妊娠7カ月の女性が無人駅で転落…高校生5人組が救う 生まれた赤ちゃんと感動の対面 愛知・西尾市
愛知県西尾市の無人駅で、妊娠7カ月の女性が線路に転落しました。とっさの判断で救助したのは、地元の高校生5人組。無事に生まれた赤ちゃんと初対面しました。
愛知県西尾市に住む木村慧さん(35)。
1カ月前、待望の長男を出産しました。
その小さな命の誕生の裏には、思いがけない出来事がありました。
その出来事が起きたのは、西尾市にある名鉄西尾線・桜町前駅。
職員が常駐していない無人駅です。
2025年11月、妊娠7カ月だった木村さんは、午後1時半ごろ、この駅を利用しました。
改札を通り、ホームに向かって歩いていると、急にめまいがしたといいます。
「ホームに向かう途中で、ふっと意識が飛んでしまった。そのままヨタヨタと前に勝手に足が進んでしまって、(線路に)落ちてしまった」(木村さん)
気を失った木村さんは、ホームから約1m下の線路に転落。
気がついたときには、すでに線路の上に倒れていたといいます。
電車の到着までは約5分。無人駅のため、職員はいません。
その時――。
「高校生の子が線路に降りてきてくれて、5人で『大丈夫ですか』と声をかけてくれて、その声で目が覚めました」(木村さん)
「どうしてもお礼を伝えたい」命を救ってくれた高校生たちに、どうしてもお礼を伝えたい――。
木村さんは、普段この駅を利用している高校を調べ、該当する3つの高校に「線路に落ちた妊婦を助けた生徒はいませんか」と、メールと電話で問い合わせました。
すると――。
「『該当の生徒さんいますか』というのをクラス全員に配ったようで、『私です』と皆さんが名乗り出てくれて、先生から『いました。うちの生徒です』と返信をいただきました」(木村さん)
高校生「すぐに助けなきゃ」木村さんを助けたのは、西尾高校2年の柴田采璃さんと平松奈花さん、3月に卒業したばかりの村松泰成さん、兼松郁京さん、相川悠維さんの計5人。
期末考査を終え、塾や家に向かう途中でした。
「テスト勉強の話をしていて、振り返ったら(木村さんが)落ちる瞬間が見えた」(相川さん)
突然の出来事でしたが、体は自然に動いたといいます。
「すぐに助けなきゃというのが強かった」(相川さん)
相川さんが線路に降り、下から木村さんを支え、残りの4人がホームの上から引き上げたそうです。
「いつも名鉄西尾線を使っているので、何時に電車が来るかわかっていたのと、左右を確認したときに電車が来ていないことがわかっていた」(相川さん)
5人は電車が来る時間を把握していたため、迅速な行動により木村さんを救うことができました。
「たまたま期末考査があったみたいで、その時間に生徒さんたちが居合わせてくれたのですが、もしその期末考査がなかったら多分私は誰にも声をかけてもらえず、意識が戻らず、列車に接触していたかと思うと今でも怖いです」(木村さん)
バレンタインデーに無事出産その後、木村さんは病院で診断を受け、早産の可能性もあって、そのまま緊急入院となりました。
そして2月14日のバレンタインデーの日。
無事、2970gの元気な男の子を出産しました。
「奇跡のようなもの。どうなることになるかと最初は思っていたのですが、無事に生まれて本当によかったです」(木村さん)
助けてくれた生徒たちとの再会そして3月18日。
木村さんが赤ちゃんとともに、西尾高校を訪れました。
助けてくれた生徒たちとの再会です。「おめでとうございます」(救助した高校生)
「みんな抱っこしてあげて。ちょっと重たいよ」(木村さん)赤ちゃんを大切に抱える生徒たちは、優しいまなざしを向けていました。
「こわいこわい。かわいくね?自分の子どもみたい」(相川さん)
「助けた時は1人だと思っていたが、今2人を救ったんだなと実感している」(兼松さん)
「生まれてきてくれたのを見ると、本当に良かったと思う。めっちゃかわいい」(平松さん)
「子どもがもう少し大きくなって、私がこういうことがあったんだよと伝えた後に、またみなさんにお会いできたらいいな」(木村さん)
今、腕の中にいる小さな命。
その命は、あの日の勇気ある行動によって守られました。
「助けてくださった生徒さんのように、目の前で困っている人や助けが必要な人がいたら、迷わず手を差し伸べられるような子になってほしいと思います」(木村さん)
もし無人駅で転落があったら?高校生たちの連携プレーで、大切な命を守ることができました。
もし私たちが線路転落などに遭遇したらどうしたらいいのか、名鉄に聞きました。
今回の駅のように「非常通報装置」が設置されていない無人駅もあるそうです。
ただ、すべての無人駅の柱や自動販売機の横にインターホンが設置されていて、係員とつながるため、列車を緊急停止してホームに入ってくることを防げるということです。