京都大学のキャンパスの一角に、1913年から学生たちが暮らしてきた日本最古の学生寮がある。今月末、寮生たちはこの吉田寮の「現棟(旧棟)」から一時退去する。大学による耐震工事のためで、完了後に戻る予定になっているが、工事内容や建物の先行きは不透明だ。ここでは現在、どんな思いで寮生たちが暮らしているのか。彼らはなぜここでの生活を選んだのか。背景には経済的な事情はもちろん、共同生活のぬくもりや自治活動、文化発信など吉田寮ならではの理由があった。
吉田寮には1889年建築の「食堂」、1913年建築の「現棟」、2015年建築の「新棟」があり、120人ほどが暮らしている。寮生たちが話し合いに基づいて運営する自治寮で、月の寮費は2500円。
耐震工事に向けて大学と協議を続けていたが、大学は交渉を打ち切り、建物の明け渡しを求めて一部寮生を相手に提訴。一審の京都地裁は一部寮生の居住継続を認め、双方が控訴したのち、昨年8月に和解した。新棟の寮生は変わらず住み続けるが、現棟の寮生は26年3月末までに一時退去し、大学による耐震工事が完了したのち戻ることになっている。
寮生の属性は様々で、学部入学と同時にやってくる人も、学部や大学院の途中から入る人もいる。留学生や、社会人を経験したあと学生に戻った人もいる。
「学費も全部自分で払っています」「バイトをかけもちして月10万円くらいの生活費を稼いでいます」。そんな学生が吉田寮には少なくない。
札幌市出身で総合人間学部3回生の奥山朱凜(しゅり)さんは、2年間のひとり暮らしののち、昨年春に吉田寮に入った。
「京大吉田寮」の内部を3Dで再現
日本最古の学生寮「京大吉田寮」を3D映像で記録。記事の後半では、操作して内部を隅々まで見ることができます。
アパートの家賃は3万7千円…