公立病院「9割赤字」の衝撃…診療の停止まで 人口が減る地域医療を守る“処方箋”を探る
苦肉の経費節減策
病院の収入の柱となっているのは、国が定めた診療報酬です。 2年に1度改定されていて、2026年度は全体で2.22%引き上げられますが、物価上昇など様々なコストアップに追いついていないのが実情です。 碧南市民病院ではすでに――。 「分べんは2月1日で新規受け付けを停止。今年12月末で完全に停止する決断をしました」(永坂部長) 2月から産婦人科で「お産」の新規受け入れを停止。 苦渋の決断だったといいます。 「地域内に分べんを受け付けている医療機関が複数ある。今回やむなくという部分」(永坂部長) さらに病院の外では。 「樹木の伐採を思い切って行った。剪定も含め、維持管理に経費がかかる。このように寂しくなってしまったが…」(永坂部長) ほかにも屋上看板の夜間照明を消灯。スタッフの白衣などは、値段が安いものに変更しました。 「箸の上げ下ろしから見直しをして、経費節減に取り組んでいる」(永坂部長)
経営難の病院は全国各地に
経営難にあえぐ病院は、全国各地で増えています。 「資材と人件費の上昇、光熱費を含めたエネルギーコストの上昇が追い打ちをかけて、多くの病院が大変厳しい状況に陥っている」(藤田医科大学 小松本悟 特命教授) 病院経営が専門の小松本悟・藤田医科大特命教授は、かつて栃木県内の病院で院長を務め、病床稼働率100%を達成するなど経営改善に努めました。 全国の院長などに向け、「病院のマネジメントにはビジネスの視点も必要だ」と教えています。 「患者が満足する医療を提供すること。もう1つは、職員がその病院で働いて良かったという職員満足。『患者満足』と『職員満足』が病院経営の両輪」(小松本特命教授)
過疎化が進む岐阜・飛騨市の市民病院
過疎化に悩みながらも、「患者満足」と「職員満足」の両立を目指す病院があります。 世界最先端の研究施設「カミオカンデ」で知られる、岐阜県飛騨市の神岡町。 赤字経営からの脱却に向け、病棟の再編などの取り組みを続ける飛騨市民病院です。 「この地域は人口減少が激しく、高齢化が一層進んでいる。こういった地域では、まず人材の確保が一番課題です」(飛騨市民病院 黒木嘉人 病院長)