練習不参加、一人で自分見つめた3カ月 東洋大姫路左腕の好投の裏で
(21日、第98回選抜高校野球大会1回戦 東洋大姫路2―3花咲徳栄) 東洋大姫路の下山大翔投手(3年)は立ち上がり、花咲徳栄の強力打線に思うようなスイングをさせなかった。 【写真】花咲徳栄―東洋大姫路 二回表、力投する東洋大姫路先発の下山=滝沢美穂子撮影 「自分の球速は相手にとって打ちやすい。打たせてとる投球を貫く」。最速135キロの球速を封印し、制球とキレで勝負し続ける。120キロ台の直球と110キロ台のカットボールを低めに集め、六回1死までは被安打0、七回まで無失点に抑えた。 昨秋はエースだった。だがその後、コンディション不良などで3カ月ほど、全体練習に参加できなかった。 厳しいトレーニングを経てチームがまとまる中で、仲間との話にもついていけなかった。「焦りもあって、辞めたいとも思った」 それでも松本太翔主将(3年)が「お前がいないとダメだ」と声をかけ続けてくれた。自分を見つめ直す時間になった。 下山投手は3カ月間、自宅の周辺を走り込み、ジムに通って体を鍛えた。食事も見直し、体重を7キロ増やした。「この期間があったから結果が出た、と言ってもらえるように努力してきた」 甲子園のマウンドに上がる際、帽子を取って下を向いて息を吐いた。そこには支えてくれた仲間への感謝の意を込めた。 ただ、八回に失策や死球なども絡んで3点を失い、逆転された。「味方の失策をカバーしてこその投手。自分の精神面や力量が不足していた」と振り返り、「好投できたと勘違いせずに、もう一度成長したい」と夏を見据えた。(原晟也)
朝日新聞社