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Vol.567「未成年のスマホは禁止しろ」

(2026.3.3)

【今週のお知らせ】
※「ゴーマニズム宣言」…先日の選挙で明らかになったように、日本人の思考はどんどん安易に、短絡的になっている。芸能人の推し活と同じ感覚で、高市早苗を「サナ活」してしまう。アイドルの総選挙と、衆議院の総選挙の区別もつかない。高市早苗のやることなら、なんでもいい。「何かをやりそうだから」と支持し、「何か」の中身は一切問わない。批判をするのは「意地悪」だ、なんて言い草にまで同調してしまう。なぜ人は、そこまでモノを考えなくなってしまったのか?その原因は「スマホ」が決定的に大きいとわしは思っている。現在、世界中で社会問題化している「SNS依存」の実態、そして進む対策と規制について見ていこう。呑気に構えていていい問題ではない。手遅れにならないうちに、すぐ手を打たなければならない!
※泉美木蘭の「トンデモ見聞録」…前回の「ゴーマニズム宣言」を読んで、高市早苗が「どのような国を創り上げたいのか、その理想の姿を物語るものが憲法です」などと発言したことを知り、政治家としての無知に呆れてしまったが、発売中の『女性自身』には、さらに斜め上を行く話が紹介されており、驚愕してしまった。なんと高市は「憲法とは“国の理想”を書くものではなく、国家権力を制限するためのものだ」という説明に対して、「私は、そういう考えはとりません。憲法は、国家に権力を与えるものです」と反論していたのだ!民主主義国家における基本中の基本とされてきた常識をあっさり否定し、完全に間違った憲法観を、意味不明な自信とともに独自展開している高市早苗。そんな高市政権がいま進めているのが「国家情報局」や「スパイ防止法」だ。いったい、どんな目論見があるのだろうか?
※よしりんが読者からの質問に直接回答「Q&Aコーナー」…先生のアシスタントの方々の離職率が低いのはなぜ?「必殺仕事人」が好きな理由とは?なぜ日本の芸能界にはロバート・デ・ニーロのように政権批判ができる人物がいないのか?女性の病的なまでの痩せ信仰は強い男の人に守られたいという生存戦略で、反対にぽっちゃりが好みの男性は母性を求める弱者男性?『戦争論』を読んで、いざ自分が兵士になった場合、先人のように振る舞えるのか?と想像しても自信がない!無理に存続している自称伝統は、延命治療で無理やり生かされている管だらけの老人と同じでは?…等々、よしりんの回答や如何に!?


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1. ゴーマニズム宣言・第596回「未成年のスマホは禁止しろ」

 先日の選挙で明らかになったように、日本人の思考はどんどん安易に、短絡的になっている。
 芸能人の推し活と同じ感覚で、高市早苗を「サナ活」してしまう。アイドルの総選挙と、衆議院の総選挙の区別もつかない。高市早苗のやることなら、なんでもいい。「何かをやりそうだから」と支持し、「何か」の中身は一切問わない。批判をするのは「意地悪」だ、なんて言い草にまで同調してしまう。
 なぜ人は、そこまでモノを考えなくなってしまったのか?
 その原因は「スマホ」が決定的に大きいとわしは思っている。

 2月26日放送のテレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」は、子供のSNS依存問題を特集した。
 アメリカではSNS依存に陥った子供の自殺が社会問題化。SNS事業者を相手取った訴訟は、これまでに約1500件起こされている。
 その中で、初となる裁判が最近始まった。原告は20歳の女性で、6歳からユーチューブ、9歳からインスタグラムを使い始め、1日6~7時間、多い時は16時間以上使用し、依存症となり鬱病を発症、自殺願望を抱くようになったといい、「中毒性」の高い機能が心の健康を傷つけたとして、メタやグーグルに損害賠償を求めている。
 コーナーゲストの高橋暁子というITジャーナリストは、SNSの機能に問題があるのは間違いないとして、子供の利用に対する規制もやむなしというようなことを言いながらも、「民間企業なので営利活動としては問題ない」だの、「子供たちがSNSを好きだ、楽しいというのも事実なので、完全に取り上げることがいいのかどうか」だの、「うまく使い方を教えてあげて、見守ってあげるのも必要」だのと、やたらと偽善的な解説に終始していた。

 すると番組コメンテーターの玉川徹が真っ向から反論して、こう言った。
「SNSの登場以前から、依存性のある商品というのはあるわけです。例えばタバコ、アルコール、それからギャンブルね。
 そういうものは依存性があるから、注意喚起が行われているわけですね、提供する方からも。で、もう一つ、未成年には使えないようにしてるわけです。
 同じことだと思うんですよ。なぜタバコやアルコールやそういうものは未成年に規制して、同じように依存性があって、明らかな弊害がもう生まれている(のに、SNSは規制しないのか)。
 例えば未成年がみんなで集まってお酒を飲んだら、すごく開放的になって盛り上がって楽しいかもしれない。だけど、それでも規制してるわけでしょ。
 だから、こういういい面があるから規制しないという話は、僕はありえないと思ってるんですね。
 もうすでに弊害が出てるっていう部分があるんであれば、少なくとも未成年をそこから守る、それは大人の義務が僕はあると思うので、これは当然ながら規制が必要だと思いますね」

 全く正論である。コロナワクチンをあれだけ手放しで激賞していた奴だから、新しいテクノロジーだったら何でも認めるんだろうと思っていたら、こんな頑固親父みたいなことを言うので意外な感じがした。
 だがそれでもITジャーナリスト・高橋は、いくら規制をかけても抜け穴をくぐる者は出てくるなどと言って、なおも規制に難色を示す。
 しかしこれにも玉川は、どんな規制にも抜け穴を見つける者が出てくるのは当たり前の話だが、それはごく少数であり、100%の規制を目指すということではなく、法で禁じられていることで大部分の人はやらなくなり、やる者も後ろめたさを感じながらやることになる、それが重要なことだと反論した。これも確かに正論だといえる。

 この番組でもうひとつ注目したのは、コメンテーターの経済思想家・東大准教授の斎藤幸平のコメントだった。
「子供のSNS依存、問題になっていますけれども、ついに(アメリカでは)裁判にまで至ったということです。
 これはタバコのニコチン中毒より有害なドーパミン中毒なわけですよね。
 これ、規制しないとやめられないわけですよ。周りがやってるから、自分だけ除け者にされちゃうっていう不安を作り出されて、子供たちは当然やっちゃうわけですよね。
 その結果、本当に問題がたくさん起きていて、ジョナサン・ハイトって方が『不安の世代』って本を書いているんですけれども、大きく3つ指摘していて、1つは今言った、ドーパミン中毒での集中力の低下ですね。常に新しい刺激を求めちゃうので、一個のことができない。
 2つ目がこのメンタルヘルスの悪化です。他人と比較されて、もっと痩せなきゃとか、もっとしなきゃっていうので、鬱になったり、不安になったりしてしまう。
 3つ目が、内気になってリスクを取らなくなっていく。炎上したらどうしよう、みんなと同じこと言わなきゃっていう形で、どんどん周りを気にして受け身になっていってしまう。子供たちの自由な発想とかコミュニケーションが取れなくなっていく。
 端的に言えば、バカになっていっちゃうってことですね。
 それはもうSNSがそういうふうに仕組まれてるっていうことを私たちは認識して、アメリカだけの問題ではなく、日本の現在進行形の問題として、規制を考えなければいけないところにきていると思います」

 SNSに依存していると、バカになる。
 そもそもSNSは、そういうように仕組まれている。
 テレビでここまではっきり断言できるとは、大したものだ。
 しかも斎藤は、スマホの使用時間制限を子供だけでなく、大人にも課すべきだとして、コーナーの最後ではこう言った。
「親の大人の方が常にSNSを見て、自分の投稿が何回『いいね』をもらった、シェアが何回されたって、これアテンション・エコノミーっていうんですけども、そういう注目を集めることの論理に飲み込まれてしまっている。
 そういう中毒が実は、アルゴリズムがいろんな政治も含めて社会に大きな影響力を及ぼすようになっているのは事実なのに、日本は子供だけでなく大人の規制もないです、フェイク・ニュースとか。
 だからそれを本当に考えなければならないところに差し掛かっている」

 ここではスマホ中毒が「政治も含めて社会に大きな影響力を及ぼす」ことの具体例は挙げなかったが、まさにそれこそが総選挙における高市圧勝だったと言えるのではないか。
 みんなが高市を支持している、高市を推したら「いいね」がつく。
 先日のゴー宣道場でも指摘されたが、政治信条にも主張の真偽にも一切興味も関心もなく、ただ再生回数が稼げるか否かというだけの判断基準で動画を拡散させている者が多数いる。
 そんなことが増幅されて、誰も具体的な政策統一協会問題裏金問題も一切気にもかけず、地滑り的な投票行動につながっていったのだろう。
 スマホは子供に使わせたら危険なのはもちろんだが、大人が使っても非常に危険であり、そのことをもっと問題視しなければいけないのだ。

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昭和51年『東大一直線』にてデビュー、大ヒットとなる。昭和61年『おぼっちゃまくん』連載開始。アニメ化もされ、主人公が喋る「茶魔語」が子供たちの間で流行語となり社会現象となる。平成4年、社会問題に斬り込む世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。現在も新作漫画を鋭意執筆中。
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