2025年は魚雷バット(トルピードバット)の導入で話題を集めた野球界。NPBにおいては広島やヤクルト、オリックスなどでネクストバッターズサークルにて、青い水が入った特殊なバットで素振りする選手が続出し、SNSなどで話題となっている。水バット(AQUA Bat)と呼ばれ、重力や遠心力を確認しながらスイングできる利点がある。

 この水バットを開発したのは、徳島県小松島市で室内野球練習場「J-PARK」を運営する福原芳之(ふくはら・よしゆき)氏だ。水バットの開発に至った経緯や水バットの詳しい効果について、話を伺った。

インスタフォロワーは7.5万人 現役メジャーリーガーとも交流

 福原氏は、徳島商業、JR四国で主に投手として活躍。JR四国時代には都市対抗野球にも出場した経験を持つ。23歳で社会人野球を退き、長らく野球の第一線から離れていたという。転機をもたらしたのは、指導者就任の誘いだった。

「初めは指導者の誘いを断っていたのですが、息子が所属していたこともあり、中学ヤングリーグの阿南シティーホープで投手コーチに就任しました。そのチームが日本一になったこともあって、指導することにより責任感と充実感を覚えていきました」

 2024年育成ドラフト2位でDeNAから指名を受けた吉岡 暖阿南光)も、阿南シティーホープの教え子の一人だ。中学の硬式野球チームで指導者を務める傍ら、野球の理論や指導の勉強に取り組んだ。その中で、徳島県では硬式球が打てるバッティングセンターがなく、雨天時に練習できる施設も少なかったことから、2022年に室内野球練習場「J-PARK」をオープン。「J-PARK」の開設と同時にインスタグラムにて打撃理論に関する発信を開始した。

「元々メジャーリーグが好きだったのですが、メジャーで普及している理論が現役で野球していた頃と全然違うとなって、いろいろ勉強するうちに楽しくなり、インスタグラムで打撃に関する動画をアップし始めました。社会人時代はDH制で投手に専念しましたが、高校ではクリーンアップを打っていて、打撃は好きでした。打撃は投球に比べて、発信しやすいです」

 インスタグラムのフォロワーは現在約7.5万人。“Cool”や“Bad”など簡単な英語で発信していることもあり、フォロワーの半分近くが国外の人になっている。

「自然の力を利用し、エラー動作で身体が邪魔しないことを信条に発信しています。ウォーターバックを使って、打撃には重力や遠心力がこうやってかかっていますと投稿した時にこれがバットだったら、分かりやすいなと思い、水バットの着想に至りました」

 特許の確認などに時間を要し、販売まで約1年かかったというが、2025年4月に水バットの販売が開始した。

 フォロワーの1人であり、DM上で親交があったフィラデルフィア・フィリーズ所属の現役メジャーリーガー、ハリソン・ベイダー外野手が水バットをネクストで使用し、メディアに取り上げられると、日本球界にも波及。NPBではオリックス・西川 龍馬選手が取り入れると、広島、ヤクルト、ロッテ、楽天など他球団の選手にも広まっていった

低反発バットの導入で打撃の本質やスキルが問われる時代に

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