タラバガニ豊漁 毛ガニ不漁も漁業者「助かる」 北海道釧路東部海域
釧路東部海域で冬の毛ガニ漁が終盤を迎える中、各地の漁場で本来は漁期外となるタラバガニが相次いで捕獲されている。漁業者からは「昨年は小さいサイズだったが今年は大きく量も多い」との声があり、専門家は海水温の変化が影響している可能性を指摘している。 4漁協(昆布森、厚岸、浜中、散布)によると、今季の毛ガニ漁(2~4月中旬)で、籠網にタラバガニが混ざって入るケースが例年より多く確認され、多い日で漁獲が5~10㌧に上る。4単協中着業数が最多の厚岸漁協毛ガニかご漁業部会の中野政明会長(64)は「籠の中はほとんどがタラバ。30年以上やってきてこんなのは初めて」と話す。昨年は小さいサイズが多かったが今年は中~大が目立っており「毛ガニが捕れない分タラバに助けられている」と笑う。しかし3月に入り海水温が高くなったため脱皮ガニが多く、市場での取引価格は高値でも1㌔2000円未満と低水準にとどまっている。 同海域の今季の毛ガニ籠漁は2月1日に解禁し漁獲許容量26㌧を上限に操業しているがここまで8㌧(3月7日現在)と低水準。タラバガニは漁期やサイズに規制がなく漁期外に捕獲された個体も出荷できる。 タラバガニは北方の海域に多く生息するが、近年は分布域が広がっているという見方もある。釧路水産試験場調査研究部の本間隆之主任主査は、10年ほど前に十勝沖で急にタラバが捕れたが3~4年で捕れなくなったことを例に「タラバガニは群れで大きく移動する習性があり、海水温の上昇や餌となる生物の分布行動範囲が変化している可能性がある」などと分析する。漁場の環境変化が資源に与える影響に、関係者の関心が高まっている。
釧路新聞