戦後80年は「8月15日」で終わったわけではないと改めて感じた。今月25日、フィリピン・レイテ沖海戦で乗組員約1700人の半数以上が戦死した空母「瑞鶴(ずいかく)」の慰霊祭が営まれた。初代・神武天皇をまつる橿原神宮(奈良県橿原市)の「瑞鶴之碑」で、遺族たちは静かに祈りをささげた。
▶祖父・稔さん(享年79)が乗組員だったというシンガー・ソングライター、西岡秀記(ひでき)さん(43)の姿もあった。ギターを手に鎮魂歌「不滅の絆」を歌い上げた。「亡くなった戦友も生還した戦友も、国のためにともに戦った。その絆は消えることはない」との思いを込めた。
▶「祖父が生きて還(かえ)ってきたからこそ、私も生を受けたんです」とも。折しもこの日、同神宮横の球場では高校野球秋季大会が行われていた。80年あまり前、戦地に赴いた若者たちも同じ年ごろではなかったか。平和の尊さを思った。