「マンガワン」問題、小学館が第三者委を設置 類似事案など調査へ

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照井琢見 堀越理菜
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 マンガ配信アプリ「マンガワン」の編集部が、過去に性加害事件に関与した元教員のマンガ家を原作者として起用した問題などをめぐり、小学館は19日、第三者委員会を設置したと発表した。起用をめぐる経緯や、その他の類似事案などについても調べる。報告書の取りまとめの時期については、「第三者委員会が判断する」としている。

 同日に臨時取締役会で、第三者委の設置を決議した。弁護士の伊丹俊彦氏(WIN法律事務所、元大阪高等検察庁検事長)を委員長とし、委員には同じく弁護士の福原あゆみ氏(長島・大野・常松法律事務所)、辺誠祐氏(同)が就く。「マンガワン」での問題のほか、小学館の役員や従業員が関与する類似事案がないかなどについても調べる。

 マンガワンの問題をめぐっては、札幌地裁が今年2月20日、北海道内にある私立高校の元教員が立場を悪用し、元生徒の女性に性加害をしたとして、元教員に対し1100万円を女性に支払うよう命じた(元教員側と女性側の双方が控訴)。

 同27日にマンガワン編集部は、この元教員が「堕天作戦」を連載していた山本章一氏(ペンネーム)だと認め、2020年に児童買春・児童ポルノ禁止法違反(製造)の罪で罰金刑を受けた後、別の名義で別作品の原作者として起用していたと認めた。

 地裁判決では、山本氏と女性との和解協議で、小学館の担当編集者が和解条件を提示したと認めている。一方、編集部は「弁護士を委任して公正証書を作成するよう助言」したとしており、和解条件は「(編集者の)参加以前に、既に当事者間で協議されていた」との声明を出している。

 さらに今年3月2日、過去に強制わいせつの罪で執行猶予付きの有罪判決を受けた別の人物も、「八ツ波樹」氏と名義を変えてマンガワン連載の「星霜の心理士」の原作者として起用していたと公表。第三者委を設置するとしていた。

 同社は11日、18年に元従業員が取引先の従業員に対し、取引関係を利用して性的な行為を求めていたと発表しており、この件についても調査する。

 原因分析や再発防止策の提言もするといい、小学館は「調査の結果、明らかとなった事実関係等につきましては、関係者のプライバシー権等の侵害にならない範囲で公表」するとしている。

 また、同社は19日、「事業運営におけるあらゆる場面で人権を尊重する」などと定めた「人権方針」を策定し、発表した。

    ◇

編集者が社内で説明 ネット記事で「初めて把握」

 第三者委員会の調査で大きな焦点となるのは、性加害に関与したマンガ家を別の名義で起用するに至った経緯だ。

 複数の関係者によると、「堕天作戦」を描いた山本氏の担当編集者は、騒動の発覚後、社内でそれまでの経緯を説明したといい、「(マンガ家が起こされている)民事訴訟の詳細を把握していなかった」と述べているという。

 まず20年に山本氏が罰金刑…

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この記事を書いた人
堀越理菜
文化部|文芸担当
専門・関心分野
文芸、放送、ジェンダー

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