赤穂市民病院の医療事故に関する漫画を巡る訴訟で、モデルの医師を提訴し記者会見した漫画の作者の代理人弁護士(2025年3月11日、時事通信フォト)
「リハビリに励む母に『一生車椅子です』と言い放った」
さらに、本件の手術前に被告人は患者に対し、「よくある簡単な手術」「スタスタ歩けるようになる」とも説明したかと問われ、いずれも否定していたが、2月18日の論告弁論に先立ち行なわれた被害者意見陳述で、被害患者の長女はこう陳述した。
「『よくある簡単な手術です』『帰るころにはスタスタ歩けるようになっています』という自信に満ちた被告の言葉を聞き、母と私は被告を信じて手術をお願いすることに決めたのです。
当日、母は急に『手術したくない』と言い出しました。しかし、病院に手術の段取りをしていただいているのに申し訳ないと思った私は、なかば強引に母を説得し入院させました。事故から6年余り、この時のことを思い出さないことはありません」
また被告は「手術直後、事故を家族に説明した」と証言していたが、これも被告の見解と異なる内容が陳述された。家族はなんと「歩けるようになる」と説明をされていたのだという。
「被告は母に対して『歩けるようになりますからね』と声をかけていました。私にも神経切断を断言せず、リハビリで回復する見込がある、と説明していました。しかし、それは嘘でした」(前出・被害者の長女)
さらにはその後も被告の言動に、被害患者は苦しめられたと語る。
「2か月後、死にものぐるいでリハビリに励む母に、被告は突然『一生車椅子です』と言い放ちました。手術後は母をろくに診察することをせず、『痛みは手術によるものではない』などと自分の責任を否定する発言を繰り返すようになりました。被告自ら設定した面談も、何度も反故にされました。
刑事裁判では表面上反省を述べていましたが、明確に記憶している事実と異なる明らかな嘘を繰り返しました。手術後に『毎日診察していた』というのも完全な嘘です。看護師さんと一緒に被告を探し回ったことが何度もありました。院内PHSが通じず、やむを得ず個人の携帯電話に電話をかけると『もう帰宅途中なんで明日でいいですか』と言われたこともありました」(同前)