464 character(s)24 mins

みんなの正体が明らかになった冷戦終結後、ちちが必死になって決行しようとしている"あること"をユーリ君がこれまた必死になって止めようとするお話です。具体的には、二人が仲良く?お話ししてるだけの物語です。

こんにちは、あるいはこんばんは。
スパファミ界隈でははじめまして。

注意
・私は腐海の民なので、ちょこちょこユリロイっぽい雰囲気が漂っちゃってるかもしれません。今回出てくる矢印はすべてあくまでも家族愛として書いているつもりですが、ご不快な方はご自衛お願いいたします
・ロイドさんが仲間のことも家族のことも、割とあからさまに大好きです
・戦争の描写があるためグロ要素があります
・ロイド愛されが大好きなので、ロイドさん贔屓になっちゃってます

追記
修正(12月26日)
映画見ました!
証拠がない→黄昏絡みっていう思考の流れが最高でした!それはもはや信頼だろ!
そういう訳で、ユーリ君の黄昏に対する執着度合いが思った以上でしたので、修正してさらに感情を重めにしてみました。ネチネチ罵倒シーンは書いてて一番楽しかったです。





















「そういえば、死のうとして屋上まできたのに、なんですぐに飛び降りなかったんだ?時間が経つほどリスキーだろ。まあ、姉さんが悲しまずに済んだから良かったが」

「…言わなきゃ駄目か?」

「言え」

「…。…病室で二人の寝顔を見たら、なんか…こう…。」

「はあぁぁ…。お前やっぱり馬鹿だな」

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一般入院棟の奥。他の棟と同様に一面白塗りの建物は、公には遺伝子学研究室ということになっている。けれどもその実態は、VIP専用病室だ。無駄に広い一室がそれぞれワンフロアずつを占拠しており、セキュリティー対策も万全である。病室に辿り着くまでに何回通行証を提示したか知れない。秘密警察として要人の警護も行ってきたユーリでさえ少々鬱陶しくなるほどだ。部外者は勿論、この病院でも限られた者以外は建物に入ることすら不可能だ。仮に上手く侵入できたとしても、内部セキュリティーの前情報がない限り八方塞がりになるのは目に見えている。その証拠に、病室のネームプレートには何も書かれていない上に、生体認証をクリアしなければ外から病室の扉を開けることさえ叶わない。そして肝心の扉自体は、病室のものとは思えないほど頑強な作りで、生半可な侵入を強固に阻む。

尽く万全を期している。このレベルのセキュリティーは、是非とも姉さんのような素晴らしい人の為に奮われるべきだ。…断じて、あのいけ好かない嘘吐き野郎に注がれるべき技術ではない。先日の愚行を加味すれば、ダンボールハウスでさえ与えたくないほどである。あぁっ…くっそ!あの男の事を思い出したら、また腹が立ってきた!ここに来るまでに要した時間が長いのもあって、沸々と怒りがわいてくる。頑丈であるのをいいことに、怒りに任せて乱暴に開け放とうとした扉は、しかし…手動ではなかった。これによりユーリは極めて大人しく、憎き男の病室に足を踏み入れざるをえなくなったのだった。

肚にイライラを溜めこんだまま半ばヤケクソで室内へと歩を進めていくと、すぐに異常をみとめた。

…ベッドが空なのだ。

ベッド脇にあるソファーではピンク色と濡羽色が寄り添いあっている。いずれも掛け布団を被せられてはいるが、座った状態では少し辛そうだ。姉さんだけでも起こさないように空いたベッドに運んでやりたいが、人が横たわっていたはずのベッドからは一切の温かみも感じられなかった。残念ながら、そこまで悠長にしていられそうもない。苦々しい思いとともに動揺した頭が数日前のことを頼んでもないのに再生し始める。真っ暗闇の中。男の頭が地面に赤い花を咲かせる寸でのところで、それはそれは見事に姉さんは受け止めた。とあるものを見てしまったユーリ以外からしてみれば誰も死なないハッピーエンドというやつだ。けれどもボロボロの体を受け止めた後の姉さんは、それを見ていたチビは、どんな顔をしていたか。二人して滝のように涙を流し抱き込んだ男に必死に縋りつく姿は、未だユーリの目に焼き付いている。

もしここであの男が姉さん達の前から姿を消すようなことがあれば、それどころではなくなってしまう。

結局、二人をベッドに移すことなく病室を後にする。時間と起こしてしまうリスクを考えると、それが最適解だと踏んだのだ。

ユーリ・ブライアはこよなく愛する姉のためならば、非情になれる男だった。



Comments

  • Tukasa19

    とっっても感動しました!!

    December 5, 2023
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