「不同意性交等罪」無罪判決 前橋地検 控訴せず 「悔しい・・・」性被害者の声届かず
3月16日、前橋地検は「不同意性交等罪」で起訴され、2日に無罪判決の出た復興ボランティア団体(福島県南相馬市)代表に対して、控訴しないことを明らかにした。
この報道を聞き、性被害を告発した女性は「悔しくて、ほんとうに悔しいです・・・」と語った。
聞く耳持たぬ裁判官たち
事件発生から1年8ヵ月━━。被害女性はPTSDの治療を受けながら、警察、検察そして裁判で、繰り返し繰り返し、何度も何度も傷つきながら、自分の身に降りかかった、言葉にできないような被害を訴えてきた。
「2度と同じような思いをする人を生み出さないために」との思いから、必死になって言葉を絞り出してきた。
その思いは裁判官たちにはまったく届かなかった。最初から聞く耳を持っていなかったのではないか。
判決文はほぼすべて被告の側の供述を認めた形で書かれている。極度に一方的でバランスを欠き、「合理性」にきわめて乏しい。
女性の証言は「不自然」「信用できない」「整合性に乏しい」とされ、「自分(女性)は性被害を受けたのかもしれないと思い込むようになり、その後は、虚実を織り交ぜながら、本件客室内での出来事等を供述するようになったと説明することも可能である」「被告人の公判供述は、信用性に疑問を生じさせる不自然不合理さ等までは認められない一方、(中略)このような被告人の公判供述を踏まえると、やはりA(女性)証言は、信用性に乏しいというほかない」、更に「被告人と同じベッドで再度眠りについたことは上記のような状態にある者の行動として合理的な説明をすることが著しく困難である」と断定している。
女性は被害を受けた後、忘れぬうちにと警察、検察に事件の詳細を語っている。精神的なダメージはあっても、女性がその時点から、虚偽の証言をする理由、被告男性を陥れるいわれはまったくない。
不同意性交罪は、密室の中で行われるため、物的な証拠は少なく、加害者と被害者の証言の信ぴょう性が問われる。両者の供述の「合理性」を厳格に判断することになる。そこにバイアスや偏見があってはならない。
今回の裁判では、20代の女性が性的被害の場面を何度も何度も語らされている。2次被害、3次被害、4次被害ともいえる過酷な体験を自ら望む者はいない。被害女性が「ウソ」の証言、「作り話」をする理由、必然性はない。
裁判官、検察官は誰のために仕事をしているのか
性暴行の被害者たちの中には声をあげられない人も多い。今回のような司法のあり方(被告の側に立った一方的な判決の確定)では、ますます性被害を告発することはむずかしくなる。
残念ながら、私たちの社会では多くの性暴行が発生している。不同意性交は圧倒的な力の差、社会的な力の差の中で生まれている。司法はそれを踏まえたうえで裁きに臨まなければならない。
性被害を少しでも減らしていきたい。司法はそのミッションを受け止め、正面から取り組むべきである。
社会的「正義」を貫いてこそ、司法の存在意義がある。
無罪判決に抗議するオンライン署名には、2日余りで1万人を超える人たちが署名している。
無罪判決を書いた裁判官、控訴しないことを決めた検察官たち。あなたたちは私たちの税金で仕事をしているのです。この署名に込められた思いを汲み取れないようだと司法を担う資格はありません。


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