ニューヨークのメトロポリタン美術館で、
大好きなサルバドール・ダリの《超立方体的人体(磔刑)》に出会えました。
十字架は木ではなく、展開された四次元の立方体=ハイパーキューブ。
血も釘もないキリストは、痛みではなく静かな浮遊感をまとっています。
信仰の苦しみではなく、「次元を超える」という構造の中に置かれた存在。
絵の前に立つと、時間がふと止まるような感覚に。
見上げるガラの視線と、自分の視線が重なるその瞬間。
絵を見るというより、構造の中に組み込まれていく。
ダリはこの頃、原子核や量子論、神秘主義に深く傾倒していて、
それがとても見えてきます。